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孤独という暗闇の中の一筋の光【マチアプ①】

好きだった仕事を辞め、将来の自分の為に転職した。
好きな仕事 < 生きる糧(給料)の選択をした今、たった一度の人生を、この先一生独りで過ごすかもしれない覚悟を決めたことになった。

その後は少しだけ、ほんの少しだけ気持ちが軽くなった気がする。
<誰でもいいから結婚がしたい訳ではない>
<心から好きになった人の傍にいたいし、その先に結婚があれば嬉しい>
<価値観のズレがある人と無理に結婚する位なら、一人でいた方が楽だ>
独りで生きていけるような状況になった今、その当初の気持ちをもう一度持つことが出来た。

こうなったら行け行けドンドン!
私の良い所の一つである "謎のポジティブ" が突如発動し、自分の中で視野を狭めていた何かが外れた気がする。
一度決めたら有言実行するタイプなので、アプリでの出会い探しは6月末と終わりが決まった。
その状態で見るアプリはなんだか違う。
今まで以上に直感を信じて、どんな境遇の人であれ会ってみたい人と会おうと思っていた。ダメでもともと!後悔しないようにやろう精神だ。
この頃たしか2月の頭。

いつものように、何人かとメッセージをやりあい距離を縮めていく作業(?)の隙間時間に気になる人を見つけた。
素敵な笑顔の写真で、思わずプロフィールを覗いた。
そこにはアプリ特有のつまらない自己紹介ではなく、自然と画面に吸い込まれるような素敵な文章だった。
その人となりが分かる、背伸びをしていない素直さ、虚勢を一切感じない正直さ、見る人誰もが不快にならないよう配慮された言葉遣い。
(あぁ この人は素敵な人なんだろうな・・・・会ってみたいな・・・)
そう思っていいね!を押そうとした瞬間、画面の下の文章が目に入った。

仕事の都合で東京にいますが、〇月に〇〇〇へ帰ります。
それでも良いという方でしたら、よろしくお願いします。

・・・・・ん!?なに?!そうなの?!
・・・・・この人にいいねを押すという事は、気軽な気持ちでしてはいけないことだな~。数日置いて冷静になって、それでも彼にいいねしたかったら探そう・・・

そう思って、その時は高まる気持ちを抑え、一旦アプリを閉じたのだ。
直感即決型の私にしては珍しく。

お風呂に入りながら、私は今まで生まれ育ったこの地域から出て〇〇〇へ行くことになっても良いかどうか考えていた。
気が早いんじゃないかと思うかもしれないが、私は〇〇〇へ帰る彼にいいねするという事は、もうその覚悟が少なからずある(地元を離れてもいいという気持ちがある)という意思表示だと思った。その気がないのにいいねをするのは彼に失礼だ。
もうプロフィールの時点で彼の人間性に惹かれている。今までの自分だったらもういいねを押しているだろうけど、でもそれくらい重要な一歩だと思ったから、直感型の私でも結論を出すのに数日置いた。

まあ向こうもいいねし返してくれないかもしれないし、まずは会ってみないと分からないよな!よし、いいねをしよう!

アプリを開いて彼を探した。
いない。あれいないぞ。え?やめちゃった?うそでしょ?
絶望と後悔に支配されながら、うろ覚えな情報で検索を掛けてみた。
いた。
よかった~!!!!!!!ポチ!!!!(いいねを押す)

私はアプリをしている上で決めている事があった。
いいねを押した人にだけ情報が公開されるようにしていて、不特定多数の人に見られないようにしていた。私を見てスルーした人は、後日見ようとしても見えないようにブロックまでしていたのだ。
アプリ使用歴の長さと無駄な人生経験から得た処世術だった。

彼はどうするだろう。
私は運を天に任せて眠りについた。


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