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自作詩

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記事一覧

お花畑に閉じ込められたロボット

夜型人間であることは明らかなのに
夜は寝るものだと信じて疑わないから
自分に対して疑心暗鬼して結局嫌いになってしまう
良い子が寝てる時間はわたしが元気な時間

真夜中が活動時間のわたしは
大した大人じゃない
思い通りにいかなかったらすぐキレるし
未だに王子様はいると思っている

初めてもらった指輪は氷でできていた
初めてもらった誕生日プレゼントだった
初めてもらった愛はカイロだった
もらえるものは

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桃娘と突風

あれから毎日夢に出てくる
時空が変わっても好きになることは決定事項で
わたしは今日もあなたに会うために眠る

枯れ切った砂漠に到達する熱風は
更に体温を上昇させる
冷えたスポドリが飲みたいのに
もらえるのは胸が焼けそうな光線銃の流れ弾だけ

与えられるものの密度が高すぎて
わたしにはもったいないと何回も言っているのに
それでもやめないあなたは神様なのかもしれない
ああ、でもみんなのものにはならない

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光る海で世界は滅ぶ

補色の組み合わせが一番綺麗だと信じていた
はっきり境目が分かる力強さはわたしになかったから
パステルカラーが流行った時代
わたしは補色を愛していた

暖色より寒色の方が好きだった
クールで冷たいそれは子供っぽさを消してくれるような気がして
パーソナルカラーが流行った時代
わたしに似合わない寒色は許されない色だった

ぼんやりと灯る間接照明
シンプルでくすんだクリーム色
全部わたしの好みではないのに

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愛に飢えていたわたしが夢で出会った人のことを好きになる話

スーパーで野菜を一緒に買うって
そこそこ深い関係じゃないと出来ないと思うんだ
だからわたしは1人で買っている
後ろを誰かが通りかかる

「チャーハンに玉ねぎは絶対入れなきゃだめだよ」

知らない声が聞こえてきて
なんの抵抗もなくカゴにひとつ玉ねぎを入れる
季節なんて関係なくスーパーの中は寒くて
とても冷凍食品のコーナーには近づけなかった

その日の夜はやけに暑かったのに
ちゃんとパジャマを着るわた

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350mを生きた

だからなに、と問われたらそれまでの小さな世界で
わたしは何を誇るのだろう
ただ生命維持に努めているだけの歯車
代わりはそこらへんに落ちている
唯一を求めるには遅すぎるようで早すぎる
時の旅人?いいえ、ただの無責任なニート

楽しいことも苦しいことも
人生のどんな場面でだって
どんどん要らない自分が生まれる
心の貧しいままなら幸せになれると聞いたけど
あながちそれも間違っていなくて
感情を知れば知る

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ちょ、あばら折れるって!

わたしはいつの間にか、あなたの隣にいた
察するにわたしとあなたは大人だ
誰とも付き合わないと決めたのに
あなたとは付き合えるらしい

新型が出てもボロが目立ってもまだ可愛がるんだ
中古に出してもクリーニング代取られるだろうし
そう言ってあなたは運転席で苦笑する
その隣でわたしもまた愛想笑いをする

できれば、ずっとその時間が続いて欲しいと
小さく痛む胸にそっと祈る
ふざけた声で出発だとあなたが笑っ

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アリアドネは糸を切った

花屋、先生、指揮者
プリキュアにカメラマン
僕にはたくさん夢があった
本当にたくさんあった
ただでさえ小さい手で
ありったけの夢を大切に
そっと包み込んで笑っていた

僕の血が冷たくなったのはいつからだろう
いつの間にか夢なんてものなくなって
心はいつでもスッと冷えている
自分は特別な人間だ
その思い込みが解けたかのように
ただの使い捨てのおもちゃが
総武線の線路沿いで笑っていた

来世のカフネ

来世のカフネ

何よりもその吐息が欲しかった
狭いワンルームの窓際
もう睡眠用には使われなくなったベッドの上で
ただ甘いだけで思いやりのない
そんな吐息が欲しくてたまらなかった

脚だけで相手の機嫌を伺えば
今日もまた同じ罪を重ねるらしい
勘がいい女とは同時に都合のいい女だ
そして計算もすばやい
今日も女として扱ってもらえないのに

準備を怠った数時間前の自分を恨むなんて事はしない
手を抜けば抜くほど時間を請求で

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答案用紙

ずっと考えていた
どうするのが正解だろうか
きっと君は怒るかもしれないけど
それでも僕は君のそばにいたくて
結局僕は臆病なままで
君はずっと歳を取らないから

こんな感情が生まれる世界で僕はどう死んだらいい?
失いたくない人がいることが幸せなんて
僕はどうかしてる
傷ついて、その傷を絆創膏で誤魔化す前に
また僕は新しく傷を作ろうとする
また明日ね、って言えてた日々が
過去へと変わっていくように

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ゲンガーになりたい女の子の話

六畳半の蒸し暑い部屋で
わたしは自分の価値を決める文章を打つ
ただ無心に、思い浮かんだことをひたすらと
わたしはタイピングマシーン

機械にできない仕事をしなさいと言われても
いまこの瞬間が機械みたいなもんだからさ
今更ニンゲン様になんてなれないよ
特技も学も美貌もない、ただ生きているだけ

描いていた夢ってなんだっけ
それに気づいてしまった頃から
夢にまで愛想尽かされたようだ
わたしはもぬけの殻

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噎せ返る砂糖

わたしが何度も泣いて何度も苦しんで
閉じた世界でやっと見つけた生き方は
小さい頃から大切に育ててきた生温い夢の正反対だった
何不自由ない幼少期だったけど
本当に欲しかったものは手に入らなかったから
せめてあの夢くらいは叶えてあげたかったのに
ごめんね、小さなわたし
どうやらわたしは大人になってしまったみたいだ

幼子との約束を破った最低な大人は
普遍的なハッピーエンドしか認めないアンチの絶好の餌食

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果たし状

君の見ている景色を見たくって
慣れないヒールで背伸びしてみた
そう言ってはにかむ 控えめな笑顔
誰にも言えない 僕の秘密

この1歩さえ踏み出せば
僕らを繋ぐ糸の色は変えられる
なのに、この1歩が怖いんだ

本当の僕はモンスターなんだ
そう言っておどけてみせたら
君の頬は薄色に染まった
いつでも等身大でいてくれる君
その笑顔に何度救われただろう
その気持ちに何度応えられただろう

夜に溺れて 夢を

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青い陽炎は白昼夢を見るか

また、会った 夢の中で
土砂降りの雨 ずぶ濡れの私
静かに車が目の前に止まる
運転席には知らない大人がいる
どこか懐かしいのはなぜだろう
何も言わずにタオルを差し出される
テールライトに照らされる君の横顔
切れ長の目 白い肌 大きな口
真っ黒な長髪にはゆるいパーマ
ダボダボした灰色のパーカー
キュン、て音がどこからか聞こえる

思い出せない 霧の向こうの君
確かにその手を握ったことがあるのに
髪を

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君の隣で力持ち

君の少し長い髪が耳に掛けられる
こんな些細な仕草にもドキドキする
君の大きな口が嬉しそうに
食べ物を待ち受けている
そんな君と私の2人3脚

君が頑張ってるの知ってるよ
放課後みんなは遊びに行っても
君はひとりで参考書とにらめっこ
シャーペンをくるくる回して
いつもの幸せそうな口が
ペンと同じ形をしている

大丈夫、誰かは見てくれてるよ
私じゃ全然チカラになれないけど
大好きな君へ
とても離れて

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