#086:ジョセフィーヌ号(仮称)、逝く
こんちゃす。
G組飼育係です。
のんびり沖縄生活のお話でも書こうかなと思っていましたが、これが実際の厳しさなのかもしれません。
沖縄(特に都市部から離れた場所)で暮らすには、車が必須と言っても良いでしょう。
電車は無いし、バスは時間通りに動かない、自転車はすぐ錆びる。
沖縄の人はすぐに車に乗ります。
家から近くの商店までも車です。
歩いて1分、車で3分、それでも車に乗るのです。
そんなわけで、自分も移住するにあたって、車を買いました。
買いましたと簡単に書きましたが、学生にはとても大きな買い物です。
新車なんてもちろん買えません。
なので、かなり頑張って探して、なんとか中古で22万円の「ダイハツ ムーブコンテ」を買いました。
屋根は剥げてるし、クーラーは効かない、ライトも消えかけてる(室内ライトは消えました)、異音なんてしょっちゅう、しかもシャコタン。
それでも私は満足です。
初めて手にした車。
その喜びを噛み締めながら、毎日一緒に過ごしていました。
名前はジョセフィーヌ(仮称) 。
ああ、私の毎日にささやかな彩りを与えてくれる素敵な子。
とりあえず自分が島を離れるまでなんとか動いてくれればいい。
それ以上の事は望みませんでした。
しかし女心はわからないものである。
私の何がいけなかったのでしょうか。
彼女はある日突然動かなくなったのです。
私の必死な呼びかけには応じません。
どうしようも無いのでロードサービスを呼びました。
レッカー車で颯爽と現れた作業服の兄ちゃんは、まるで白馬に乗った王子様。
しかし王子様の接吻(応急処置)では、彼女は生き返りませんでした。
もうしょうがないので、そのまま修理工場へ。
何やら複雑な故障らしく、修理には時間とお金がかなりかかるそうです。
「面倒くさい女は嫌いだよ」
彼女と出会って半年ほど過ぎたでしょうか。
私は動かなくなった彼女を捨て、新たなパートナーを探す旅に出たのでした。