子供達の奮闘in ドイツ〜サマーフェスト〜
まだ引っ越しで落ち着かない中、当時はようやくサーカスウィークが終わってクラスに戻れた頃、学校からサマーフェストが開催されるという連絡がありました。
補修のお迎えの際に担任の先生から、サッカートーナメントに参加するかどうかを聞かれたので、登録したものの、一体いつやるのか、何時集合なのか、どこでやるのか、そういう連絡はなく、いや、あったのかもしれないのですが当時のNicoの理解力は限りなくゼロだったので、我家全く情報をキャッチできていませんでした。
Tunaの方は幼稚園から歌のステージの集合場所や時間の連絡があったので、推測するに子供達が親へ伝達しているのでしょう、言葉がわかるのであれば!
ともかくサイト上の情報を色々調べてみると、サッカーの開始時間はわかったので、当日早めに行ってみることにしました。
入口付近に会場が書いてあったので行ってみると、早くきた子供達がめいめいサッカーをしていて、会場はここでやるようだということがわかり一安心。
Nicoの同級生はまだ来ていなかったようでしたが、ほどなくしていつも遊んでくれている5年生がやってきて、挨拶してくれました。Nicoは勝手がわからないので、少し緊張気味。顔見知りのイタリア人のスポーツの先生が声をかけてくれてボールを貸してくれたものの、広いグランドでなかなか他の子の中に入っていけないようでした。
すると、すらっと背の高い5人くらいの高校生の男の子達がやってきて「Would you like to play with us? (僕たちとやらない?)」と声をかけてくれたのです。彼らが息子とパス練習をしはじめました。少しすると、何人か興味を持った子達がいれてー、とグループに入ってきました。
この辺り、ヨーロッパの子達はとてもオープンマインドで、やりたいと思ったら躊躇しないし、混ざるのもとても上手なんです。そうこうするうちに気付けばNicoはみんなの中に入って練習を始めていました。
高校生の子達は頃合いをみて戻ってくると、彼はもう大丈夫だよ、とニッコリと私に声をかけて去っていきました。
正直とても驚いて、感動しました。日本ではこんなスマートな高校生はいるでしょうか?いや、高校生にかぎらず、このようなさりげない優しさは日本では経験した事がなく、彼らにとってはなんでもない事なのかもしれないのですが、この時のNicoの抱えていた問題を鮮やかに解決してくれたのです。
心配そうにしている私と1人所在なげなNicoに気づいたのでしょうか?それともよくある光景なのでしょうか?とにかく彼らの優しい気遣いが心に沁みました。
もしもこの青年たちのような子が日本にもたくさんいたなら、日本の子供達の生活もぐっと楽になるのではないでしょうか?
海外は自己主張しなければ何も始まらない。それも1つの事実ではありますが、誰に言われたではなく代償を求めずに他人の為に動くことを厭わない優しさが存在しているのもまた事実なのです。
将来Nicoがこの青年たちのように豊かな青年へと成長してくれたら素晴らしいなと思いました。
が、私の育て方がいけないのか、まだまだ先は長いのが現実です…。現実は厳しいっ!
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