【夫婦喧嘩】

〈note〉には、さも円満夫婦っぽい話ばかりを書いてきたように思うのだが、還暦を過ぎるまで夫婦をやっていると、実は、タマには夫婦喧嘩もするのである。

些細なことが原因だと言えば些細なことなのかもしれないが・・・お互いが些細なことだとは思っていないから喧嘩になるのだろう。

先日のことである。玄関マットを踏んだ時に、ズレて滑ったら危ないと思ったから、僕は裏側の四隅にガムテープを貼って動かないようにしていたのだ。

ところが、家内が黙ってテープを剥がしてしまったので一言注意をしてやった訳である。

「滑ったら危ないからガムテープ貼ってたのに、勝手に剥がすなよ」

「アタシ、ガムテープ嫌いなんだから」

「好きとか嫌いとかの問題じゃないだろ」

とまぁ、こんな具合に喧嘩が始まる訳である。

どう考えても、家内のほうが喧嘩を売っているようにしか思えないのだが、実際はどうなんだろうか・・・

いずれにしても気まずい空気が漂ってきたではないか・・あ～ぁ

・・・・・・・

けれども、我々の夫婦喧嘩が長引くことは決してない。次の日の朝にはもう修復されている。

何故なら家内が謝ってくるからだ。

「父さん、昨日はごめんなさい」

「あぁ・・・」

〈最初からそう言えばいいんだよ〉

なんて、内心ではそう思う僕なのである。内弁慶で、こっちの言葉に被せるように、直ぐに言い返してくる家内の性格は分かり切っている。それが彼女の最大の欠点なのだが、しかしその反面、一晩で鮮やかに反省して、次の日の朝には恐ろしくサッパリとした顔で謝ってくれるのだ。そういった優れた面も同時に持ち合わせているのである。

だから２人の夫婦喧嘩は、僕が100戦100勝している訳で、僕が家内に謝ったのは、若い頃、内緒の借金がバレた時の１回だけである。

えっ❓️本当は奥さんのほうが１枚上手うわてで、お前がコントロールされてるだけなんじゃないの❓️大体お前の言い方は優しいのか❓️文面だけじゃ分からないけどキッつい言い方してんじゃないの❓️・・なんて言ってるのは誰❓️