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「安心してエントリーできる企業って?」〜聴覚障害学生就活対談・前編〜

Collable インターン生のゆりこです!
「大学の授業、どうしてる?」の記事に引き続き、今回の記事では聴覚障害のあるCollableのインターン生2名に、それぞれの就活について対談していただきました。
前提となる2人のステータスはこちらです👇

かのん

かのん
・都内大学3年生
・高度難聴
・障害者手帳あり
・就活中

かりえ

かりえ
・都内大学4年生
・軽度〜中度の聴覚障害
・障害者手帳なし
・就活終了

聴覚障害ならではの視点、そして障害者手帳のあり・なしにも注目して、2人の対談を聞いてみてください!



DE&Iへの言及


かりえ

かりえ:正直、自分の障害についてきちんと配慮してくれそうかどうかは面接まで行かないと分からないんだけど……採用ページとかを見ながら企業を検討する段階だと、DE&Iについて明文化されていると安心できる。でも、その DE&Iも女性の活躍にしか触れていない場合はあまり惹かれないな。

かのん

かのんDE&Iって女性だけじゃないよね。私も、障害に限らず女性以外のことがちゃんと書かれているかを見てる。


グループ企業あるある?


かのん

かのん:個人的な体感なんだけど、特例子会社(*)がある企業グループは、本社での障害者採用に力を入れていない気がする。特例子会社で雇用率を満たせているからかな?本社の障害者採用に関する情報が得にくいと感じた。

かりえ

かりえ:なるほど。私は特例子会社ではないけど、親会社がDE&Iに力を入れてる企業グループは、その子会社や関連会社も力を入れている気がした。そういう子会社の面接に行ったときは、「業務上でどういったところに困りそうですか?」とか親身に質問してくれたよ。だから私は、グループの親会社がどれだけ力を入れてるか?っていうのも見てる。

(*)特例子会社障害者雇用の促進と安定を図るため、障害者の雇用において特別の配慮をする子会社のこと。特例子会社で雇用された障害者は、親会社やグループ全体の雇用であるとみなされ、実雇用率を算定することができる。


マイページで障害者手帳の登録ができるか


かのん

かのん:マイページに登録するとき、障害があることを登録できる企業とできない企業があって、その違いも気にしてた。障害の登録がない場合だと、その企業が開催する一般学生のインターンシップに応募する時、「事前に障害について伝えたり、問い合わせした方がいいのかな?」と悩んで、面倒になっちゃったりする。

かりえ

かりえ:私も会社の新卒採用ページから直接申し込む時は、備考欄がないと申し込むのがためらわれるな。就職サイトが作っている募集ページだったら、障害について記入できる場合が多いかも
これは私の困った経験なんだけど…ある大手就職サイトで障害者手帳の項目に「なし」「申請予定」「申請中」の三つがあって、「申請予定」「申請中」を選ぶと、障害の種別とか、してほしい配慮を書ける欄が出てくるのね。だけど、「なし」を選択するとその欄は書けなくなっちゃう。

かのん

かのん:障害者手帳を持っていないと、障害や配慮について書けないのか。それは困るね。その場合、かりえちゃんはどうしてたの?

かりえ

かりえ:エントリーシートを出すタイミングで、メールとかメッセージに書いたり、履歴書を送る場合はそこに書いたりしてた。それでなんとかなったけど、やっぱり困るかな。障害に限らず何か配慮して欲しい人って一定数いると思うのに。手帳っていう証明がないと書けないんだよね。


障害者向けの応募フォーム


かのん

かのん一般の人も参加するインターンシップに障害者用の応募フォームが用意されていた会社はすごく良かった。選考過程が変わるわけではなくて、障害者用のフォームから応募すると面接の時に障害のことを聞く時間をとってくれるだけの違いらしい。でも、障害者用のフォームが設けられているだけで応募のしやすさが全然違った。

