マガジンのカバー画像

本の紹介

33
オススメの本を紹介しています。「次の一冊」を探す際に、ぜひご活用ください (o^―^o)
運営しているクリエイター

記事一覧

創元社「写真絵本 はたらく」シリーズ

あの「あいだで考える」でたくさんの良書を精力的に刊行する創元社から、またまた、意欲的なシ…

「ハンセン病文学」と私 〜大江満雄編『詩集 いのちの芽』(岩波文庫)刊行を祝して〜

 まず初めに、「幻の詩集」とも言われた『いのちの芽』の岩波文庫での復刊にご尽力なさった、…

井伏鱒二「遙拝隊長」

 戦争を描く物語には数えきれないほどの名作があるけれども、私が読んできたなかでの白眉は井…

本のプレゼン~太宰治「駆込み訴え」~

愛とは何か いきなりですけど、誰かのこと、愛したことありますか。  もちろんいわゆる恋愛…

【本で語る/本を語る】山尾悠子『夢の遠近法』(ちくま文庫)

 幻想小説──しかも、ナンセンスな物語を、私は好みます。ある意味で、文学を読むことの醍醐…

【本で語る/本を語る】トニ・モリスン『青い眼がほしい』(早川書房)

 stand.fm [ちゃんねるヨージ]、今回は、トニ・モリスン『青い眼がほしい』大社淑子訳(早川…

【本の紹介】高井ゆと里編『トランスジェンダーと性別変更』(岩波書店)

 岩波書店から刊行された、高井ゆと里編『トランスジェンダーと性別変更』は、編者合わせて5人の執筆陣から成る一冊です。「岩波ブックレット」シリーズゆえ、80ページほどの分量で活字も大きく、専門性の高い内容については、著者たちがわかりやすく解きほぐしながら解説してくれます。高校生くらいから、十分に読める難易度かと思います。  読了後、私の胸には、さまざまな思いや記憶が去来しています。それらをまだうまく言葉にまとめることはできないのですが、いま、このときに私の思うところを、sta

【本の紹介】千葉雅也『現代思想入門』(講談社現代新書)

□難度【★★☆☆☆〜★★★★☆】 第七章 ポスト・ポスト構造主義はかなり難しく感じられるか…

【本の紹介】荒井裕樹『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)

□難度【★★★☆☆】 世間の通念を解体していくような内容なので、その意味で、"簡単に読める…

【本の紹介】山野弘樹『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」』(講談社現代新書)

□難度【★★☆☆☆】 広く一般に向けて書かれている。筆者は哲学の研究者であり、もちろん哲…

【本の紹介】内藤正典『教えて! タリバンのこと  世界の見かたが変わる緊急講座』(…

□難度【★★☆☆☆】 おそらくはこの書を手にする多くの読者にとってなじみのあまりない内容…

【本の紹介】森達也『ぼくらの時代の罪と罰 増補新版 きみが選んだ死刑のスイッチ』(…

□難度【★☆☆☆☆】 もともと中高生に向けて書かれた本の増補新版なので、難度という点では…

【本の紹介】吉田裕『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』 (中公新書)

□難度【★★★☆☆】 いたずらに難解ではないし、新書にふさわしい、入門書と言える誠実な書…

【本の紹介】石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』(講談社)

□難度【★★★★☆】 郷土の言葉が飛び交い、また、記録文・報告文なども挿入され、さらに、一読では文の構造をなかなかに掴ませない石牟礼の文体も相俟って、決して、読みやすい文章とは言えない。しかしそこには、「読みやすい、消費されるような文章で描いていいテーマではない」という、強烈なメッセージを読み取ることもできる。 □内容、感想など 暴走する資本主義の象徴とも言える水俣病を主題とした作品。以下の引用の「独占資本のあくなき搾取のひとつの形態」とは、もちろん、人々の尊厳を奪った「近