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人事が変わると会社が変わる

会社での人事部の役割といえば、人材採用、評価、配置、育成、労務管理など 「人」に関わる管理業務ですね。
私は人事労務の仕事に約30年携わってきました。偶然社内異動で人事になったわけですが、やりがいを感じて、人事のプロになろうと決心したものでした。
なぜそこまで私を惹きつけたのか。
まずは「人材採用」、会社にとっては毎年の恒例行事でしかない新卒採用や、欠員募集は、人数が集まればいい、というものかもしれません。でも採用される側にとっては、人生を左右する大きな問題。勿論、採用だけで人生が決まるわけではないですが、最初の企業の社風や教育は、その後の人生に大きく影響するものです。期待や希望を胸に応募してきた方たちに、しっかりと向き合い、不安を払拭しながら、力を発揮して採用試験を受けてもらう環境づくりは、とてもやりがいがあるものでした。

そして「労務」。給与計算や社会保険などの事務処理。当然ミスなく、正しく処理することが求められますが、ただの事務ではないのですね。働く人が安心して働けるように、わかりやすい案内を作成したり、わかりにくい税金や社会保険のことをわかりやすく説明したり、時には社員の扶養家族の人からの相談を受けたり、労務はその人が会社を辞めた後の一生にもかかわる大事な仕事なのです。私は健康診断の担当もしていましたから、再検査も全員受け終わるまで、しつこく声掛けしておりました。うるさいばあさんだと思われたでしょうが、健康管理は会社の義務でもあれば、社員の義務でもあることをしっかり伝えて、健康保持増進していく環境づくりをすることも、社員の一生の幸せにもつながります。

他にも教育活動もありますが、一番大事なことは「退職手続き」。
退職する人には、何かしらの理由があります。会社が嫌で辞める場合もありますが、もっとやりたいことが見つかって転職するため退職する人もいます。いずれにしても、第二の人生の門出です。今まで働いてきてくれたことを労い、今後更に幸せな人生を歩んでいってもらえるように背中を押す役割だと思っています。それを辞める人だから、と適当にあしらったりしては、今まで一緒に働いた時間のすべてが「がっかり」したものになるのです。

退職した社員は、もしかしたらいつかわが社のお客様になるかもしれない、共同で仕事をする相手になるかもしれない、そんな計算をしなくても、今まで働いてきた人には敬意をもって、対応しましょう。

初めて会社に来た人から、最後に会社を出るときまで、対応するのは「人事」なのです。「ゆりかごから墓場まで」みたいです。
そんな人の人生の転換期に関われる人事、人が安心して過ごせるための仕事をさせてもらえることが、何よりもやりがいを感じたのです。

そんな中で、うつ病で退職する人が多かった企業では、人事の仕事にプラスして、メンタルヘルスのサポートもしてきました。
これこそ、人事だからできること。人事が持っているあらゆるデータと人を思いやる目をもって体調を壊す社員への対応をすることが、どれだけ社員のやる気と働く意欲に関係するか。
働く人のやりがいは、給与の高さや残業の少なさだけではないのです。
むしろ、給与や待遇は、一過性のやりがいにしかならない。
人の心をつかむには、「ここで働いてよかった」と思える環境。それには「感動」を呼ぶような人の心が一番大事で、長期的なやりがいを生むのです。

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