かりえ

かりえ:障害者採用って、選考過程とか採用条件が一般と分かれているパターンも多いけど、選考過程・採用条件が一般と同じで、入り口だけ違うっていうのは、すごく応募しやすいね。
あと、私は障害者採用で「業務内容が事務やデータ入力だけになる」っていうのは避けたかったから、そういうところも気にしてた。

かのん

かのん:私の聞いた話だけど……障害者採用の募集要項に決まった職種が書いてあっても、「この職種をしたい」って問い合わせたら受けつけてもらえる場合もあるんだって。例えば、障害者雇用で募集している職種はマーケティング・営業って書いてあったとしても、技術職がやりたいって問い合わせたら、応募できたりとか。

かりえ

かりえ:書いてなくても聞いてみるといいんだね!

かのん

かのん:あと、募集要項を見るときに困るのは、新卒採用・中途採用・障害者採用に分かれていて、障害者採用のところを押したら、特に何かがあるわけではなく「新卒採用のページを見てください」って書いてあるだけのパターン。新卒採用のページを見ても何も分からないから障害者採用のページを開いたのに、って思う。

かりえ

かりえ:区別なく新卒採用として受けていいっていう意味なんだろうけど、確かに戸惑うよね(笑)


障害者向けのインターンシップに応募したいけど…


かりえ

かりえ:障害者向けの座談会とか説明会は前からあるけど、インターンシップとかの参加型イベントは最近になってやっと出てきた感じだよね。すごくありがたいけど、手帳を持っていないと参加できないものも多くて、私はあまり参加できなかったのが残念。

かのん

かのん:確かに、障害者向けイベントの案内ってマイページに「手帳あり」で登録している人だけに飛んでくることが多いんじゃないかな。

かりえ

かりえ:そうそう!逆に、やむを得ず「手帳申請予定」で登録していたら、一般向けのインターンシップのエントリーページが出てこないこともあった。
「手帳なし」に変更したら一エントリーページが出てきたからそこから応募したら、「『手帳申請予定』で登録してたと思うんですけど『手帳なし』に変えて大丈夫ですか?」っていうメールが来て。一般向けのインターンシップに応募したいから変更したことを伝えたら「障害者手帳ありでも一般向けインターンが表示されるようにしておきますね」って対応してくれた。

かのん

かのん:「手帳あり」で登録してる人と「手帳なし」で登録してる人で、送る情報や表示するイベントを分けてるのかな。でも確かに、障害を持ってる人に対応できないイベントを「手帳あり」の人に対して非表示にするっていうのも、個人的にはありかなと思う。

かりえ

かりえ: うん、障害者の人に見せないでおこうっていう悪い意味ではないと思う。結構大きい企業だったから、プロフィール情報の変更までよく見てるんだなって驚いたし、個別の対応をしてもらえたのは嬉しかったかな。


気になる「転勤」


かりえ

かりえ:私の場合は基本的に年に一回の定期検査だけだからそこまで気にしていなかったけど、IT系に絞った結果、転勤が少ない会社が多かったかな。
でも、障害のある人にとって、転勤って大きな問題だよね。通う病院が決まっている場合は特に。往復の交通費も遠いと高くつくし、慣れない土地でかかりつけの医者を見つけるのも一苦労だし。
会社の近くにいい病院があれば転勤する気持ちも起こるかもしれないけど、やっぱり通い慣れたところに行きたいよね。

かのん

かのん:確かに。私の場合は3歳からずっと同じ先生が私のデータを持ってるけど、それって引き継げるのかな?

かりえ

かりえ:うん、それは多分、紹介状を書けば引き継がれるよ!

かのん

かのん:そうなんだ。データを引き継げるなら、私はありかも!


まとめ


いかがでしたか?

今回の記事(前編)では「安心してエントリーできる」という企業選びの最初の段階でしたが、後編では「説明会・面接で確認したいこと」という、さらに進んだところまでお聞きしますので、ぜひそちらもご覧ください🌟



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