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【特別連載】noteと共に振り返るマイスター合格への道2021 -Ⅹ-

ヘッダーのカウントダウン/航(書道アーティスト)
Instagram→@kou1.japan

 おはようございます、副音声note10日目、最終日です。
 まず始めにお知らせです。ヘッダー画像でカウントダウンを進めて参りましたが、あと1日、明日24日のクリスマスイヴにクリスマスにちなんだ物語「聖夜の夢はクジラの上で」を特別公開いたします(名目としましては合格記念)。約13000字の過去の作品に手を加え、特別描き下ろしの挿絵を付けての公開となります。日頃のドイツパン修行録と違い字数も多くなっておりますので、24日に公開はしますが、お時間のある時に少しずつでも読んでいただければ幸いです。1年間お付き合いいただき、応援していただいた皆様への、ささやかではありますがクリスマスプレゼントになればと思っております。



 さて10回目の今日は12月12日公開の「パラダイム」を振り返ります。振り返るには不十分な日数しか経っていませんが、この回に触れずして2021年を締めくくれませんので、どうぞ本日もお付き合い宜しくお願い致します。

 これまでドイツパン修行録を読んできていただいた方は大きく頷けるかと思いますが、冒頭部分の「私の心配性は時として心配症と表記する方が相応しいまでに病的にその力を発揮する場合」というのは1年を通じて再三ありました。この時は、インタビューをさせて欲しいという若者が家を訪れてくるという場面で発症しています。

話によると彼の通う大学で年末に雑誌だかの小冊子が発行されるようで、その雑誌の一部の記事で私の事を取り上げたいという事であった。

 以前私が取り上げられた新聞記事(「*3 改新の一劇」参照)を読み、私に興味を持ってくれたという話でした。その話を同僚の見習い生にもしていたのですが、それ以来「君はこの街の有名人だからなぁ」といじられるようになりました。

 ちなみにこのインタビューの話、この回のメインに持ってくる計画だったのですが追試の時期と重なった事と思っていたよりさっぱりとしたインタビューだった事から、ほとんどアイドリングトークみたいな扱いになりました。

 さて時系列を無視する形で週の後半の出来事を冒頭から連々つらつらと書き綴ってきたが、それより前の水曜日に到頭とうとう最後の試験に当たる口答の追試試験があった。

※水曜日:試験、金曜日:インタビュー


単語カードを作りそれを暗記するまで繰り返し読むという作戦を敢行すべく日々勉強を進めていた。所が試験の近付くにつれ次第に体が重たくなっていくのを感じていた。

 確か副音声note8日目で「才能なんかいらない」を振り返った時に少し触れたんですが、初めてプレッシャーというものの正体を認識した感覚があった時です。「この体の重さ、やる気の出なさ、気合いの空回ってる感、焦燥感を人は多分プレッシャーと呼んでいるんだろう」と。後がありませんでしたからね。

 しかしだからと言って時間は見る見る過ぎて行った。そこで私は丸暗記と言う幼稚な反復作戦は切り捨て、カードを読み、自分の言葉で説明出来るまで一つ一つ理解する作戦に切り替えた。…
その作戦で試験範囲の凡そ八割程度を、当日までに網羅する事が出来た。…
法に関する二割の内容は残り時間の都合で同じように理解を深めるのを諦め単簡に教科書を流し読む程度で済ませた。

 冒頭で申した通り根っからの心配症である。…
それだから二割を切り捨てるという選択には勇気が要った。

 ここがこの回の肝になります。そんな言い方をすると平気で勘付かれそうですが、この時の私はプレッシャーと戦った末、大袈裟ではなく盛ってるわけでもなく、試験範囲の約8割を自分の言葉で説明出来る所まで理解をして、試験に向けて仕上がっていました。先へ進みます。


 学校に到着し、自分の1つ前の順番で追試を受けたクラスメートと廊下で少し話をした後、いよいよ追試が始まります。本文中に書かれた細かい問題内容は割愛しますが、概要はこうです。

私が切り捨てた二割部分の問題が立て続けに繰り出され、死に物狂いで頭に叩き込んだ八割の範囲からは融資の問題が僅かに出てそれ限ぎりであった。

 詰んでる!!!!

