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【昔のプラモデル】

僕がまだ少年だった昭和の時代、男の子に圧倒的な人気があったのが〈プラモデル〉だった。

現在では色々な娯楽アイテムがあり過ぎて、〈プラモデル〉は極一部の人達の趣味になってしまったようである。

今、おもちゃ屋の〈プラモデルコーナー〉を覗いてみても〈ガンダム系〉が幅を効かせていて、他のジャンルの〈プラモデル〉が少ない。だから、ガンダム系マニア以外の人にはなんだかツマラナイことになってしまっている。

そこへいくと、昔の〈プラモデル〉は凄かった。本当に色々な種類やジャンルのものがあって実に楽しかったのである。

〈おそまつ君〉や〈オバQ〉などのマンガのキャラクター、〈軍艦・戦闘機・戦車〉、〈お城シリーズ〉〈鎧兜〉、〈オートバイ・自転車〉、〈箱庭系〉、〈007のジェームス・ボンドシリーズ〉etc.etc.・・・なんでもかんでもプラモデルになっていたのだ。

少年時代に作ったプラモデルは数知れないが、残念ながら、現在その殆んどが残っていない。

ところがどういう訳か、弟と一緒に作ったオートバイのプラモデル2台だけがガラスケースの中で大切に保管されているのである。

それは〈HONDA―CB750〉と〈DAX ホンダ〉のオートバイのプラモデルなのだが、それらは実に精巧に作られていて、今でも充分鑑賞に値する。

先日遊びに来ていた弟が、タマタマ目にしたそのプラモデルを懐かしそうに眺めていたので、良ければ持って帰るようにすすめてみた。

「それ、持って帰れよ。クルマで来てるんだから大丈夫だろ」

「ん~~どうしようかなぁ・・しかし懐かしいなぁ・・もうウン十年も前のもんだろ❓️よく残ってたよなぁ・・僕が作ったのがナナハンのほうだったよなぁ・・ダックスを作ったんが兄貴で」

「そうそう」

「よしっ❗️じゃあナナハンのほうを持って帰るわ❗️」

そうして、段ボール箱に入れた〈少年時代の想い出〉と一緒に、弟は帰って行ったのである。

ガラスケースの中が〈DAX ホンダ〉1台だけになったので、少し寂しくなってしまった。


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