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レジ袋有料化の波に乗ってみよう【1/5 本当のエコとは?】

海洋プラスチックゴミや温室効果ガス排出で問題視されていたプラスチックレジ袋が、日本でもとうとう2020年7月1日に有料化する。

だが、レジ袋を有料化することは環境保全(この場合、脱炭素社会)に直接的な影響をほとんど与えない。ならばレジ袋有料化は何のための大号令なのか?というクエスチョンから拡げていき、地球のためになるエコアクションとは何なのかを5回に渡って紹介していく。

<全体目次>
第1回 【イントロダクション】レジ袋有料化の波に乗ってみよう←<本日>
第2回 【インフラ・エネルギー回】日本の場合、電気自動車と電車が比較にならない理由
第3回 【フードロス回】残さず食べるを現実にする3つの方法
第4回 【プラスチック回】プラスチックエコ活動は個人から始めた方がいい3つの理由
第5回 【選別と情報発信】声を上げていくことの意味(テーマ)

マイバッグの数値的な効果

まずはレジ袋有料化は直接的な影響をほとんど与えないと前述したが、レジ袋を全てマイバッグにした場合、実質的にどんな効果を発揮するのか一人当たりの数値を見てみよう。

節約枚数 365 枚(年間) ⇒ レジ袋 3,650g
⇒ 3.6kgのごみ削減
⇒ 原油約 6.7 リットルの節約(レジ袋 1 枚 =18.3ml) 
⇒ CO2約 14.6kg削減
(レジ袋 1 枚=CO2が 40g として計算した場合)
⇒ ブナの木 約 1.3本の吸収量に相当

参考資料:http://www.bin-reuse.jp/2r_guide_book/img/20.pdf

これを日本の全人口で集計すると原油なら年間50万キロリットル削減することになる。日本のゴミの総量は4289万トン、原油消費量は6億1210万リットル、温室効果ガス(CO2)排出量12億600万トンとその量は莫大で、プラスチック袋だけでは心許ない。

<ポリ袋で削減できる割合>
・ゴミ量⇨ポリ袋削減 年間44万トン(全体の1%)
・原油消費量⇨ポリ袋向け原油 50万リットル(全体の0.8%)
・温室効果ガス(CO2)⇨約180万トン(全体の0.14%)

また、それぞれの内訳としては
・燃やすゴミの41%は食料品。
・原油消費量の40%は車、飛行機、トラックなどの輸送用動力源と化石燃料といわれる発電などのエネルギー源が40%を占める。
・温室効果ガス(CO2)の排出量は40%がエネルギー変換、産業が35%、運輸が17%となる。

参考資料:
https://www.env.go.jp/press/106564.html
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2013html/2-1-3.html
https://www.jccca.org/chart/chart04_04.html

小売店用プラスチックレジ袋の有料化は、生活に密接に結びついているが環境問題解決の主要素ではない改革なのだ。

暮らしの中のエコに目を向けさせる意味

実質的な効果は薄いが、レジ袋有料化には一つの大きな利点がある。それぞれの生活に必ず密着していることだ。今、外出した際にレジ袋を受け取らず何日過ごすことができるだろうか。何の意識もしなければ1日と持たないはずである。この事は意識を変える上でとても大きな意味を持つ。

一つ予言をするならば、エコバッグを持ち始めた序盤は他のエコに対しても必ず意識するようになるだろう。人は意味もなく自分の習慣が変化するのを嫌がる。「これは一体何のためにやっているのか」必ず気になってくる。そして、どうやらこの変化は環境にとってほとんど意味のない活動なのだと知った時、意味がないならやめようと思うか、より意味のあることをしようと思うのではないだろうか。

後者であってほしい。しかし、エコバッグも習慣化してしまった時、その小さな一歩に意味があると自分を納得させて、私はエコに対する興味をまた無くしてしまうだろう。そうなる前に、地球にとって個人ができるより良いことをまとめておく。

3Rを実践する

環境問題について語るとき、多くの人がおぼろげに知っている単語が3Rではないだろうか。Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRの総称だ。

一つめのR(リデュース)とは、物を大切に使い、ごみを減らすこと。
二つめのR(リユース)とは、使える物は、繰り返し使うこと。
三つめのR(リサイクル)とは、ごみを資源として再び利用すること。
参考:http://www.env.go.jp/recycle/3r/campaign/campain.html

この要となるのは、リデュースである。ゴミや過剰なエネルギーを減らすことが最もシンプルで効果的な環境対策だ。

ゴミを燃やすためには大量の燃料を必要とする。そして、ゴミの40%は食料品だ。私がまず取るべきアクションはゴミ(特に生ゴミ)を出さないこととなる。

一般家庭では、日常生活の中で1人当たり1日900グラムのゴミを消費している。うち生ゴミは350g程度。そのほとんどは食べ残しや、腐ってしまった生鮮品、調理できるのに捨ててしまっている部分などである。これは耐水性のスケールを三角コーナーの下に置いておくだけで解決する問題かもしれない。もしくは賢い冷凍保存、野菜を腐らせずにおく方法など昔ながらの生活の知恵が役に立つだろう。しかも、一つ一つはとても些細ですぐに取り組めることばかりだ。

他にも、飲食店の廃棄を出させない、あるいは循環させている店や企業を選び、支援するなどといったアクションも行うことができる(食料については、第3回でより詳しく語る)。

次に、原油を多く消費する車を極力使わないこと。余計なガスや電気を使わないことだ。

車やインフラ、電気とガスとの環境負荷や再生エネルギーについては、第二回で詳細に述べるので、ここではシンプルなことのみをまとめる。

・主電源を抜く。
・スイッチ式にして使う時以外はoffにする。
・空調の温度管理の工夫で消費電力を減らす。
これも習慣化してしまえば特に気になることではないだろう。

これらを意識することで、エコライフは革新的に変わっていくだろう。とはいえ、上記は大枠の考え方を語ったにすぎない。

食料問題一つ取っても、ゼロ・ウェイスト(ゴミを減らす)、フードロス(食料廃棄)、プラントフードなど多様な切り口があり、最も課題となっているフードロスに関しても原因も解決方法も多様にある。

エネルギー問題は、再生エネルギー施設建設における自然破壊問題、EV車やシェアリングエコノミーとコロナウイルスとの問題など、単純な数値だけでは取り扱えない事が多数存在する。

これから4話分かけてそれぞれの項目について、色々な団体や企業の事例を引き合いに出しながらすぐにできる具体的なアクションへつなげて語っていこうと思う。

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