ちゃんと生きてるなぁ

おれはスピリチュアルとか不思議な話が大好きだ。
でもnoteでそういうことばかり書いていると変な人が寄ってくるので、今はあまりスピリチュアル関係のことは書いていない。

スピリチュアルに限ったことではなくて、
いろいろな考え方にありがちなのが、

この世界はすべて幻

という考え方。
これを否定できる人はいないだろう。

自分がどこから来たのかわからない。
生まれる前の記憶がない。
なんのために生まれてきたのかわからない。
死んだあとどこに行くのかわからない。

確かなことは存在しない。
人はなにかについて「わかる」と自分で思い込んでいるだけで、実際は何もわかっちゃいない。

そういう事実から鑑みて、
この世界はすべて幻
とする考え方は、とても真実に近いものがあると思う。

スピリチュアルにもいろんな派閥があるけど、
この世界こそがすべて！！
なんて言ってる人はゼロだからね。
みんなこの世界のことを幻だって言ってる。

おれもその点については大いにそう思う。

だからね…、
今おれに起きている苦難も、
実は簡単に乗り越えることができるんだ。

どうせこの世は全部ウソだから。

おれが元家族と縁を切るのもウソ。
おれに友達がいないのもウソ。
おれが嫌われ者なのもウソ。
この世に人間なんていない。
全員まぼろし。ウソ。
おれに起きている悲しみや寂しさもウソ。
ぜんぶ幻。

本気でそのことだけを考えていれば、
乗り切れるかもしれない。

でもおれはこうやって、
まだうじうじと何か考えている。

これが「生きる」ってことなんだろうね。

真実はつめたい。
本当のことかもしれないけど、冷たい。

だって残酷じゃん。
どんな人間も必ず年を取って死んでいく。
どんなに大好きな人とも必ずお別れのときがくる。

残酷だよ。

でも人間の心の中には、
「大好きな人のことを幻だなんて思いたくない」
って気持ちがあって、
きっと彼だけは、あるいは彼女だけは幻じゃない、
本当に存在してるんだって信じたくなる、
そんな思いがあって、

だから人はこの世界の現実に、きちんと向き合うんだと思う。

悲しくても。
くるしくても。
ひとりぼっちでも。

信じるものがある。
信じたいものがある。

だから逃げない。

「すべて幻だ」
そんなふうに、痛みをなかったことにしない。

ちゃんと生きてるから痛いんだよ。
あなたは真剣に生きてる。

だから痛い。
だから苦しい。
だからあなたはいつでもひとりぼっちなんだ。

痛くても、苦しくても、
それを幻だと断定してしまえば、
きっとその対極にあるものまで幻になってしまう。

「孤独」を癒すために「出会い」がある。
孤独がなければ誰かと出会っても、癒されることなんかない。

わたし友達１００人います？
１０００人います？

だからなに？

それだけたくさんの人と関わったら、
まともに心を通わすことなんかできないでしょ。
ひとりひとりとの付き合いが薄まるだけでしょ。

それはきっと孤独と同じくらい、むなしい。

人は何か大変なことが起きたり、
すごくつらいことが起きるたびに、
そのたびに、
いろんなことを学んでいくんだね。

だからおれはつらくてもいい。
さびしくてもいい。
ひとりぼっちでもいい。

そんな気持ちをきちんと感じているおれは、
すごくまじめだと思う。
ちゃんと生きてると思う。

この現実はときにきびしいかもしれないけど、

でもそれを、そのことを、

ちゃんと感じている自分のことが、

おれは大好き。