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N-013 奴隷全身像

石膏像サイズ: H.112×W.43×D.32cm(縮小像)
制作年代  : 1513~15年頃
収蔵美術館 : パリ・ルーブル美術館
作者    : ミケランジェロ・ボナローティ(Michelangelo Buonarroti 1475-1564)

教皇ユリウス2世の霊廟を飾る彫刻としてミケランジェロが制作した奴隷像のひとつで、「瀕死の奴隷」と呼ばれている作品です。6体制作された奴隷像のうち、2体はルーブル美術館に、残りの4体はフィレンツェのアカデミア美術館に収蔵されています。

壮大なスケールで計画されたユリウス2世霊廟は、様々な政治的な困難から大幅に計画が縮小されて完成しました。奴隷像が多数設置される予定だった最下層が省略されてしまったため、これらの彫像は行き場を失い、そのうちの2体がロベルト・ストロッツィという人物に売却された後、フランス国王に献上され、最終的にルーブル美術館の収蔵品となりました。奴隷像が設置されるはずだった霊廟の最下層は人間世界を象徴しており、奴隷像は”魂が肉体に囚われの身になっている”ことを表現しているとされています(最下層は人間界に、中間層は神の恩寵を受けた預言者と聖人たちに、上層部は最後の審判に於いて下の二つの層を超越した者達にそれぞれ捧げられていた)

ルーブル美術館収蔵 ミケランジェロ作 瀕死の奴隷(Dying Slave)
(写真はWikimedia commonsより)


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