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【特別連載】noteと共に振り返るマイスター合格への道2021 -Ⅶ-

ヘッダーのカウントダウン/航(書道アーティスト)
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 おはようございます、副音声note7日目です。昨日の個人的大盛り上がりから今日を含む残り4日を尻すぼみにならないように頑張ります。


 7回目の今日は8月29日公開の「ギフト」を振り返ります。

 ドイツ電鉄のストライキが又あると言うから、月曜日は夜中の十二時に目を覚まして以降、一時間置きに目を覚ましては電車の運行状況を確認する為に立ち上がってパソコンの前へ行き、それで又ベッドに潜って眠るというのを三時まで繰り返した。

 まず冒頭のこちら。ドイツ電鉄のストライキ。これは結構ドイツ全土で定期的に行われるんですが、電車が走らなくなります。大都市ミュンヘンで働いていた頃なんかは毎日電車通勤でしたから何度となくストライキの影響を受けていました。そんなストライキの影響をまさかたった3週間の限定通勤のちょうど最終日に受けるとは(この2週間前にもストライキありました)。

私は御蔭で八月最後の出勤日にして普段よりも一時間遅い出勤となった。…
販売婦のジェニーからは、寝坊かと尋(き)かれたので、電車が寝坊したんだと冗談で返した積でいたが思い返すと、良く眠れたかと尋いて来ていたんだと気付いて人知れず恥ずかしがった。

 会話の中のこういうニアミスは直後から恥ずかしさと悔しさに襲われます。


 その日が私の八月最後の出勤日だったので、アンディやヨハン、アンナを筆頭に販売婦達や職業体験に来ていた少女までも、これから最後のマイスター試験に向けた授業を受ける私への応援の言葉や、また十月に会おうと云った言葉を掛けてくれた。

 昨日振り返った記事「チャリオット」は8月1日公開でした。あれだけバタバタとした7月末から約1ヶ月後にこういう環境に身を置けているとは思いもしませんでした。当時、10月以降に住む家も探していましたからそういう部分でも親身に手伝ってもらっていたし、また8月の中旬に社長の誕生日パーティーが行われ、そこにも呼んでいただいたりと、嬉しい事、いや嬉しいと言うより有難いことの連続でした。

私は七月の騒々しかった空気とそれから八月に入って出逢った愛だか運だか縁だか恩だかが漂う幸福な空気とを改めて比較して、一切の猜疑心を捨て誠実にこの幸福を受け入れようと心に誓った。

「*30 プログレス/エンブレイス」より

 この時の8月の人生テーマは「愛」でした。


そして一人工房で最後の掃除をしていると、シェフから社内電話で事務所に呼ばれたので掃除を全部済ませてから、店内で食事を楽しむ客の脇を通って二階へ上がった。…
私がシェフの前に立つなりシェフも、さて、と言った風に立ち上がり、君がこのパン屋に来てくれた事を嬉しく思うよ、有難うと、私の全く予想だにしていない言葉を口から吐き、そればかりか、ちょっとした物だがと言ってプレゼントまで手渡してくれた。

 この時の驚きと嬉しさは計り知れませんでした。3週間ずっとゲスト感が抜けないまま、周囲への感謝の気持ちも相俟あいまってどうも周りに頭が上がらないと言うか、やっぱり新しい職場環境という事もあり常に気を張っていたのですが、変な言い方ですがこの瞬間、最終日にチーフからプレゼントをされたこの瞬間にようやく安心感が生まれたのを覚えています。

私は驚きと嬉しさの余り、一瞬脳裏に「感極まる」という言葉がよぎった。…
八月に入ってから散々受け取って来た愛の集大成とも思える台詞とプレゼントはそれほど私の琴線を揺さ振った。

 まさしく「ギフト」でした。もちろん他の同僚から掛けて貰った言葉も「ギフト」です。


 そんな応援を背にして、斯くして翌火曜日から六週間に渡る最後の授業が始まった。同居人のトーマスとも久しぶりに顔を合わせて、私の仕事の話やワクチン接種の話なんかをした。

 ギフトを受け取った翌日から授業は始まりました。10月まで続いた経営学のオンライン授業です。7月に一度オンライン授業は経験しているとはいえ、今回の経営学、テーマがテーマなので尚更不安でした。

 今度の授業を受け持つ先生は又新しかった。…
一人は教科書や資料のページの指定も、画面にパワーポイントを映し出す事もせず、只自分の姿を画面に映しては永遠に喋ってばかりであった
もう一人は自分を映す代わりにカメラで机の上に敷かれた真白な紙を映しながら、声だけは一人芝居かスタンダップコメディでも披露する如くに大袈裟であった。…
私は授業だか劇だか朗読会だかが終わった後に、自分で教科書を隅々まで読む他に無かった。

 毒づいています。私が外国人である事を差し引いても、個人的に「それでお金貰ってるんですか」と問いたくなるぐらい授業としての責任を全うしていないんじゃないかと思ってしまう様な先生が2人ほどいました。この2人をこの先「朗読講師」とか「スタンダップコメディ講師」とか呼んで度々登場させるんですが、「坊っちゃん」のパクリではありませんから!


 そう言えば私のスマートフォンであるが、今週の水曜日に再び手元に返って来た。

 読んでいて思い出しました。この前の週「*31 愛、ときどき、哀」からスマートフォンを修理に出しており、その修理屋と一悶着ありました。悶着と言ってもそんなにひどい話ではないのですが、その遣り取りも2週に渡って書かれているので是非ご覧ください。

 その日思い切っていっその事画面のフィルムもカバーも新調した私は、もう二度と君の所へ来なくて済むようにと皮肉った後、支払いを済ませようとカードを取り出すと、生憎今はカードが使えないんだと言うので、財布の中身を覗くと持ち合わせが足りなかった。私は直ぐにモール内のATMで下ろして来ると伝え、折角受け取ったスマートフォンをもう一度カウンターに置くと、持って行きなよと彼が言うので、私がそのまま持って逃げるかもしれないじゃないかと言おうと思った胸の内を見抜き先手を打つ様に、僕は君を信じてるからと続けた。全く最後までやかましい男であった。

 余談ですがこの記事が公開された8月29日の前日は私の誕生日でした。実技試験に向けて練習していた6月ぶりにスポンジケーキを焼きました。

 そんなタイミングに、新しいアパートの下見の予定が入っていました。たしか数日前に決まったのですが、これが今週最後の「ギフト」でした。そのアパートに現在住んでおります。


【クリスマスの物語、小説作品特別公開まであと4日】

#振り返りnote #副音声note  

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