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留学の金銭準備法: 学問のすゝめ

皆さん、およそ2ヶ月ぶりですね!GCSの栗田です。この間コロナが流行って、収まって、また流行って...皆さんいかがお過ごしでしたか?

模範国民である私は、2ヶ月間忠実にステイホームキャンペーンに従っていました(×模範国民○引きこもり)。

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(自粛期間中の、某位置情報リンク型SNSの私の画面。53日間連続で自宅滞在していることを示しています)

さて、今回はそんな引きこもりの天才である私から、主に交換留学を志す皆さんに向けて留学とお金に関する私見を述べたいと思います。最近は期末試験で忙しいかもしれませんが、試験にも絡む話なのでぜひ休憩時間に読んでください!

「留学とお金」に関する基礎情報は以前のGCS Noteに書かれていますので、ぜひ本記事と合わせて御覧ください。では、以前の記事があるのになぜ今回の記事を書いたか?それは様々な金銭的準備のオプションをお伝えし、みなさんが幅広い選択肢の中から自分にあった方法を選んでいただきたいと考えたからです。

留学資金はいくら必要か?

留学に結局いくらかかるのか?という点を皆さん気にされると思いますが、総額は地域によって大きく異なります。
私は半年間ハワイに留学後、中国に留学しかけましたが(コロナで中止)、ハワイでは半年で合計100万円近くかかった一方、中国では半年で50万円付近で済みそうな感覚でした(実際に半年滞在していないのでブレると思いますが、100万円には間違いなくいかないでしょう)。
この記事では、間を取って半年あたり約70万円程かかるケースで資金源を比較していきますが、皆さんは自身の留学希望先の予算に応じて考えてみてください。

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(多くの海外大学のHPには上記のような平均的な出費額一覧表があります。この表はUCLAのものです。授業料であるTuitionは交換留学の場合免除され、保険料であるHealth Insuranceは現地で加入が求められる場合と、東北大の保険のみで済む場合がある等、この表と実際の支出は異なる場合がほとんどですが、寮費や食費、生活費の試算には使えるでしょう。航空費を計算にいれることもお忘れなく!画像出典ページはこちら

留学資金をどこから捻出するか?

留学資金をどこから捻出するかという問題は、交換留学を志してから実行に移すまで、多くの人が考える問題かと思います。
大別すれば、資金源は①身内からの支援、②自分のバイト代、③給付型奨学金、④貸与型奨学金(≒将来の自分)の4つになるかと思います。
この記事では、利用者が多い①~③、その中でも特に②バイト代と③給付型奨学金に焦点を当て、順に解説・比較していこうと思います。

①身内からの支援

①身内からの支援がどの程度得られるかは各々の家庭事情によると思います。全額もらえなくても、例えば③給付型奨学金が受給できなかった時は留学費用の一部について支援を受ける、④貸与型奨学金のうち利子付きを借りねばならない際は、代わりに身内から無利子で借りる、等の保険的な頼り方がありえます。
早めに親御様とご相談され、資金面の準備・計画を始めると良いでしょう。

②バイトをする

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①で全額支援をもらえない場合の選択肢の一つは、自分でバイトをすることです。実際に筆者の周りでも留学費用のためにバイトを行っている方は多かったように思います。学生が最も手軽に資金調達できる方法でもあります。
仮にこの記事で仮定した半年の留学費用70万円を全額賄おうとすると、時給1000円として700時間の労働が必要になります。これを長いと評価するか、短いと評価するかは後ほど私見を述べます。

③給付型奨学金

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②のバイトより遥かに少ない準備時間で資金準備ができるのがこの③給付型奨学金という選択肢です。難点は手続きが煩雑で選考が厳しいものがあったり、金額が少なく、給付型奨学金だけで留学の全資金をカバーするのは難しいという点です。
特に欧米の大学へ留学する場合は、約半分(約30~50万円)は何かしらの奨学金、残りは自費、というケースが私の周りでも多いように感じます。一方、アジアは全額カバーできたという話を聞くことが多いです。

資金源選択の基本的な考え方

理想は給付型奨学金をいただき、全額カバーすることでしょう。しかし先述のように、実際には多くの留学経験者の例を見てもそれができた人は多くありません。その際には、やはり①身内からの支援や②バイト、④貸与型奨学金といった選択を並行して選ばざるを得ません。給付型奨学金を30~50万円いただけるとすると、残りを②バイト代で賄うのであれば200~500時間の労働が必要になります。多くの人が、この給付型奨学金と他の資金源の併用を行っていると思います。

