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【詰まる】
深夜お腹に膨満感を感じた。腸が詰まってしまったようだ。腸の中でガスがグルグル動いているのに一向に下に抜けないのだ。
僕は5年前に大腸癌手術を受けている。大腸癌を患った人は〈腸閉塞〉になり易いというデメリットを抱えているという。
案の定、手術後に1度だけ詰まった感を経験したことがあったのだが、その時は自然にお通じが改善した。
ところが今回の症状はチョッと深刻だ。明け方になってもお腹の張りが増すばかりで苦しいのだ。
〈腸閉塞〉は下手をすると死に至る恐ろしい病気である。不安になった僕は、以前服用した〈マグミット〉という下剤が残っていたのを思い出し、それを飲んでみることにした。
普通は2錠でいいものを一挙に4錠も飲んだ。無論そんなことですぐにお通じが戻る訳ではない。
僕は気を決して家内を起こし、救急車を呼んでくれるように頼んだ。その間に保健証の準備をしたり服を着替えたりする、一見冷静沈着そうな腸閉塞者ではあったが、実は最悪の結末を僕は覚悟していたのだ。
救急車は直ぐに来てくれた。僕は歩いて救急車に乗り込み救急隊員に症状を説明。運良く受け入れ病院が直ぐに見つかった。
・・・・・・・
早朝の5時過ぎに病院に到着すると、直ちに〈エコー検査〉〈CT撮影〉〈レントゲン撮影〉を受ける。
結果はやっぱり〈腸閉塞〉であった。どんな治療をするんだろうかと心配になったが、主治医の先生がこう言った。
「2・3日絶食して様子を見ましょう。それでおそらくお通じがあるでしょう」
最悪、また腹を切らなければならないのかと思っていたので、これは嬉しかった。
病室に移動するとまず点滴を打たれ、体温測定、酸素濃度測定、血圧測定などを施される。
お腹の張りはピークに達しているのに、やることといったら安静に寝ていることだけだった。
午前10時過ぎだった。なにかお腹の中でガスが移動したように感じたのでトイレに行ってみた。
するとガスが出たのだ❗️
便も出始めた。マグミット4錠が効いたのか、それから点滴ポールを転がしながら、何度もトイレに通って、お腹の中に詰まっていたものを全部出すことが出来たのである。
お腹が一挙に楽になった。救かったのだ。
フ~ッと気が緩んだ僕は、病室のベッドの上でウトウトと眠くなってきた・・・
(入院中:イラストに替わり写真を使用)
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