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【リンゴ作戦】
黒ポメラニアンの〈のあ君〉は、炬燵の中やテーブルの下に潜るとなかなか出てこないという、狭い所大好き犬である。
ドライブに連れて行った時でも、ペット用のキャリングケースの中から出て来はしない。無理に出そうとすると「グルルルゥ~」と威嚇してくる始末だ。
今日は、僕の膝の上から飛び降りた〈のあ〉が、大好きなキッチンの椅子の下に潜り込んでしまった。こうなるともう出てこない。
「のあ~出ておいでぇ~・・」
「グルル・・」
「のあ!出てきなさい!こっちおいでぇ・・もうネンネの時間なんだから出ておいでって!」
「・・・・・」
(スフィンクス)の体勢になった〈のあ〉はビクとも動かない。
家内が言う。
「リンゴで釣ったらど~ぉ❓️」
「リンゴくらいで出て来るかぁ❓️」
家内は冷蔵庫からリンゴを出してひと切れを細かく刻み、それを手に持ってケージの前まで行った。そして〈のあ〉を呼ぶ。
「のあ~リンゴよぉ~っ❗️」
途端に椅子の下から飛び出した〈のあ〉・・トコトコトコッ!っとケージに一直線❗️開けてあった扉からサッと中に入った。
「父さん❗️早く扉を閉めて❗️」
僕は慌てて扉を閉める。
ケージの中で(渋谷の忠犬ハチ公像)の体勢になった〈のあ〉にリンゴを与える家内であった。
「あぁ~~〈のあ〉偉かったねぇ~ハイッ❗️リンゴよぉ~」
やれやれ、これでやっとユックリ寝れるぞ。
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