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ソアリン×ストームライダー二次創作「空の上の物語」10.5 番外編:アンバランスよね、本当に

「謹慎解除おめでとう、デイビス」

「サンキュー、スコット。長かったー、これで元通り社会復帰だぜ」

 カキン、と透き通った音を鳴らしながら、二人同時に口をつけた。スコットはバーボンのトワイスアップを、デイビスはブルームーンの匂いを嗅ぐ。薄暗いバーの中で、冷たいジンとリキュールが快く喉を流れ、脳の奥深くを晦ませてゆく。度数の高い酒を呑んだ時の、一瞬にして眩暈に掴まれる、この感覚が好きだった。菫の香りが、ふわりと酩酊を運んでくる。

 デイビスほどではないが、スコットも酒には強く、とりわけウイスキーを好んでちびちびと舌の上で転がしている。明日も訓練があることに配慮したのか、水で薄めてはいるが、その分揺らぎ立つような樽の香りに覆われて、目の前まで妖艶に染まるようだった。

「久しぶりだな。少し灼けたか?」

「そうかもな、ちょっとあちこち出かけてたから。インドとか、ミステリアス・アイランドとか、ニューヨークの方とか行ってたし」

「たった、二週間の間にか!?」

「すげーだろ。超特急で回ってきたぜ」

 長い前髪を掻きあげながら、事もなげに語るデイビス。インドから、南太平洋の孤島、それからニューヨークまで、ほぼ地球半周分の軌道を描いている。何をどんなスケジュールで敢行すればそんなことが可能なのか、スコットは耳を疑った。

「どうしたんだ。自分探しの旅か? バックパッカーにでも転向するつもりか?」

「いやー、色々と変なことに巻き込まれちまってなー。振り返ってみると俺自身、何が起きたかよく分からねえなあ」

 けらけらと笑いながら、あ、そうだ、これお土産、と思い出したように、ケープコッドで拾ってきた貝殻をテーブルに置いた。忙しすぎたか、金がなかったのか。素朴すぎる土産物の選択に、ひたすらに脱力するしかない。

「お前の行動は、いつも突拍子がなさすぎる。ウインドライダーの件でベースに反発していた時は、いよいよ気が狂ったのかと思ったぞ」

「ああ、あの後フローティングシティまで飛んでさ、夜までずっと遊んでたよ。ストームライダーの新商品も売ってたぜ」

「謹慎初日どころか、まだ始まってもいない日に、どうしてわざわざ派手なことをぶちかますんだ?」

「うーん。あんたやベースの、怒ってる顔が見たいからかなー?」

 デイビスは浮薄な猫の尾のように語尾を持ちあげながら、オニオン・ピクルスを口へ放り込んだ。スコットは短く刈り揃えた自分の頭を撫でつけつつ、苛立ちを抑え切れない表情で、

「悪趣味な真似はやめろ。まったく、お前は不良行為さえなければ優秀なパイロットなのに、いつもいつもつまらんことに精を出して、才能の無駄遣いだ。もっと真面目に仕事に熱を傾けないと、いつまで経っても昇進させてやれないぞ。そんなことで良いのか、デイビス」

 愚痴まじりに叱咤するスコットを、デイビスは何も言わずニヤニヤと笑いながら見つめている。どこか、倒錯めいた安堵感や喜びすら感じているようだった。

「なんだ、その笑いは。私に何か言いたいことでもあるのか?」

「いーや、なんにも? ただ見てるだけだぜ」

「……餓鬼か、お前は」

 デイビスはすっかり上機嫌になって、パンの切れ端の上にスティルトン・チーズを載せ、ちいさなサンドイッチを作って齧りついた。

「どうせ良い格好を見せようとして、ウインドライダーを飛ばしたんだろう?」

「いや、別に? 単に乗りたいって言うから、乗せてやったんだよ。ノリの良い奴でさ、めちゃくちゃ楽しそうだったよ」

「第一、前に私の家に連れてきた交際相手はどうしたんだ。喧嘩でもしたのか?」

「……あー、あいつのこと?」

 それまで屈託のない笑顔を浮かべていたデイビスが、その時になってふと、真顔になって俯き、氷のような目つきで黙り込んでしまった。少しの間、ジャズを奏でるピアノソロや、背後の話し声以外に何も聞こえない時間が流れたが、やがておもむろに煙草を咥えながら、ライターを着火させ、

