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音楽感想

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#ロック

二つの混ざり合う思い-Yellow/Age factory

奈良県を拠点として活動するオルタナティブ・ロックな3ピースバンド「Age Factory」

1st Full Album 「LOVE」より「Yellow」

自分が求め、愛した時が終わりを迎える時。最後の最後。終わって欲しくない、終わりの瞬間なんて見たくないという思い。そして、終わりまでの瞬間、一分一秒を自身に刻み込むために、目を逸らさずに見届けるないといけないという思い。二つの混ざり合う思いを
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時間を越える装置。-BUMP OF CHICKEN/記念撮影

J-ROCKシーンに大きな影響を与えた同級生4人組バンド「BUMP OF CHICKEN」

2017年2作目となる新曲8th Digital Single「記念撮影」

ノスタルジィを感じるメロディがスロウなテンポで進行していく。けれどもちっとも重たくない。軽やかな足取りで瑞々しい。
音楽は終始淡々と紡がれていく。特別大きな盛り上がりは無く。達観している雰囲気。しかし、その実、奥底に膨大な熱量が
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全てを漆黒に塗り潰す-Klan Aileen/Happy Memories

Ryo Matsuyama(Gt/Vo)、Takahiro Takeyama(Dr)によるバンド「Klan Aileen」

2nd Album「Klan Aileen」より「Happy Memories」

タイトルとは裏腹。遠い遠い所に位置するような不穏が漂う。研ぎ澄まされ切り裂くような音。しかし、それぞれの音の境界は曖昧。越えてはイケない一線ギリギリで境界線が保たれている。が、不意に音の輪郭
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なんでこうなっちゃったんだろ-パンパンの塔/火曜日のサスペンス

RO69JACK11/12のWINNERでCOUNTDOWN JAPAN 11/12に出演する実力派。グッドなメロディを産み出しまくっているにも関わらず、あまり知られていないのが不思議で仕方ない、アコギとベースとドラムの3ピースバンド「パンパンの塔」

4th mini Album「火曜日11時45分」より「火曜日のサスペンス」

フラメンコのギターを思わせる情熱的なサウンドがリズミカルに物語を奏
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ダイレクトに伝染するサウンド-AIRBAG/birdman

東京で活動するロックユニット「AIRBAG」

1st CD「DEMONSTRAION #1 」より「birdman」

多くの機材、楽器を組み合わせたサウンドを創り上げるバンドが最近のトレンドになりつつある中、ギター&ボーカル、ドラム&コーラスの二人によるシンプルなロックをかき鳴らす。

洋楽ロック、邦楽ロックどちらも呑み込んで練り上げられた音はソリッドで鋭さを持ちながらも、どこかセンチメンタルな
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本能剥き出しの叫び声-歌うアホウドリ/The World Is Mine

本能剥き出しの叫び声-歌うアホウドリ/The World Is Mine

https://soundcloud.com/singing-albatross/the-world-is-minevol2-1

2016年-初のアルバムをリリース。ラップ、ポエトリー、歌、そして叫びで全国の音楽好きやライブハウス、イベンター等の耳を刺激したバンド「歌うアホウドリ」

1st EP「Scrap & Build」収録「The World Is Mine」のオリジナル版ライブ音源

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現代を生きるあなたへのメッセージ-パノラマパナマタウン/シェルター

2015年RO69 JACK、MASH A&Rでグランプリを獲得した神戸と言うパナマにて結成された4人組ロックバンド

2nd mini Album「PROPOSE」収録楽曲

日々襲い掛かる痛み、苦しみから自身を守るために多くの人が心地の良い上っ面なリアルに呑み込まれる。中毒的で徐々に思考を麻痺させ、自身の消失へと誘っていく。そんな心地良い上っ面なリアルが蔓延した混沌な現状をエッジの効いたサウン
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問答無用のSmoky Groove-The Josephs/Dusk

