見出し画像

現代の風神雷神よ〜村上隆もののけ京都〜

どどーん。と美術館の庭に現るお花の親子🌸

梅雨入り前に京都入りできました。
修学旅行生や外国人観光客で賑わう久しぶりの京都。そうだった、京都ってこうだったよね。と思い出します。

京都入りの目的は村上隆さん、8年ぶりの個展を鑑賞するためです。
8年前は東京六本木の森美術館で開催され、日本美術への新たな挑戦「五百羅漢図」を披露した個展でした。
それまでなんとなく知っていた村上隆さんの解像度が一気に上がり、村上隆かっこいいいーとなった個展でした。

何かと日本人にたたかれて日本に好かれてない印象ですが、たぶん、この人は心では泣きながら何くそと奮闘して、日本の批判も真摯に受け止めて分析して、世界で戦ってきた作家だと思います。

今回の「もののけ京都展」は
村上隆さんの「過去、現在、未来」を京都を絡めて表現してちょうだいという京セラ美術館からのオーダーで始まった企画展です。

そして通常であれば過去の作品は海外の美術館やコレクターから借りてくるわけですが輸送費の高騰、高い保険代を考えると予算が足りない。ほんなら、せっかく生きてる作家なのだから海外から運ぶのではなくて、新作でカバーしてくれないか。
という美術館側の無茶振りに応えたものになります。

断ることだってできたのではないか

断らなかったのは
村上さんデビュー時からのお付き合い&信頼しているアート関係者である京セラ美術館ゼネラルマネージャー高橋さんからのリクエストだったからだそうです。
はて高橋さんとはどんな方なのだろうと調べてみると「会田誠、荒木経惟、大竹伸朗、河原温、奈良美智、蜷川実花、村上隆らのアーティストとともにさまざまな展示企画を行う。」
とあり、日本の錚々たるメンバーと仕事をしてきたプロデューサーのようです。

そんなこんなで新作たくさんのもののけ京都展
この目で見ないわけにいきません。

洛中洛外図、六角堂など、京都の歴史や街にちなんだ作品、ドクロやDOB君など見どころはたくさんありますが

今回私は
「風神雷神ワンダーランド」が一番ふむ!なるほど!と思ったので紹介します。

村上隆 もののけ京都より
村上隆 もののけ京都より

風神雷神といえば俵屋宗達が描いた屏風絵です。
最近原田マハさんや柳広司さんの描く俵屋宗達の小説を読んでおり私の中でホットな作品でした。
俵屋宗達、尾形光琳、坂井抱一と3名の作品が有名です。
どれも微細に異なる作品であるものの、共通して力強さや勇ましさのある作品となっています。

一方、村上さんが描いた風神雷神はめちゃポップ。めちゃゆるい。ゆるキャラ風の風神雷神。
そこにはちゃんと理由があります。

これは現代の風神雷神図なのです。
宗達が生きた時代は桃山時代から江戸初期。
当時がどのような時代だったのかどのような絵が求められたのか。

100年後、200年後に絵を見た未来の人が令和という時代をどのように読み取るのか。
それがこのゆるふわな風神雷神に表現されています。

そう言われると
戦国時代と令和との対比がなんともおもしろいのです。

つまり宗達の風神雷神を知っているとより楽しめるのです。
洛中洛外図も同じです。

現代美術は予習が大事。復習も。

予習がなくてもでっかい作品が並び、その作品らの圧力にやられます。

カーテンや床、細部までこだわりを感じ、
会期中にもう1回行きたいと思わせる内容でした。

今回はふるさと納税の招待券で入りました。
そういえば特典のトレカを開封してないことに気づきます。
帰ったら開封しよー。

予習復習に最高だった動画

予習復習に最高だった本
村上隆著 芸術闘争論

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?