「もっとましな男のところに行ったんじゃねえの? 世の中には、星の数ほどまともな人間がいるからな」

「ああ、そうか。……悪かったな」

「いや、潮時だったんだよ。もう互いに好きじゃなくなってたしな」

 一服して、器用に白煙の輪を作ってみせると、彼は目で合図してバーテンダーを呼び寄せ、アラウンド・ザ・ワールドを注文した。そしていつもの癖で、磨きあげられた灰皿の上に吸い殻を向け、親指で繰り返し煙草の吸口をタップしながら、

「よそうぜ、俺の話なんか。どう? 奥さんとはうまくやってんの?」

「お陰様で。今度、二人目が産まれそうなんだ」

「マジで? へえ、おめでたいじゃん! 俺もそろそろ、クレアちゃん(注、スコットの長女)に会いに行こうかなー」

「ああ、もう少ししたら安定期に入るからな、来るといい。サラ(注、スコットの妻)もお前に会いたがっていたしな」

 バーボンを軽く揺らして、香りを調整するスコット。デイビスはといえば、彼に新しい子が生まれる、という事態が心底嬉しいのか、浮き浮きとして二本指に煙草を挟んだまま、キューブ・チーズの包みを剥いていた。

「今度は、男の子がいいなー。俺とお揃いの帽子を被せてさ。ポップコーン買って、遊園地に連れて行ってやるんだ」

「おい。可愛がってくれるのはありがたいが、お前の子どもじゃないんだぞ」

「いいだろ、俺の周りに餓鬼なんていねえもん。シンディ(注、デイビスの妹)も大学で忙しくて、当分結婚なんかしないって言ってたし」

「彼女は今、何を勉強しているんだ?」

「AIと流体力学の連携研究だって。この前電話したんだけどさ、何を言ってるんだかさっぱりだったよ」

 ポート・ディスカバリーでしばしばありがちの話だが、親が何かしらの研究をしていると、その子どもも同じ学問に染まりやすい。デイビスの場合は、物理学の一家である。父親は量子力学、母親は天体物理学だし、デイビス自身は、元々連続体力学を専攻していた。容姿からすれば放蕩ばかりに見えがちなデイビスだが(あながち否定できることではない)、一年飛び級をして修士まで修め、実はエリートに近い。未だに学習意欲は衰えていないらしく、仕事の合間で、たまに専門書のページをめくっている様子も見受けられた。

 スコットもまた、大学で航空工学を学んでいる。その後、空軍での経験を経て、ポート・ディスカバリーへ移住してきたのである。その時分は生まれたばかりだったクレアも、今はようやくたどたどしい会話をしたり、危なっかしく歩けるようになり、たまの休みに自宅へ帰ったときなどは、嬉しそうに手をあげて走り寄ってきた。この新しい科学の街を故郷として、彼女は何を望むようになるのかな、とスコットはふと思う。今は街中に設けられた、魚やCWCマークを映すロゴ投影ライトも、楽しそうにちいさな靴で踏んでいる。デイビスなどは、彼の家に遊びにやってくるたび、何とか飛行への関心を植えつけようとして、絵本やら模型やらを餌に苦心惨憺している様子だったが、例え父親と同じ道でなくても、彼女が納得できる人生を決断できるのであれば、それが親たる自分の最大の幸せなのだと思った。

