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しっかりとした根幹を築き上げる Vol.2 ~続き~

美しい所作(2)

一呼吸置く ~動きに流れを~

椅子から立つ時は、半歩くらい足を前に出し、出した足に体重をかけてから立ち上がり、一度両足を揃えてから進み始めると、落ち着いた印象になります。
そして、背筋を伸ばしてゆったりとすっと立ちましょう。

また椅子に座る時も、半歩くらい足を引いてから両足を揃えて座ります。
この時に、確認するかのように座る位置に目線を下ろし、座ると同時にゆっくりと目線は正面に向けると、全体のしぐさが上品に映ります。
また服がシワにならないように気を付けることも忘れずに。

エレガントに見えるしぐさには、ゆっくりと丁寧に行うことはもちろんですが、このように一息に立つ、座るのではなく、足を出して揃えると言う、一呼吸置いた動作に丁寧さが生まれ、動きに上品さを与えます。

所作が美しい和のお稽古では、立つ・座る・歩くにそれぞれ決まった足捌き、足運びがあります。
無駄のない流れるような美しい一連の動きのなかには、動きと動きの間にひと間(一呼吸)置く動作があります。
これがメリハリとなり、動きに流れを作り、丁寧さも加わることにより、身近で言うなれば茶道においては、清らかで澄み渡った静寂な場に、この動きが一段と美しい所作として映える効果を生み出しているのだと思います。

このように、すぐに次の動作に移るのではなく、一呼吸おいて動くと丁寧さとメリハリにより、動きに流れが出てより優美なしぐさになります。

高貴な美しさを意識して

「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」
     
 立つ時は背筋を伸ばしながらすっと立つ
 座る時はしなやかに
 歩く姿は流れるように

芍薬、牡丹は高貴な美しさを漂わせ、豪華でエレガントな花です。
百合は風を受けて揺れる姿に優美に歩いている女性を例えています。 

牡丹は中国では「花の王」、また「高貴」「王者の風格」と言った花言葉もあります。
これらの言葉を耳にすると、優雅な気分になりませんか。
「品のある女性」になろうと胸を膨らまされる言葉です。

美しい所作には、足を揃える、指を揃える等と言った型も大切ですが、
自身をこれらの花に例えてみましょう。
意識をすれば自ずとしぐさも伴います。
           ~美は一日にして成らず~

~次回へ~



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