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シリーズ:ノルウェー人に聞いてみた③~ノルウェーってジェンダー平等ですか?~Monicaさんの場合
さて、今度はTonjeさんのお隣さんのMonicaさんをご紹介していただき、お話を伺いました。リレーインタビューみたいになってきましたw
今回のお相手は・・・・
Monicaさんは9歳の娘を育てる46歳のシングルマザー。ノルウェーの国営放送局(日本のNHKのような会社)にてフルタイムで総務のお仕事をされています。近くに離婚されたお相手の方も住んでいて、娘さんは1-2週間ごとに両者の家を行き来して暮らしています。(ノルウェーは離婚率が高く、このようなスタイルをよくお見掛けします)
さて、本題に。お決まりの質問から。
ノルウェーはジェンダー平等の国だと思いますか?
概ねはそうだと思います。が、、、うちの会社も昨年初めてトップが女性になったという経緯からも、まだ途上ではあります。公共の会社であり、国のロールモデルでもあるべき会社なのに遅いと思います。マネジメントレベルは男女半々、女性記者も多くいます。今、現在私自身が働いていて女性だからという理由で不自由を感じることはありません。とてもいい会社です。
これまで女性だからといって差別を受けた経験はありますか?
入社当初の20年前ぐらいにはまだありました。受付の仕事をしていたのですが、女性だからという理由であなたはキッチンにいればよいといわれて憤慨しました。私はとても野心家だったので、それでもくらいついて男性と同じ研修を受けさせてもらいました。
やはり、今でこそあまり聞きませんが、ノルウェーにも少し前はまだ偏ったジェンダー規範があったのですね。私はこの社会に根強く残るジェンダー規範をどうしたら男女公平な視点にもっていけるのかにとても興味があります。ノルウェーの変遷などを調べながら、引き続き考えていきたいと思います。
チャイルドペナルティを感じたことはありますか?
チャイルドペナルティとは出産や子どもを持つことによって生じる社会的に不利な状況のこと
ありません。子供が生まれる前と生まれる前で社会的な地位や経済面などで特に変わったことはありません。もちろん、子供がいるので決まった時刻に帰らなければなりませんし、子供が就寝後に仕事をすることもあります。でも、子供がいる人はみんなそうですし、周りの理解もあるので特にやりにくさを感じたことはありません。うちの職場はとてもフレキシブルなので特にそう感じるのかもしれませんが。
ただ、毎年夏休みは大変です。2か月も夏休みがあるので、サマーキャンプに全日いれたらすごい費用になります。旅行にいってもまだ時間が余る。ということで2週間ぐらいは会社に子供を連れて行って仕事をしていました。会社が子供専用部屋を提供してくれるのですが、体育館みたいにうるさいしw、「お腹すいた」などで中断されることもしばしばでした。
私は総務担当なので先日上司に会社で夏休みの子供たち向けに何かプログラムを提供できないか相談したところです。
この本ではノルウェーでもいまだに家事育児が女性に偏っているといっていますが?
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リン スタルスベルグ (著), 枇谷 玲子 (翻訳)
どうでしょうか?それは家庭によっても異なるので何ともいえませんね。特にうちの場合は離婚していますので、明確に「この期間からこの期間はうち、それ以外はそちら」と区切りをつけられるのであまり感じたことはありません。それにノルウェーでは男性が育休をとるのも普通なので、その面でもあまり偏りはないように感じます。
著者はノルウェーは子育てしやすい国、平等の国として名高いがゆえに女性は声をあげられないでいるともいっていますが?
なるほど。確かにそういう側面もあるかもしれません。他のトピックでもマスコミではそういうことはよくありますので。
聞いて思ったこと・・・
もう少し家事育児の負担については、いろんな家庭に話を聞いてみたいと思いました。離婚していない共働きのご夫婦で、家政婦も雇わず(多くの裕福なご家庭はオペア制度を使って住み込みの家政婦さんを雇っています)やりくりしている家庭の実態が気になります。
オペアは雇えるご家庭であれば使うにこしたことはないのですが、そんな家庭ばかりではないと思うのです。離婚されたご家庭でもMonicaさんのようにいい関係を保たれているご家庭もありますが、そうでないご家庭ももちろんあるでしょう。そのようなケースはどちらかに負担がどうしても偏ると思うのですがそれでもチャイルドペナルティはないといえるのでしょうか?
家庭の在り方が多様化している現在、全体像を語るのはとても難しいと思いました。それでも、それぞれのケースにおいてどのように仕事を家庭の両立をされているのか、引き続き探っていきたいと思います!
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