 世界は、無限に広がっている。
 クレアはまさに、そのことを知る入り口に立っているのだ。
 何も、科学の道でなくても良い。聡明でも、偉大でなくても良い。自らの良心と情熱に従い、素晴らしい道を見つけてほしい。
 あの子は動物が好きだから、アニマル・キングダムで、飼育係なんかも合うかもしれない。それにエプコット。前にプロモーション・ビデオを見せた時は、目をキラキラさせて熱心に画面を眺めていた。何に心を惹かれたかは分からないが、成長するにつれて、それも鮮明になってくるだろう。自分にできることは、その可能性を潰さずに支援し、日々彼女を養うために稼ぐことだけだ。

 その職務の特性上、滅多に家に帰れるものではなかったが、クレアは己れの父親に対して、特別な尊敬を抱いてくれているらしい。ヒーローのパパ、と呟く時、ストームライダーのパイロットである自分が、何よりも誇らしく仕事に就いていると思える。そして、この小さな命を守るためにこそ、自分は嵐に向かって飛び立つのだと、いつも深く勇気づけられた。そうした帰る家があることは、どれだけスコットの心の支えとなっていたことだろう。

 左手に光る結婚指輪を見ながら、その手に小さな指を絡めてくる娘のことを思い出していたスコットは、ふと、目の前で蒼白い煙を燻らせている、まだ年若い部下を見つめた。バケーションやホリデーシーズン以外、同じマリーナにある実家へもまったく帰るそぶりの見せないデイビスは、家庭環境は良好のはずだったが、CWCこそが自らの安寧の在処だと決めているらしかった。いつも一人で、じっと考え込むように空を見つめているデイビス。同僚たちの中心で明るく笑っている一方、どこかその集団からも遊離していて、荒涼とした生活の中で、素の自分に戻れる場所を探しているように見える。果たして、彼が何を支柱として飛行への情熱を培っているのか、その薄く光るような瞳からはいつも読み取れない。にも関わらず、彼の秘めている欲望は、哀しいほどに天空に結びつけられ、日を追うごとにますます孤独に燃え盛るようだった。

「それにしてもベース、遅いなあ。ここの場所、分かってんのかな?」

 デイビスが亀のように首を伸ばして、入り口を振り返る。

「この前、行政との会議があったからな。大方、新しいプランの策定に追われているんだろう」

「ふうん。お偉方は大変なんだな」

 蜂蜜を垂らしたゴルゴンゾーラをつまみあげたデイビスは、その会議で何を決定されたのか、まったく知る由もなく、

「つうかベースって、絶対俺のこと好きだよな」

 ブフォッ、とバーボンの酒気に煽られて噴き出すスコット。しかしまるで表情を変えないデイビスは、トゥースピックで無花果をつつきながらぼやき、

「なんつうの? 厳しくすることが愛、みたいな? ここ最近は特に、風当たりがキツい気がするんだよなー。俺のことをマゾヒストだとでも思ってんのか?」

「……彼女はお前のマネージャーなのだから、部下を指導するのは当然だろう」

「それならそれで、反省文以外の愛情表現も覚えてほしいよなー。もっとあるだろ、俺のフライト技術を褒めるとか、肩のひとつも叩いてくれるとかさあ」

「あのな。ベースは冷たい人間なんじゃない。いつもお前のためを思って、——」

「……うん、」

と、デイビスは少年のように薄っすらと、嬉しそうに微笑み、

「だいじょーぶ、大体分かってっから。平気、平気」

ヘラヘラと笑いながら煙草を置いて、青い液体で満たしたグラスを煽ろうとした。その腕をスコットが制して、

「おい、そんなに急ピッチで飲むな。明日の訓練に支障が出る」

「えー? 二日酔いなんてなんねえよ、このくらいで」

「酔ってなくても、アルコールは検出されるんだ。それに、流石に空けるのが早すぎる」

「ほんと、あんたってお小言が多いよな。50's Prime Time Cafeのママみたいだよ(注、残すとクソ怒られる、昔懐かしいDHSレストラン)」

 そこへ、ドアから吊り下がるベルが鳴って、黒髪の中年女性が飛び込んできた。大分と急いだらしく、額にほんのりと汗をかいている。彼女は眼鏡をとりながら、その汗を袖で拭って、

