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自己肯定感なんてものはクソでも喰らってろ! だ。

11月7日、日曜日のちびまる子ちゃんやサザエさんが始まる少し前の、笑点がオンエアされているくらい時間に東洋経済オンラインで自己肯定感についての記事を見掛けた。

内容については、自己肯定感の低い人間が傷つきたくないが為に行いがちな3つの自己防衛策を、ドイツの専門家の著作・翻訳より抜粋という形で紹介されているものだったが、読んでみた後あまり良い気分にはなれなかった。

養育者との愛着が感じられないような環境で育った者はストレスに対して過敏になり耐性が低くなるとし、被害妄想で現実を歪めてしまい事実を客観的に受け止められなくなるのだそうだ。

そのような者はおおよそ自己肯定感が低くネガティブで、精神的な不安要素(劣等感・焦燥感や羞恥心、他人からの非難・叱責など)を取り除く対処方法として以下のような傾向がみられるとのことで、

①完璧主義

②外見にこだわりすぎる

③わざと失敗する

こんな調子では自分自身の本来の実力を発揮できないまま終わってしまう、と記事は締めくくられていた。③については直訳なのか意訳なのか分からないが、注釈を読む限りでは先延ばしによる遅延行為や責任放棄のことを示しているようだった。

自己肯定感が低いことは会社員時代に受けたセミナーや研修で自覚していたし、①②③についてはメンタルクリニック通院当初に先生からよく指摘をされていたので自身の特性については理解していたが、まったく名前を聞いたことのない外国人の無慈悲で無神経な言説にはちょっと不愉快な思いをさせられた。

自己肯定感の低い人間はこういった記事を目にすると、ますます自己を否定してしまう羽目になるのだ。

せめて、その克服の仕方や解決策を書き記して欲しいと思ったが、すぐ横に載っていたのは著作の画像で「クリックするとAmazonのサイトへジャンプします。」という一文が添えられていた。


まあ簡単に言えば釣られそうに、或いは釣られてしまった訳だ。


生育する中でこびり付いてしまった認知バイアスから逃れたり、修正したりすることが実際にどのくらい時間が必要でどのくらい困難なのか当事者としてもよく分からないが、少なくとも1冊のビジネス書を読んだだけで快方に向かい、事態が好転するようには思えない。

とは言え、人生を決定づけるような本との出逢いというのはいつでもどこでも誰にでもあることなので読書を否定するつもりもない。

有象無象とまでは言わないが本や書籍は玉石混交そのもので、自己否定感の強い人間が自身の存在を肯定できるようなキラキラと輝いた宝石や玉に遭遇するのはごく稀なことだ。

それでも時々、おもわず涙がこぼれてしまうようなビックリするくらい眩しい玉に出会うこともある。それは本に限らず、映画やお芝居や、音楽やスポーツや、事実として語られた逸話の場合もある。

わたしの個人的な解釈としてはそれらが知恵であり教養であると思っている。そしてその知恵と教養がわたしや世界を照らし、クソみたいなロクでもない世の中に輝きを与えている。


自己肯定感が低いと自覚のある人はキラキラと輝いた玉を多く集めてみたらいいと思う。

自己肯定感が低いことを受け入れてみたら①完璧主義、②外見にこだわりすぎるは、愛すべき特徴であり立派な才能であると自己肯定が出来ると思う。

そうすれば本来あるべき自分の力を発揮できるのかもしれない。


※わたしが釣られたのは 「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある  by シュテファニー・シュタール という本で全く読んでいないので内容の可否については分からないが、ひょっとしたら名著なのかもしれないので興味のある方はどうぞお読みください。

薦めておいてアレですが、わたしは読みません。


最後までお読みいただきまして有難うございます。





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