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本の紹介

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記事一覧

【本で語る/本を語る】山尾悠子『夢の遠近法』(ちくま文庫)

 幻想小説──しかも、ナンセンスな物語を、私は好みます。ある意味で、文学を読むことの醍醐…

小池陽慈
1か月前
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【本で語る/本を語る】トニ・モリスン『青い眼がほしい』(早川書房)

 stand.fm [ちゃんねるヨージ]、今回は、トニ・モリスン『青い眼がほしい』大社淑子訳(早川…

小池陽慈
1か月前
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【本の紹介】高井ゆと里編『トランスジェンダーと性別変更』(岩波書店)

 岩波書店から刊行された、高井ゆと里編『トランスジェンダーと性別変更』は、編者合わせて5…

小池陽慈
1か月前
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【本の紹介】千葉雅也『現代思想入門』(講談社現代新書)

□難度【★★☆☆☆〜★★★★☆】 第七章 ポスト・ポスト構造主義はかなり難しく感じられるか…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)

□難度【★★★☆☆】 世間の通念を解体していくような内容なので、その意味で、"簡単に読める…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】山野弘樹『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」』(講談社現代新書)

□難度【★★☆☆☆】 広く一般に向けて書かれている。筆者は哲学の研究者であり、もちろん哲…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】内藤正典『教えて! タリバンのこと  世界の見かたが変わる緊急講座』(ミシマ社 )

□難度【★★☆☆☆】 おそらくはこの書を手にする多くの読者にとってなじみのあまりない内容について、懇切丁寧に、伝わる言葉でわかりやすく解説してくれる。中学生、高校生にも読める…というより、むしろ、中高生や大学生など、この社会や世界の将来を担う若い世代にこそ読んでほしい。一般向けに書かれた本であり、読むのに専門的な知識はいらない。たくさんの読者に開かれた一冊。 □内容、感想など どれだけ批判されようが、自民族中心主義(エスノセントリズム)を否定し、他者との共存を模索した文化相

【本の紹介】森達也『ぼくらの時代の罪と罰 増補新版 きみが選んだ死刑のスイッチ』(…

□難度【★☆☆☆☆】 もともと中高生に向けて書かれた本の増補新版なので、難度という点では…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】吉田裕『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』 (中公新書)

□難度【★★★☆☆】 いたずらに難解ではないし、新書にふさわしい、入門書と言える誠実な書…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』(講談社)

□難度【★★★★☆】 郷土の言葉が飛び交い、また、記録文・報告文なども挿入され、さらに、…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】小野正嗣「100分 de 名著 フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』」(N…

□難度【★★☆☆☆】 あの難解なファノン『黒い皮膚・白い仮面』を、ここまで"伝わる言葉"…

小池陽慈
2年前
6

【本の紹介】苫野一徳『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマー新書)

□難度【★★☆☆☆】 「本質観取」という"難解"な概念を読者に理解させるために、一冊全体を…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】五味渕典嗣『「国語の時間」と対話する 教室から考える』(青土社)

□難度【★★★★☆】 国語科や教育改革について、ある程度の知識を持っていないと難しいと感…

小池陽慈
2年前
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【本の紹介】車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』(文春文庫)

□難度【★★★☆☆】 ストーリーを追うだけなら難しくはない。だが、車谷長吉の独特の文体、心理描写など、細部にこだわりながら読むならば、決して一筋縄ではいかない書かれ方であると言える。そういった意味での"難解さ"は、十分に味わうことができるだろう。 □内容、感想など 車谷長吉の小説は、皆、「私」の心理描写が屈託している。ストレートな理解を許さない。ひねくれている。絡み合っている。こんがらがっている。そして「私」は、その錯綜した思いを、手持ちの言葉を"たどたどしく"用い、"不器