と、ここまでは留学を志す方なら誰でも思いつく内容に若干の具体的な数値を当てはめた話になっていると思います。ここからは留学資金準備を行った際の私の逡巡をもとに、この選択をする際の考え方をご紹介します。

この記事で紹介したい考え方

前提として、私は①身内からの支援は緊急時(資金不足で留学できないくらい)ならば受けられるという約束を得ていました。従って、緊急時は助けるが、できれば自分で工面してほしいという状況でした。このような状況になる方は多いのではないでしょうか。

自分で工面するとなると、方法は上で紹介した②~④になります。「基本的な考え方」で紹介したように、給付型奨学金を平均程度受給できた場合、バイトは200~500時間必要です。仮に3年前期から留学するとなると、それまでにバイトに200~500時間入る=留学分の費用だけで週あたり2~5時間のバイトが必要になります。実際には日々の支出もあるでしょうから、かなりの時間をバイトに割くことになります。これは半年の留学費用の試算であり、一年留学ならさらに長い時間働く必要があるのも注意が必要です。

一見手軽な方法にみえるバイトが、案外学生生活に影響を与える程に時間をとることを実感いただけましたでしょうか。私は入学時から留学が頭の片隅にあり、資金的な準備をどうしようか考えた際に、バイトか給付型奨学金のどちらかだと思いました。色々迷いましたが、これを決める際に、同じ時間を割くならバイトより学業に力を入れ、いい成績をとってできるだけ条件のいい給付型奨学金を狙うほうが留学の資金のためにも、大学後の進路のためにも良いと考えました。

もちろんこれは給付型奨学金を万一逃した際は、身内からの支援による救済があるとわかったためにとれた戦略です。この前提は忘れないでいただきたいですが、留学を終えた今でも、某帝都と異なり時給が慎ましい仙台では、同じ時間をかけるならバイトよりも給付型奨学金を狙う方が実は賢いやり方なのではないかと思っています。
私も東京の大学に進学していたら、バイトに注力する戦略をとっていたかもしれません。

給付型奨学金を獲得するには?

とは言え、このやり方には十分な奨学金をいただけない、というリスクがあります。その際のリスクヘッジ(身内からの支援・貸与型奨学金等)は絶対に用意してください(資金が途中で切れないことは留学の要件にもなっているとは思いますが、念の為)。

このリスクを避け、できるだけ多くの給付型奨学金をいただくために、多くの奨学金選考で共通する評価ポイントを書いておきます。選考はまだかもしれませんが、これらを意識して今から準備を行うことで、奨学金受給の可能性を上げられると思います。

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できるだけいいGPA(=今からの期末試験を頑張りましょう!)
留学目的の明確化。あなたはなぜ留学するのか?なぜその留学に意義があるのか(これは自分の中で留学の意味付けを行う主観的な視点も必要であり、なぜ財団(≒社会)から見てあなたを支援する必要があるか、という客観的視点も必要です)。
「実績」作り(あなたは②の留学目的を果たす力があるのか?あなたに投資したら、どれほど②に書いたようなことを達成できそうか?)
 この評価基準は語学力、国際教養力、もしくは専門分野の知識等、様々ですが、それらを通して選考官が見ている点はあなたの力=②の目的の達成可能性だと思います。

学問のすゝめ

①~③全てにおいて、長期的な準備や熟考が必要とされることがご理解いただけたでしょうか。これらの3つの準備と並行して留学準備を行っていると、私の場合はめでたくバイトをする時間が消失しました。私は幸運にも奨学金を多くいただけたので、若干の結果論になりますが、この奨学金を本格的に狙い、バイトを行わない方法は、特に時給が芳しくない仙台ではいいのではないかと思っています。

社会は①~③のように、学生の本分である勉強を頑張っている人には手を差し伸べてくれる、案外優しいところなのかも知れません。これを読んでくださった皆さんも、ぜひバイトだけではなく、学業に注力し、それを武器に給付型奨学金をいただく、という資金準備法も御一考ください。まずは目の前の試験から頑張っていきましょう!

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