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アーティストとマネジメントの関係は、「ラポール」という「調和」の世界を築くべし!

クマが出た!襲われた!
虎が出た!襲われた!
サメが出た!襲われた!

実際に自然の中で野生の猛獣と遭遇した場合
….それは「死」を覚悟する瞬間だ

そして、そんな野生の動物たちは、
人間の社会に関わった途端に
住宅街に猿が!
住宅街にイノシシがが!
住宅街にシカが!
住宅街にアライグマが!
と大慌てで駆除される。

人間と動物の縄張り争いだ。

一方で、インスタやTikTokで流れてくる映像の中には、
クマと抱き合ったり
猫のように、トラと戯れあったり
サメとなかつつまじく泳いだり
人間と猛獣たちが美しく
調和を保って生きている様子を
垣間見ることがある。

それはまるでファンタジーの
調和の取れた美しい世界のようだ。

我々マネージメントも
アーティストと調和の取れた
パートナーシップを築きたい

と思っている。

ところが実際は
売れるまでは「マネジメント」が上で
売れたら「アーティスト」が上になる

それはまるでサーカスの「猛獣使い」の世界だ

お互いの力の均衡の上でバランスをとっている
ストレスフルな関係値

「契約」を盾にするマネジメントサイド
「人気」を武器にプレッシャーをかけるアーティスト

お互いの権利をいかに拡張するかという
「仁義なき戦い」が水面下で繰り広げられている

ところが本当はマネジメントだって
ディズニー映画の猛獣と戯れる「魔法使い」のように
アーティストと仲良く笑顔で仕事がしたいのだ

調和の取れた関係を築き
その関係を継続したい
本音では誰しもがそう思っているはずだ

だってマネージメントとを志すからには
誰よりもアーティストの才能を信じ
アーティストと共通のゴールを夢見ているのだから

アーティストとマネジメントは
「支配関係」ではなく
純然たるパートナーシップで繋がりたい
「こころ」の底ではそう願っている。

そのためにはお互いの「こころ」を「調和」させる必要がある。

この「調和」の取れた「こころ」の状態
心理学用語で「ラポール 」という。


アーティストとの「ラポール」 の築き方


「ラポール」と言う心理状態
一緒にいて心地よい状態
安心してなんでも言える状態

まさにお互いの「こころ」が調和して
安心してなんでも話し合える心理状態を言う。

SNSのショートムービー等で猛獣と戯れる
あの状態
に他ならない


「こころ」の調和をとれた状態を
心理学の世界では「ラポール」と言う 


アーティストとラポールを築くための具体的な4つの方法

ここではアーティストとマネジメントが
「ラポール 」と言う心理状態を築く
具体的な方法を5つご紹介する。

ラポール は「浅い」ものから「深い」ものまで
時間をかけて熟成させていくものだ。

「ラポール」は「深く」築けたとしても
たった一瞬で崩壊してしまうことがあるという特性も持つ。

大切に保持するためには日頃のメンテナンスを
心がけることが大切だ。

①共通点や共通の好みを見つける

人間は同類をこのむ
同じであることに安心を感じる
音楽とファッションが切り離せないのは
そのためだ

身につけているもの
好きな服のブランド
出身地
誕生日
血液型
星座
好きな車
趣味
好きなスポーツ
影響を受けたアーティスト
好きなアルバム
好きな曲
好きな映画
好きなジャンル等

共通の話題や好みを見つける。

人間は共通していることに安心する生き物

例えば居酒屋で隣の席の人と共通の趣味の話で盛り上がったり
同郷の人とつながりを感じたり
好きな音楽の話で盛り上がったり
同じ名前や誕生日の人に親近感が湧いたり
共通点や共通の好みは「こころ」の距離を縮めるツールになる

制服やユニフォーム
アーティストTシャツなども同様の効果をもたらす

注意点
相手の趣味や好きなものを否定したり
自分の好みを押し付けないということ

以前好きなアーティストの話で盛り上がったが、
どのアルバムが好きかで喧嘩になった経験があるw

つまり「ラポール 」は簡単に壊れてしまうのだ。

②コミュニケーションは「こまめ」にとる

ある兵士が戦場から毎日愛する妻に手紙を書いて送っていた
兵役を終えて兵士が家に帰る
愛する妻は郵便配達員と暮らしていた…


アーティストとのコミュニケーションは
できるだけこまめに定期的に行う。

これは単純接触効果と言って
テレビによく出てくる人に親近感を覚えたり
CMに出てくる商品を買ってしまったり
繰り返されて聴く音楽を好きになったり
繰り返しされるギャグで笑ってしまったり
毎日繰り返し郵便物を運んで来る人に好意を抱いたり…

人が無意識のうちに刺激に繰り返し接することで
その刺激に対しての親しみや好感を抱きやすくなるというもの。

SNSやメールなどの手段を通じて、
気軽にやり取りできるようにしておくことが大切。

「おはよう」
「お疲れ様でした」と言った定期的な挨拶に加え
予定や計画の変更など
急な変更に戸惑う人も多いので
こまめにアーティストとの連絡を取ることで
繋がりを閉さないように心がける。