「お待たせ。ごめんなさい、仕事が全然片付かなくて。マスター、コスモポリタンを」

上着を脱ぎながら注文するベースに対して、デイビスは舌で行儀悪く煙草を上下にいじりながら、両腕を広げて歓迎した。

「おー、ベース、俺の謹慎明けパーティにようこそ。いやあ、悪いね、奢ってもらっちゃって」

「……私の奢りという話になっているの?」

「こいつの頭の中では、勝手にそう変換されてるみたいだぞ」

 ベースは上着を預け、ソファに着席する。デイビスはといえば、一杯でも強いグラスを重ねて、三杯目のペガススも直ちに飲み干し、早くも四杯目を待っていた。

「いいだろー? 俺が主役なんだから、好きなだけ飲ませてくれよ」

「デイビス。謹慎終了というのは、何か褒められたことをしたからではないのですよ」

「へーへー、今度から気をつけます。あんたの指示に従えば良いんでしょ」

 相変わらずの返事にベースは溜め息をついたが、それでも、久方振りに彼に会えたのを嬉しがっているようで、それはデイビスについても同じことが言えた。ここに居場所が用意されていて、自分はふたたび迎え入れられている、という事実を、用心深い冷徹さで確かめているように見える。

 デイビスからベースにそそぐ眼差しは、常にそんな複雑な感情に培われていた。一歩一歩が本当に遅々として、石橋を渡るような注意深さがある。しかし確かに、彼はベースを信用し、彼女に近づこうとしている節があった。その信用はもっぱら、スコットと分かち合っているようなシンパシーではなく、彼女の持つ、潔癖なまでの自己の一貫性に向けられているのだった。

「ところでベース、俺のストームライダーIIは、もうすぐ修理完了なんだよな? せっかくミステリアス・アイランドまでビスを取りに行ったんだ、早く再会できないと寂しいぜ」

「ええ、あと三日ほどで終わるそうよ」

「そうかそうか。ようやく、俺の恋人ともご対面だな」

 満面の笑顔を浮かべたデイビスは、立て続けにショートカクテルを煽って酔いが回り始めたのか、脚を組み替え、ジャズに合わせて軽く鼻歌を歌い始めた。少し上に向けて吐かれた紫煙が、ふわりと焦げ臭い渦を巻く。

「明日からまた、訓練も始まるし。早く飛びてえな」

「そういえば、あまり自主訓練には来なかったわね」

「ちょっと野暮用があってね。でももう、すっかり片付いたからさ。これでフライトに集中できるよ」

「あら、それは良かったわね。また気持ちを切り替えて、頑張ってほしいわ」

「…………」

「デイビス?」

「……ああ、そうだな——」

 ベースは首を傾げた。それまでにこにこしてチェイサーに伸ばそうとしていたデイビスの手が、何かに虚を突かれたのか、ふと止まり、その正体の分からぬ感覚に、自分でも戸惑ったような表情を浮かべていた。スコットもまた、デイビスの様子がおかしいのに気付いて、どうした? と尋ねた。彼はそのまま、答えることなくゆっくりと結露のしたたるグラスを握り締めたが、その眼はまるで夢うつつのように茫洋としていた。それから、

「うん、……嘘をつかねえのは、機械だけだからな」

と、自分に言い聞かせるように呟くと、柔らかな唇を触れさせて水を流し込み、空いている手で灰となりつつある煙草を揉み消しながら、ゆくりなく立ち上がった。

「トイレか?」

「ああ。適当に温かいもの、頼んでおいてくれ」

とメニューを差し出す。あれだけ度数の高いものを飲んだ割には、足取りに少しも変化をきたすことなく、部屋の隅へと消えていった。スコットはこの隙にと、身を乗り出してベースの耳へ唇を寄せ、

