「三度目の殺人」を見て。
これ、名作じゃないか。
欠点はね、わかりにくいということですね。
単純明快ハリウッド映画的な、「正義が勝って一件落着!!」ってものを求めている人にはわけわからんでしょうね。
「村上春樹の小説はわけわからんから嫌い。結局、結論はなんなんだよ?」って感じの人には全くオススメしません。
ただね、表情や言葉、文脈から物語を読み込む人には最大限にオススメします。
お話は、30年前に殺人事件を起こして服役してきた役所広司が、出所してまた殺人事件を起こすものの、供述が二転三転し、最後は容疑を否認することに。
役所広司はもちろんのこと、弁護士の福山、被害者の娘の広瀬すずの演技とその表情・言葉をとらえた”絵”が素晴らしく、途中、強い恐怖を覚えるくらいです。
マジで凄いんだけど、この映画。
作中で流れるシンプルで悲しげなピアノがめちゃくちゃ良いじゃん、なにこれ?って思ってたんですが、なんと私が大好きなルドヴィコ・エイナウディが音楽担当らしい。
そりゃ、良いに決まってるわ。
1個極めて謎のは、エスパー的に相手の心を読む感じのシーン。
あれ、いる?
あれがあるから、別の要素が入っちゃうし、その後何1つ回収されない伏線なので、「複雑なお話」というより、「SFなのかドキュメンタリーなのかルポタージュなのかなんなのかわからない」っていう、主題にのめり込むためのリアリティを欠くきっかけになってしまっている。
でも、とにかくそれ以外の会話も目線も表情も絵も、極めてリアリティに満ちた重厚な作品ですので、単純明快ではない結論になるのもイヤではない、って人にはガチでオススメです。
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