 試験途中から本当に「あ、終わった」と思っていました。でもこんな話自体は珍しくない。「ヤマが外れた」っていうだけの話ですから。問題は「8割押さえていたヤマが外れた」ことです。終わってます。
 試験中、それでも諦めは悪いですから、何とか頭を捻って何とか答えを捻り出して、試験官は時々ヒントのような言葉もくれました、それも遠慮なく使って食い下がりました。そんな中で遺産の相続権についての質問が出された瞬間、もう逃げも隠れも出来なかった私は「それについては全く分かりません」以外の言葉が出ませんでした。

 体中に傷を負いながら命辛々試験を終えた私は廊下で結果を待つ間、余りに見当が外れていた事に最早清々しささえ覚え、早速来年もう一度経営学の授業と試験を受ける為の段取りについて考えていた。

 本当に落ち込むとか悔しいとかもなく、試験官を恨むも自分を責めるもなく、びっくりするぐらい心が清々しい状態でした。で、本当に次もう一度試験や授業を受ける事を見据えた質問を幾つか用意していました。その状態のまま再び教室に戻ります。

そんな私に「合格です」という声が正面に座る試験官から掛けられた。私は一度でその言葉を理解する事が出来なかった。

 アニメとかドラマとかでよく見る「え…今…なんて?」というアレです。
 改めて合格を言い渡された後、本当に全身の力が抜けました。椅子が無かったら多分腰を抜かしていました。あの脱力感というか、安堵感か解放感は人生初でした。
 「8割押さえた!いける!」で試験に臨み「切り捨てた2割から出されてる!」に食い下がり「8割のヤマが外れることなんてある?」と不合格だと思っていたら「合格です!」に安堵するという一連の流れは、この2021年マイスター挑戦の最後らしい、相応しい波乱でした。今年だけで寿命が5年縮みました。


 しかし本当に合格出来て良かったです。職場のメンバーや家族、友人からも祝福をいただけて、それだけの事をしたんだという実感が湧きました。
 ちなみにそんな私のプレッシャーの一角を常々担っていたのがこちら。

果たして私が春先から綴ってきた挑戦は、大々しく冠してきたリアルタイムサクセスストーリーという言葉を裏切らない結果で以て無事に完了した。

 「先にサクセスストーリーって言っといてサクセスしないわけにはいかない!」というのが、プレッシャーでもあり原動力でもありました。



さいごに

 10日に渡る振り返りでしたが、思っていた以上に多くのスキをして頂けていて驚いていると共に感謝しております。また書道アーティスト、航様には、素敵なカウントダウンを描いていただきました。この場を借りて感謝の気持ちを込めた拍手を送ります。インスタグラムで素敵な書道アートを毎日投稿されている方です。是非、覗いてみて下さい(Instagram→@kou1.japan)。
 2021年も残すところ約1週間、皆さまの2021年はいかがでしたでしょうか。
 改めまして今年1年、ドイツパン修行録に出会って下さった皆様に心より感謝申し上げます。そして来たる2022年が皆様にとってまた素晴らしい1年になる事を祈っております。それからお体にはくれぐれもお気を付けて
 どうぞ皆様、素敵なクリスマス、そして素敵な年末をお過ごしください。
メリークリスマス・アンド・ハッピーニューイヤー!良いお年を!


【クリスマスの物語『聖夜の夢はクジラの上で』公開まであと1日】

クリスマスイブの夜に1人の青年を巻き込んだ異様な出来事は、サンタクロースが繋ぐ家族の奇跡だった。
ファンタジーな日常、日常の中のファンタジーを書いた心温まる感動のヒューマンドラマ。想像力を豊かにしてお楽しみください。

#振り返りnote #副音声note  



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この度も「ドイツパン修行録」ならびに「頬杖ラヂオ」への訪問、ありがとうございました。もしよろしければサポートもよろしくお願い致します。 引き続きドイツパンに真摯に向き合って修行の道を精進して参りますので、何卒応援の程よろしくお願い申し上げます。また来てください!