「問題児の部下のご帰還だからな、上司同士、平等に折半だ。ちなみに、あいつのアルコール許容量は底無しだぞ」

「……頭が痛いわね」

 ベースは、綺麗にマニキュアを塗った手で額を抱えながら、ミニトマトをトゥースピックで突き刺した。小さな音を立てて、ほの赤い汁が皿を汚す。それを軽やかに口に運びつつ、

「彼の調子はどう?」

「飄々としたところは変わらず、ってところか。謹慎期間中に、世界旅行をしていたらしいな」

「嘘でしょ? ミステリアス・アイランド以外に?」

「インドや、ニューヨークにも行ったと豪語していたぞ」

「……何を思い立って、そんなことを」

 揃って首をひねるスコットとベース。デイビスにはどうも、理解できないことが多すぎる。それは恐らく、彼自身も明白な論理に沿って行動しているわけではないようで、ただ型破りなことをしたい、ひたすらに心を荒らして、罰せられたいといった、破滅的な情熱に導かれているのだろう。彼はそれを制御したり、妥協したりする術を知らないのだ。

 そのせいかは判断のつきかねるところだが、酒も狼のように飲む。トイレで吐いていやしないだろうか、と身を案じているうちに、それまでシェイクされていた彼のものと思われるカクテルが、別の場所へと運ばれていったので、見ると、どちらから声を掛けたのかは知れないが、部屋の片隅のバーテーブルに凭れかかり、艶やかな孔雀色のイブニング・ドレスを着込んだ女性と話し込んでいる姿が見えた。呆れた、と肩をすくめるベースは、そのままバーテンダーを呼び止めて、二杯目のグラスを注文する。スコットも水を頼み、珍しく懐から取り出した煙草に火を点けながら、鍛えあげられた大きな肩を張って、遠くにいる部下を見つめた。額にかかる前髪を時々払いながら、頬杖をつき、緑柱石の瞳で見あげるように女性と会話するデイビスは、どこか目の前の人間から紡がれる言葉に、声もなく傷ついてゆくように見えた。時々、ふっと眼差しが虚無の色に揺らぐ。眉間の皺が深く刻まれる。しかしそれ以上に、異性との会話の麻薬じみた快楽に取り憑かれているようで、笑い声も、感情の表し方も、CWCでの勤務中とはまるで違って、異様に昂揚した切なさに満ち溢れている。

 ベースも静かに彼を見守りながら、美しい楕円形に整った爪でチーズをつまみ、

「アンバランスよね、本当に」

と、痛みに満ちた声で言う。

 長い間側にいる者でなければ気づかないかもしれないが、デイビスは感情の起伏が激しく、気難しい人間だ。太陽のように明るく、大胆不敵に見えて、その心根は鬱屈としており、非常に二面性が強い。元来が恐ろしく繊細な性格なのだろう。そこへ、人目を惹く容姿や、周囲から期待されるキャラクター性や、その他色々なもので塗り固められて、常に精神には薄氷のような危うさがあった。その反動か、一度心を許した人間には依存しがちで、スコットもそのことに気付きつつ、慎重に距離を取っている。

「あの年代特有のものだろう。なんとか、自力で立ち直ってもらうしかないな」

「ええ。どこまでいっても、結局は彼自身の問題なんだもの」

 と言いつつも、なぜか厳しくし切れないのは、彼の孕んでいる、妙に擦れたところのない不思議な魅力のせいか。
 それこそが厄介事の種なのだと知りつつも、人好きのする笑みを浮かべて相槌を打っているその顔立ちは、薄暗いバーの中でも、天使のように純真だった。

 あいつがもう少し普通の容姿だったら、何か変わっていたのかなあ、と無益な思案をして、スコットはグラスに僅かに残ったバーボンを飲み干した。



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