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「回答選」香水系の回答まとめ

要望があったのでまとめました。順次更新するかもしれません。

① 香水についてはどういうスタンスをお持ちでしょうか?お好きな香水があれば教えていただけたら嬉しいです。

回答創作、制作の段階でなんとなくこれだというものを纏う事もありますし、そうでないときもあります。

私個人の香りの嗜好は俗に言う「おばあちゃんの化粧台的香り(ゲランやJean Patouなど)」で歴史的名香とされているものやパウダリーでふくよかなものを手に取ることが多いです(廃盤となったヴィンテージ品などは日常使いとしてでなく、アーカイブとして手に入れることもあります)。

理由としては名香を好きになりたいからで、鼻の好みを強制的に寄せたという感じですが、複雑な構成とその中に巡る信念の柱のような佇まいは古典絵画や交響曲に通ずる面白さがあります。

そして何より偉大な守護霊を纏っている様な感じがし、心を彩り、支えてくれます。藝大の中に香り好きは多く、最近盛り上がりつつあるニッチフレグランスメゾンの愛好者も沢山居ます。

② 強い香りが苦手な日本人向けに誂えたプロダクツや天然香料(素材)の割合が多いフレグランスは

回答日本の誇るべきブランド、パルファンサトリを推します。以下にリンクを掲載します。

湿度の多い日本の気候でも身の回りで静かに、美しく香ってくれます。
私は「夜の梅」が好きですが、日本のお茶を忠実に、茶室の雰囲気をも表現した「ひょうげ」、また新作では枇杷と梅酒、サフランの香りを表現した夏にピッタリの「のびやか」なども素晴らしい香りです(挙げたらキリがありません)。

趣向などを抜きにするならば、「天然香料が良い」という考え方は正しくありません。天然香料でもアレルギー反応などを引き起こすものは多く、天然オークモスなどの香料は規制により使われなくなっています。(国ごとでも規制されるものはバラつきがあります)合成香料は化学の集大成ですし天然に香りが劣る、というのも違います。(やはり全てにおいて肌乗せのテストをした上で心地よいもの、体調に悪い影響のないものをお使い頂くのが1番です。)

また、オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムの表記順に香料の濃度が高くなっていきますが、高いほど希釈に使うアルコールなどの成分が少ないということで、無闇矢鱈に肌から揮発と共に拡散するということは少ないですので気になったひとつの香りに濃度違いのものがありましたら是非、両方試すか、濃度の高いものを手に取っていただくというのがオススメです。

個人的な話になりますが、洋モノも洋モノのブランドですが「ゲラン」の歴史のある香りの数々に関しては、拡散もそれほどせず美しく香るものが多いので夏でも出番が多いです。

サトリ以外での国内ブランドでは「J-Scent」、「ミヤシンマ」、「サノマ」、そしてなにより「資生堂」(絶対に外せません、銀座にあるSHISEIDO THE STORE 2Fにて香りをお試しください)など、その他にもまだまだ素晴らしい香りのお店が沢山あります。ぜひ休日を利用して素晴らしい香りの探求に挑んでみてください。

そしてやはり夏よりは涼しい時期の方が香水は綺麗に香ります。香りを肌乗せしてもらった後店を出て、うだるような暑さの中で無惨な変貌を遂げる香りに絶望するよりは、空調の効いた屋内で歩きながらゆっくり堪能してみてください。

③「旅」や「異郷(人)」をコンセプトに掲げた香水のお気に入りは

回答
①Parle moi de parfum(パルル モア ドゥ パルファム)のHaute provence(オート プロヴァンス)はいかがでしょうか。
心地良い瓜感のあるウォーターメロンや美しいラベンダー畑のような香りで始まる、調香師のミシェル・アルメラックが南フランスのプロヴァンス地方にオマージュを捧げた香りです。ラベンダーは男性的になり過ぎることなく、全体的にユニセックスな面持ちを感じさせます。

②クラシックな名香であれば、ご存知かとは思いますがGuerlain(ゲラン)のShalimar(シャリマー)もお忘れなく。インドの皇帝の恋物語から着想を得ており(調べるとお話が出てきます)、歴史ある世界初のオリエンタル香水として伝説的な名香です。つけ始めは質の良いレモンやベルガモットの柑橘が良く感じられ、肌に馴染むと少し薬品的なニュアンスのあるバニラ香(エチルバニリン)やスモーキーな革の香りなど、複雑でこっくりとした様相がエキゾチックな異国情緒を非常に美しく演出します。

③日本に今売られてないものだと、Memo paris(メモ パリ)のGranada(グラナダ)という香りがあります。スペインのアルハンブラ宮殿がモチーフとなっており、上品なジャスミンを主体としてオレンジの花、ザクロのシロップなどが広がり、ベースの甘さのあるバニラやトンカ豆をヘリオトロープの花がまろやかに纏めており、蒸し暑い夏にはセンシュアルに寄り添い、冷たい気温の日には綺麗に香ります。(ネット上でサンプルを入手できるでしょうし、お気に召したら個人輸入もオススメです。)

また、Serge Lutens(セルジュルタンス)の香りはChergui(シェルギィ)、Ambre Sultan(アンブル スルタン)など、モロッコの情緒を巧みに表現した香りなどが多く、こちらもお試し頂きたいです。

異国情緒を表した香りには、シェルギィ(セルジュ ルタンス)で表現される砂漠に吹く乾いた熱風のように、煙やスパイス、樹脂などの使い方によって独特の奥深さがあるものが多く感じられます。香水に馴染みのない方達にとっては敬遠されやすいイメージがありますが、実際肌馴染みの良いものが多く、付け方によってはその人の印象にささやかな奥行きを与えてくれます。是非、自分にピッタリの香りの探求をお楽しみください。

④ミモザ系の香水でおすすめは

回答ペリス・モンテカルロ(Perris Monte Carlo)のミモザかル・クヴォン(Le Couvent)のミモザです。

ペンハリガンのハイグローブ・ブーケは少しミモザの雰囲気があります。

⑤自分に合う香水の探し方について

私はどうしても背景などの情報と共に香りを楽しみたいので「○○(好きな香りの花や物体、時代など)  香水」などで調べて、気になった香りに関するレビューをいくつか拝見してから取扱店舗(私が気になるもののたいていは新宿伊勢丹やGINZA SIX、東京にいくつも店舗があるNOSE SHOPなどで嗅げました)へ出向き、ムエット(試香紙)をいくつか頂いたり(複数頂く場合はムエット同士の香りが混ざらないよう、1つずつムエットを入れるopp袋に入れてもらうかカバンやポケット内でそれぞれ別の場所に収納します)

肌に乗せたいものは片腕1種類ずつに限定して販売員さんに肌乗せをお願いしています。臆する必要は一切有りません。

香りは事前情報なしに体感した芳香だけで決めるのも良いと思いますが、最近は本当にあらゆる香水メゾンで溢れているのである程度纏いたい香りの要素を絞ってから行くのが安心です(InstagramやTwitterに溢れる「モテ香水」「万人受け」などの謳い文句で紹介されたフレグランスなどは知名度や国内での評価が高いものが多いですが、モテる香りや万人に受ける香りはこの世に存在しないので最終的な自分の判断が絶対に必要です)。

また、Twitterには香水のオタクが多数生息していらっしゃいますので、ツイートで質問を投げかけてみるのも手だと思います。

https://x.com/i/communities/1497138159175434240

⬆️こちらの香水好きコミュニティには色々と教えてくれる方がいらっしゃるかもしれません。

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