ただし相手が拒否しているときや
心理的に弱っているような状態では
プレッシャーを感じたり
逆効果になってしまうので注意が必要

常日頃から風通しの良い状態を作っておくために
アーティストとこまめなやりとりを心がける

③目の前のアーティストに興味を示す

目の前の相手の情報を収集する
どのような「思考」「行動」「感情」なのか



アーティストを理解するために情報を収集する。

どのような「行動」をするのか
どのような「考え」なのか
どのような「感情」なのか
目の前のアーティストが
どのような様子なのかを注意する。

そのためには話を聴く時は
相手のことをよくみて
「態度(行動)」や「感情」の変化をよく観察する
ようにする。

そうすることで相手の言葉の背景に潜む
本当の意味を探ることができる

と同時に

相手に「私はあなたに興味があります」と言う
非言語のメッセージ
を伝えることができる

人間は興味のあるものを見ると瞳孔が開く
瞳孔が開くと瞳が大きくなる

瞳の大きい相手を見ると
「この人は私に興味がある」と
無意識レベルで感じる

自分が興味を持たれていると思うと
「自己重要感」があがる。

「自己重要感」があがると
「幸福感」が増し
「居心地の良さ」を感じる。

瞳が黒く大きくなるカラコンを入れた女性に
男性が「こころ」を奪われるのは
これが原因だw


④安心して話ができる心的環境を作る

繊細なアーティストは相談を持ちかけるのもストレスに感じる
彼らの相談いはできるだけ親身になって応じることで
安心した雰囲気を作ることができる



アーティストが困っていることや相談したいことがある場合には、
親身になって相談にのる

どんなに忙しくてもスケジュールを調整して
時間を作るよう心がける

それがたわいもない相談であっても
「時間を作る」と言う行為が
アーティストのことを大切にしていると言う態度の現れ
になる

感受性の強いアーティストにとっては
「ちょっと相談があるのですが」
と言う行為そのものがストレスだ


常日頃から、
アーティストが細かいSOSを発信しやすい「心的環境」を作る

どんなことでも相談できる環境を準備しておく

それがあると思うだけで
安心して活動することができる

⑤アーティストの内面を理解し共感する

アーティストの内面を理解する
なぜそんな「行動」をするのか
なぜそんな「思考」になるのか
なぜそんな「感情」
が生じるのか

その理由を理解して共感することが必要だ


一人で泣いている子供を見かけたら
どうするだろうか?
まず最初に「どうしたの?」って聞くはずだ


相手を理解すると言うことは
泣いている迷子を家に届けてあげることと同じだ


いきなり「泣くのをやめなさい」
とは言わないはずだ

その子は泣きたくて泣いているのではなくて
親元に帰りたくて助けを求めているに過ぎないのかもしれない
親に怒られて泣いているのかもしれない
何かをなくして泣いているのかもしれない

泣くのをやめさせるのではなく
どうしたのか話を聞いて
その子の望みを叶えてあげようとするはずだ

なぜあんな「行動」をしたのか
なぜそう「思う」のか
なぜそんな「感情」を抱いたのか
その「行動」の本当の理由や
そう「思う」理由
その「感情」に陥った原因

アーティストの「内面」を理解し
それに寄り添うことが必要だ

人間には「価値観」と言う信念体系があり
それが「良い」「悪い」「好き」「嫌い」の判断理由となる

アーティストがどんな「価値観」を持っているのか
その思考回路を理解しようとすることが必要だ


どんなネガティブな「思考」「行動」「感情」にも
その裏には必ずその人にとってポジティブな「理由」
が存在している。

その「価値観」があなたにとっては受け入れられないことであっても
「今、目の前のアーティストはそういう価値観の元
自分にとってベストの選択をしているんだ」

と理解し、その「考え」や「振る舞い」や「感情」を受け入れる

何が「正しい」か「悪い」かは
各個人の「価値観」によって異なるので
あなたの「考え」は脇において
相手の意図を汲み取ることが大切だ

自分の「正義」や「価値観」を相手に押し付けてしまうと
一瞬のうちに「ラポール 」は崩壊する

相手の「思考」「行動」「感情」の「理由」を理解し
その奥にある「価値観」「信念」を大切にすることで
強いラポール を築くことができる。

自分の価値観や考えを脇に置いて
相手の行動の背後にある意図を
理解しようとする態度が「ラポール」
を築き
安心して話のできる関係性を生むのだ



どのように「魔法使い」になるのか

このブログでは、アーティストマネジメント に大切な
「コミュニケーション能力」
「カウンセリング能力」
「コーチング能力」について
なるべくわかりやすく順次説明をしていきます。

どのようにしたらみなさんにそれが伝わるか試行錯誤しながらやって行きますので、ご質問やご意見のようなものがありましたらいつでもご連絡ください。

お問い合わせ geess@howling-bull.co.jp


ここでは私が学んだことを中心になるべくわかりやすく解説をしていくつもりですので、興味のある方はおつきあいください。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

少しでもアーティストを取り巻く環境が、
「こころ」あるマネジメントの方々によって改善しますように…. .


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