人生で一番憧れている椎名林檎さんの魅力
皆さんには憧れの人って居ますか?
僕は中学生の頃に椎名林檎さんの「加爾基 精液 栗ノ花」という思春期には刺激的なタイトルのアルバムとの出会いでその後の人生が変わったほど憧れの人です。
クリエイターとしてコツコツ直向きなところ
先ほど、出会って人生が変わったと言った「加爾基 精液 栗ノ花」というアルバムは椎名林檎さんの3枚目のアルバムです。
これまでに椎名林檎さんは無罪モラトリアム、勝訴ストリップを発売していて3枚目のアルバムで一区切りすると発言していました。
そのアルバムのタイトルも、
・無罪モラトリアム(Muzai Moratorium)
・勝訴ストリップ(Shouso Strip)
・加爾基 精液 栗ノ花(Karuki Samen Kurinohana)
というように並べるとMM、SS、KSKとシンメトリーになっています。
そのほかにも勝訴ストリップは総合収録時間も55分55秒、加爾基 精液 栗ノ花も合計44分44秒。さらにアルバムの収録曲は並べるとシンメトリーに構成されています。
数え切れないほどあるんですが、こういう遊び心のためにシングルカットの曲と、アルバム収録のバージョンが違うんです。
普通、シングルのままアルバムに収録されることが多いんですがちゃんと1本のアルバムとして物語として聞けるようになっているのもクリエイターとしての凄さを感じます。
ちなみに僕も大好きな三毒史というアルバムはすべて全角で5文字に構成されています。
音楽部分でももちろん、音の構成、歌詞の使い方、息の使い方、歌い方の使い分けも素晴らしいんですが…言い出すと3万文字くらいの記事になるのでこれくらいにしておきます。
歳によって変わる染み入る歌詞の深み
若い頃はさらっと聞いていた曲も大人になるとわかったり、5年前は好きじゃなかったのに今は染み入る。そんな歌詞がたくさんあります。
34歳、独身ゲイの心に今響いてる歌詞をいくつか紹介します。
ギブス
有名な一曲でかなりメジャーなものですが、この歌詞もなんとなく聞いてました。しかし、「あなた」はこの今の自分の美しさに気付いて写真にしたいと言ってるが、「あたし」は写真に残すことで過去の「あたし」の美しさに今の自分が劣ってしまう。
無邪気に写真を撮りたがるあなたと、それをいやがってるあたしが存在する美しさみたいなのを感じます。
TOKYO
深夜に聞きたい1曲、希望に満ち溢れてる表面的な自分を突如客観して都会の真ん中で夜道を帰ってると…「耐えられない」「もうずっと眠ってしまいたい」そう思うことがたまにあります。
悲劇のヒロイン!!の症状になった時に聞くとぐっと染みます。
この人生は夢だらけ
大人になって理不尽、なぜコツコツと積み上げてきた自分より見かけが美しいだけの見せかけのあいつが…!!!ともやっとしてしまうことがあります。
そんなときにこの曲を聞くと、そうそうこの人生は夢だらけ、自由は自分のもの。そう思えます。
「きっと違いのわかる人」は本当に居るんです。
ありあまる富
この曲は10年前に発売されたタイトルなんですが、最近になって龍が如くの最新作で使われたことでまた話題になっていました。
ずたずたな気持ちになったとき、人に傷つけられてしまったとき、理不尽な目に遭ったときに必ず聞きたい1曲。
なにかを悪い人に奪われても、それってくだらないものだし、相手にしなくて良いんだよって教えてくれる歌です。
群青日和
昔この歌詞って何気によくわからなかったんです。理解力が乏しいので…
突き刺すように寒い十二月の空気と、伊勢丹の前を通ったときに温かい空調の空気が混ざり合ってる瞬間、この衝突してる場所が「あなたを思い出す体感温度」っていうのがすごいなって思ったんです。
新宿で「ここって群青日和に出てきた場所だよなあ」と想いながら歩いていたときに、あっ、そういうことなの…!?と感動しました。
さらば純情
純情が失われた35歳だからこそ、ぐっと来ます。
まっすぐに、自分を肯定して…まっすぐに信じたり、自分を肯うことで自分を保ってたっていうのが、もう過去の純情と理解してしまえます。
僕はこの曲を聞いたときにもう一方通行な純情な気持ちがもうなくなったんだと、決してもう戻ることはできないと、悲しくなってこの曲を聞きながら夜な夜な泣いてしまいました。(笑)
所作や言葉遣いの品の良さ
ライブやメディア露出のときに所作や言葉遣いの美しさに憧れてしまいます。セクシーではあるけど、下品ではなく品がある。色気がある所作。
僕は男だし、ゲイですがああいう知性のあるセクシーな人になりたいなって思います。
大人になればなるほど、武器は若さや表面では語れません。
もっと中身や所作のダンディを極めたいなって思うんです。
ライブの魅力
椎名林檎さんのライブは未だにいつも驚く演出の数々。下品な演出がなく、綺麗で美しい。派手に爆薬をつかったようなものや炎が吹き出すようなものもありません。
映像やクリエイティブで美しいなって思う作りになっています。
1本の映画を見てるような物語になっています。
プロのクリエイターとしての姿勢
椎名林檎さんはよくネットやSNSでの評判もよく見てると言っています。ファンや世間の反応を見て新しいものやライブを作るようにしているようです。
そのほか、いつだったかインタビューで音楽を作ることについて質問されたときに「ご飯を食べるために…」という内容で回答されていました。
こういうときってアーティストなら「夢があるような」ことを言うと思いますが、現実的でした。シングルマザーとして子どものためにも自分のためにも食っていけるため。
発注があればその発注に応じて満足のいく音楽を納品する。クリエイターとしての姿勢がそういうところも好きです。
タイアップやプロデュースの発注が多いのもそういうプロ精神から信頼が厚いのかもしれません。
独身ゲイが一人でも生きていけるような教科書が詰まってる
いくつか歌詞をご紹介しましたが、本当にゲイの独り身を支えてくれるような凍えるような歌詞から説法のような曲まで揃っているので季節や気分に合わせて教科書が用意されているようなものです。
誹謗中傷に悩んだり、人間関係に疲れたり、恋愛に疲れたり、そのときに合わせて仏教の教えのような気がフッと楽になる言葉と音楽が処方されるのです。
いかがでしたでしょうか?
作詞作曲、最近は編曲までされる椎名林檎さんの魅力の一部を書きました。
ゲイのファンが周りに全然居ないので少しでも知るきっかけになれば嬉しいです。
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