大阪在住の4人組インディロックバンド。
DIYを基本とし、デモやロゴデザイン、アートワーク、MVの撮影、編集等の作業を全てをNaoaki Tsuda(Gt.)が担当する。

初の全国流通アルバム「DUNE」収録楽曲

大阪、フランス、アメリカを行き来して活動するバンドのフロントであるJulia Fujimaru(Vo.)の歌声が兎にも角にも力強い。それだけでなく、どこかハスキーな渋み、艶っぽさがあ
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崩壊と再生を告げるシューゲイズ-The phenomenons/ピアノDLY

2010年結成、2014年現体制の4人編成となった、ピアノサウンドを基調とするポストロック、シューゲイザー新世代なロックバンド「the phenomenons」

全国流通盤な1st mini album 「LEUKO」収録楽曲

タイトルのDLY=ディレイとある様に、DLYなピアノがポツポツとはじかれ、重なり合いシューゲイズなサウンドが耳に流れ込んできます。美しくも感傷的な音は徐々に徐々に張り詰
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トキシック・ロックロール・ビューティーズ-おとぼけビ~バ~/愛の曝露本~bakuro book~

2009年に結成されたロックンロールを爆発させて、ハートを射抜くラブ イズ ショートパンク。ガールズバンドを越えたガールズバンド

2016年に全世界にリリースされたシングル「愛の曝露本~bakuro book~」より表題曲

裏切られた愛を叫ぶかの様に初手から畳み掛ける様に轟く爆裂サウンド!
心に帯びた哀が見え隠れする様にちょっぴり鳴り響くしっとりサウンド!
緩急激しく切り替わり、脳みそをグワン
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あばよ、思想なきロックンロール-響心SoundsorChestrA/吉祥時=花屋Girl

音源リリースの際にシングル、アルバムなどの既存の表現を辞めて造語”フォグサーティン”で表現するなど、独自のスタイルで活動する神戸の3ピースバンド

初全国流通盤3rd フォグサーティン「台北より愛をこめて」収録楽曲

2000年代初頭のギターロックを継承し
現代の形状で放たれるエモーショナルなバンドサウンドの衝撃
瞬間、瞬間に湧き出す言葉
それらを紡ぎ産み出されたような熱量を帯びた、力強い抒情詩の
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生を祈る-さよならポエジー/前線に告ぐ

神戸発Vo/Gt、Drによる二人組バンド(+サポートBa.)
“仕掛け無し、に、死角無し”をテーマに音楽を創りあげる。

1st Full Album「前線に告ぐ」収録の表題楽曲。

コンコンと過ぎていく生活という戦場
その最前線で、生を求めて戦い続ける
全ての人が無事であるように

時間経過と共に激しさを増す戦火に曝され
心が砕かれ地に付してしまって人の
心を奮い立たたせ、再び立ち上がらせるよう
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日々を生き、日々に殺されていく-歌うアホウドリ/灯台

2011年に結成された4人組バンド。
言葉に重きを置き、ラップ的な、特にポエトリーリーディングに傾倒したアプローチで感情を吐き出す。

2016年にリリースされた1st FULL ALBUM「無我夢中」収録。

規則正しく揺れる音の浪間を縫って、詩が揺蕩う。
ぼんやりとした言葉に覇気は無く、無気力感に包まれている。

充満した無気力感は次第に不安を駆り立てていく。
そして、ピークに達した不安は怒り
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知覚できない暴走する3分間-MUSQIS/Idiot Cop

マルチ奏者 野口英律を中心とした音楽、または集団、コミュニュティーである『MUSQIS』
編成は不定的でメンバー数はライブによって変化する。

2015年にリリースされたEP「Idiot / Feeding / Home」収録楽曲

11人編成で炸裂するダブワイズなサウンドは最初から最後まで動き回ります。
ロックサウンドかと思ったら、スモーキーなスカパンクサウンドに。かと思えば、またロックサウンド
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