麺の曲の話【NDLs.01】拉麺紳士

アコースティックユニット「ラボレムス」のボーカル、作曲・作詞担当にして唯一のメンバー、西谷ジェントルマンと申します。ヌードルシンガーソングライターを自称し、麺の曲を作っては歌っております。
 5月より、YouTubeで自作のヌードルソングを公開し始めまして、皆さまにご視聴いただいております。ありがたい限りです。
 今後はnoteに曲のことを中心に、麺のこと、日々のこと、様々なことをつれづれとつづっていきたいと思います。
 お時間あればお付き合いください…。

【NDLs.01】拉麺紳士
 NDLs(ヌードルス)その1は「拉麺紳士」。
 順序的にも、心情的にも、僕がヌードルシンガーソングライターとしての第一歩を踏み出すこととなった曲である。
 実は、この曲を作曲するまでにもいくつか曲(非麺ソング)を作っており、それらの曲を街フェスとかコンクールとかで歌っていた。
 自分の状況もいろいろ変わり、そういう対外的に歌う場には出なくなったのだけれども、曲作りは細々と続けていた。
 そんな中で、一度思いっきり個人的な、自分の好きなものに特化した曲を作ってみようと思い立ち、ラーメンの歌を試作してみたのである。
 今でもそうだが、曲作りは僕がメロディと詞を考えて、jesse先生に肉づけをしてもらう、という形で行われる。
 ということで、試作したラーメンの曲もレッスンに持ち込み先生に聞いてみてもらったところ、はっきりと、

「これは歌詞を全体的に直したほうがいいですね」

とおっしゃる。
 僕は、あれっ、と思った。
 それまでの曲作りにおいては、簡単な直しは入るものの、大きな修正に言及されることはなかったのである。
 ところが、この曲については何度も修正の指示をいただいたわけだ。しかも、

「もっとラーメンにフォーカスを当てたほうがいい」

「あなたの持つ言葉をフル活用してラーメンのことを表現するのよ」

さらには

「あなたにとってラーメンとは何なのか、真剣に向き合ってください」
 
 jesse先生の具体的かつ、情熱的な、僕の人生にも踏み込むような指導が炸裂する。
 僕としてはけっこう思いつきで作り始めた曲なので、随分うろたえたものだが、どうにかこうにか指示の通りに、直しを入れていった。
 結局最初の試作から4か月ほどかかって、完成に至ったわけだが、やはり初稿に比べると、別次元の良い作品になったと自負できる曲になっていた。
 西谷にとってのラーメン、西谷の人生とラーメンのクロスオーバー…
こういったものが十二分に表現できた、特別な曲になったと感じた。
 さて、この曲が完成してからしばらく経って、次の曲の制作に取り掛かろうと、jesse先生に相談したところ。

西「先生、次の曲に取り掛かろうかと思います。」

j「いいですね。次は何の麺ですか。」

西「えっ? いや、今度のは麺の曲じゃないんですけど…。」

j「なんで? 麺の歌にしましょうよ」

西「えっ? でも…。」

j「あなたはこれから、麺の歌を歌っていくのよ」

西「えー……?」
 
 コミック・シンガー。
 そんな言葉が僕の脳裏をよぎった。
 麺の歌ばっかり歌うとか、何なんだ、それ。全く想像できない。
 しかし、こと芸事に関しては先生の言うとおりにしておけば間違いない。そのことを僕は経験でイヤというほど思い知らされている。
 腹を決めることにした。
 
 これが、僕のヌードル・シンガー・ソングライターとしての記念すべき第一歩であった。
 もちろん、先生のこの提案は僕の芸術を打ち立てるうえで、非常に重要な助言で、大きな転回点となったわけである。
 ずいぶん長文になった。とにもかくにも、これから投稿する一連のヌードルソング、NDLsが僕の後半生を形作るものとなるはずである。
 その幕開け、「拉麺紳士」
 
 改めてお聞きいただければ幸いです。

 ラボレムス ー さあ、仕事を続けよう。

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