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私の世界線にはなかった"優しい光"【マチアプ②】

"独りで生きていくかもしれない"という覚悟を決め、アプリ終了日を決めた直後、私はとても惹かれる人を見つけた。
前回の話はこちら。


アプローチは私から。言わば逆ナン。

彼(今後"フジオカさん"とする)にいいねを押した後、期待しないようにあまり考えないようにしていた。
翌日の夜、もちろん他も並行して進めないとなー気が進まないな・・と思っていたところ、フジオカさんとマッチングしたと通知が来た。
「おおおお!来た!!!!!」
好意を拒否されなかった という第一段階を突破した事が純粋に嬉しかった。嬉しさを噛み締めていたらなんとフジオカさんからメッセージが来たのだ。

フ「いいね返していただきありがとうございます!(以下省略」
こ(・・ん?私が先に押したはずだけどな・・・まぁいいか!)
 「こちらこそありがとうございます!
  すいません、私がいいねしたのに私からメッセージしなくて・・・」
というような事を言って念願のフジオカさんとメッセージが始まった。
これが2月の末~3月上旬頃だった。

"期待しすぎても良いことは無い"という悟りの境地

フジオカさんのメッセージは、アプリで荒んでいた私の心に沁みた。
心地がいい。干渉しすぎず、でも私を知ろうと必ず何かを聞いて私も答えて言葉のキャッチボールをしてくれる。「料理しますか?」とか「家事しますか?」という母親要素を求めているような事も言わなかった。1人の女性として対等に見てくれている事が嬉しかった。
プロフィール通りの素敵な人だなと思いながらも、私は心のどこかでセーブしてしまっている。会うまではどうなるかわからない。
会った瞬間にがっかりされるかもしれないし、そもそも直前に「ほかの人とお付き合いする事になったのでごめんなさい」とドタキャンされるかもしれない。それにベルギーのような結果になるかもしれない。
私は素直に喜べなくなっていた。

タブーとされる遅刻をした初対面

フジオカさんと会う前の週、私は他の人と会っていた。
メッセージはとても紳士的で穏やかな印象を受けた人だったけれど、会ってみたら明らかな愛想笑いと話題を振らない威圧的な態度でショックを受けた。
会ってから合わないなと思ったとしても、その場で相手を傷つけるような態度をするべきじゃないと思う。腹が立ち、どんどん心が荒んでいく私は帰り道に少し泣いた。
良い人だなと思っているけどフジオカさんもそうなのだろうか・・・・
会いたいような会いたくないような複雑な心境だった。
ーー------
フジオカさんと15時に待ち合わせをした初めましての日、私は10分遅れそうだった。
何という事だ!よりによってフジオカさんと会う初回で遅刻するなんて!心象最悪すぎる~!!先週みたいな人だったら怒らせちゃうかもな・・・

待ち合わせした駅の地上で、一人の男性が誰かを待っていた。
「・・!!男性一人しかいないし、もしやあの人では?!」と思い駆け寄って声を掛けようとしたらフジオカさんがこちらに気が付いた。
会った瞬間とお店へ向かう数mだけ、少し顔が堅かったので怒っているのかと思ったけれど、緊張していただけのようですぐに私の思い過ごしだったことが分かる。

私の世界線にはいなかった優しい人

フジオカさんは、プロフィール通り笑顔が素敵で柔らかい印象の人で。
会った後も変わらず笑顔で話してくれるし、メッセージの内容も覚えていてくれているし、私が話をしやすいように話題を振ってくれたりした。
「これとこれで迷ってるんです」と2種類のスイーツで迷って決めた私を気遣って、両方食べられるように「じゃあ僕はこっち頼みますね!食べたくなったら食べてください!」と言ってくれるそんな優しさの塊みたいな人だった。

楽しい時間は本当に早く過ぎる。元々、軽くお茶しましょうという話だったので、私は帰るつもりでいた。もしまた会えるのなら、今度はごはんに行けたらいいな・・・でもそう思ってるのは私だけかもしれないな・・・・
おしゃべりをしながら、そう自分の気持ちにセーブをかけていた。

つづく。

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