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#4ジェンダーニュートラルランゲージワークショップ講師紹介

講師紹介

この投稿では、当ワークショップを共同企画・開催している小塚暁絵と小田恭子のご紹介をいたします。

小塚と小田は、2000年代前半にサンフランシスコ州立大学の大学院で英語を母語としない学習者のための英語教育についてのプロになるための教育を受けました。そこで過ごした日々は、今のプロジェクトの基盤になっています。当時、サンフランシスコの中心地では4人に一人が同性愛者だと言われていました。1クラス20人程度の大学院のクラスの中に1−3名のLGBTQ+の同級生、または教員がいました。

小塚暁絵

小塚暁絵
立教大学 英語教育講師
Creative English 代表
MA in English (TESOL)

小塚は、カストロという当時ゲイコミュニティーと呼ばれていた地域に隣接した住宅地に住んでいたので、6人のハウスメイトのうち、3人がLGBTQ+を公言している人々で、1人は当時は異性愛者でしたが、その後に同性のパートナーを得ました。ジェンダーが多様な人々との関わりの中から、一人ひとりが抱える問題について深く知る機会を得ました。そして、ジェンダーが多様な人々に周りの人々がどのように態度で理解を示し、どのように言語表現の中に理解を表すかに触れました。この時経験した、人々の持つ多様性へ の深い理解と、それを促し・深めるコミュニケーション様式は、グローバル社会においても、多様性理解を促進するための教育の雛形になる と考察しました。その後、2010年代半ば以降のジェンダーの多様な人々のための人権擁護運動や、 それに伴うジェンダーニュートラル化言語改革により、小塚の考察は確信へと変わりました。

小田恭子

小田恭子
杉野服飾大学 英語講師 ​​
(株)セイル代表取締役
MA in English (TESOL)

一方、小田は、修士課程修了後はサンフランシスコ市立大学や日本の高校で延べ3年間英語を教えた後、一般企業に転職し、15年間、企業で就業していました。40代で2回目の留学のために会社を辞め、英語習得コーチとして独立しました。2019年から2021年の1年半の間、夫と子ども二人を帯同してアメリカのシアトルに一時的に移住しました。これは、子ども達に多様性を経験して欲しいと願ったからです。子ども達は現地の公立小学校に通い、まさに多様性を肌で感じることができ、子ども達の自己肯定感に大きな影響を与えました。シアトルに引っ越す前までは、長子が、日本の小学校での朝礼で長時間経ち続ける慣例になじめずにいました。暑い日も、寒い日も、体調が優れなくても、じっと立ち続けなければならないことに疑問を覚え、周りの皆と同じことをしなければ認められないというストレスを抱え、体調にまで影響が出ていました。しかし、シアトルから帰ってきて、日本の小学校に復帰したその子は、遅刻も欠席もせず、毎日楽しく通学しています。それは、多様性が認められるアメリカで「自分を他人と比べることに意味がない」と身をもって本人が掴んだからだと考えています。この経験から、多様性理解教育を表面的な知識に留めず、一人ひとりが「自分はこのままで良い」「あの人もそのままで、素晴らしい」と信じられるような教育の大切さを痛感し、それらを英語教育の中に織り込んでいます。

結び

私たちのワークショップは、日本人が真のグローバル人材として世界で協働できるようになるために知っておくべき新時代の素養をお伝えし、言語を切り口として多様性理解を深めていただきます。同時に、参加者の皆さんがご自身のジェンダーアイデンティティについても考察していただく機会を提供しています。

文責:小田


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