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N-048 モーゼ全身像

石膏像サイズ: H.52×W.18×D.26cm(縮小像)
制作年代  : 1515年頃
収蔵美術館 : ローマ、サン・ピエトロ・ヴィンコリ教会
作者    : ミケランジェロ・ボナローティ(Michelangelo Buonarroti 1475-1564)

教皇ユリウス2世の霊廟の一部として制作されたミケランジェロの作品の縮小像です。原作彫像は、座っている状態で高さ2.4mという巨大なもので、壮大なスケールで計画された霊廟の中心となる存在です。ユリウス2世霊廟は制作途中で規模が縮小され、最下層部分(“瀕死の奴隷”などが設置される予定だった)などが省略されてしまいましたが、このモーゼ像は完成した霊廟の一部となりました。

モーゼの両脇には“瞑想的生の象徴”である「ラケル」、“活動的生の象徴である「レア」(どちらも旧約聖書創世記の登場人物)が配置され、上部には神に祝福された存在として横たわるユリウス2世像、さらにその上方に聖母子像があるという構成です。

この霊廟は、最初のプランでは”壁付“のスタイルではなく、教会内にそびえ立つ独立した構築物として計画されていましたが、ユリウス2世の死後教皇となったレオ10世がメジチ家出身だったことで、制作を継続することが困難となり計画は大幅に縮小されてしまいました(ユリウス2世の遺族であるデラ・ローヴェレ家と、新教皇を送り込んだメジチ家とは敵対関係だったため)。

ユリウス2世霊廟の全体像 (写真はWikimedia commonsより)


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