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ポリコレがいきすぎた未来社会のデストピアを描いた「デモリッションマン」をレビュー

2023年冬の北米映画興行なんと、ゴジラとジブリが興行成績のトップをマークするという異常事態がおきた。

今年の12月はディズニー100周年記念作のウィッシュこそが本命であとは刺身のツマという認識だったのだが、まさかの展開に。

刺身のツマとなっていたのはウィッシュの方だったのだからびっくりである。

ではなぜこんな状況がおきているのだろうか。

それは、まあわかりやすくいえばただ今の北米エンターテイメントでゴリ推しされるポリコレという概念についてやはり北米人自身がウンザリしているのだろう。

まさかこんなことになるとはだーれも思ってなかっただろう。

さらに映画の話とはずれるが、今のアメリカは治安が最悪だ。

警察が万引きをろくに処罰することができなくなっているらしい。

この警察の無力化も一言でいえば、恐らくアメリカ社会がリベラルを甘やかしすぎた結果、国内がグチャグチャになってしまったいるのだ。

なぜなら数年前にBLM運動があったので、警察の予算は減らされていたのだ。

だからあんなBLMなんて支持しない方がいいよと言っていたのにね。

まあそんなある意味ポリコレで自壊するアメリカを若干誇張気味に予言していた映画が実は過去にあった。

それは、1993年にシルベスター・スタローン主演で映画化されたアクション映画「デモリションマン」だ。

今作は20世紀に活躍した暴走刑事が、未来に蘇った凶悪犯を追い詰めるために戦うという荒唐無稽な映画なのだが…この映画で描かれる未来社会アメリカはまさに今のアメリカそのものなのだ。

例えば、肉を食えば「環境破壊」「動物虐待」と言われてしまい、警官が強硬な手段にとれば「ファシスト的」と言われる、暴言を吐けば罰金がとられる…どうですか?今のアメリカ(あるいは日本も)そのものでしょう。

恐らくこの当時は大統領だったジョージ・ブッシュ(父)を揶揄する目的があったのだろうが、あの当時よりも今のアメリカ民主党政権が推し進めている政策の方がこれに近い社会をできているのだから驚きである。

さらに、未来社会のアメリカ警察はてんでなにもできないでくの坊の集まりで80年代からやってきた凶悪犯に何も対処できないでいる。

これは、まさに万引きし放題の犯罪グループを放置しているアメリカ社会そのものだといえるでしょう。

じゃあ、そんな社会誰が救うんでしょう?

この映画は最終的にスタローン扮する主人公が活躍して終わるが、現実社会にこんなヒーローは存在しないのだ。

今のアメリカは国内がズタボロで、まさにスタローンが出てこない地獄の状況になっている。

当時はバカ映画として笑われていた本作だが、今の視点でみるとかなり笑えないそんな映画になってしまっているのではないだろうか。


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