見出し画像

Gatronomy Tourism-食文化-

 日本は世界に誇る豊かな食文化を有している国です。そして、豊かな日本の食文化を求めて、多くの訪日外国人旅行者が日本を訪れています。
観光における「食」はなくてはならないものであり、日本固有の「食文化」は、訪日外国人旅行者にとって大変興味深いものとなっています。
 なぜなのか。
 23年間、外食産業に携わっている私は、日々、外食企業の経営者、料理人・シェフと携わり、日本の食文化の豊かさを実感してまいりました。時代の変化の中で、お客様に満足いただく食やサービスを提供し続けることは容易なことあではありません。また、「食」はとても奥深く、概念はとても広いものです。食は生命、自然、歴史、文化、習慣など、すべてにつながっていることから、料理人・シェフは、料理技術の向上はもちろん、地域の食材の知識や食文化など、食に纏わる(まつわる)あらゆることを学んでいます。長い歴史や文化の中で培われてきた日本の食文化を、今も尚、継承し、進化させ、器の上で表現し続けている料理人・シェフの努力にはいつも感銘を受けます。
 2017年には、日本の文化芸術基本法 第十二条において、日本の「食」が茶道や華道、書道と並び、芸術・文化として認定され、食文化の振興が明記されました。食を文化・芸術として捉えることはツーリズムにおいても大きな意義があると思います。文化芸術基本法の改定には、観光やまちづくり、国際交流等、幅広い関連分野との連携を視野に入れた総合的な文化芸術政策の展開が求められるようになってきたという背景があります。今後、日本のツーリズムを考えていく際に、日本の食を「食文化」として捉えた戦略や施策が必要になってくるでしょう。

 日本のインバウンドは国の施策を基に成長を遂げ、国は2030年には訪日外国人旅行者数6000万人という目標を掲げています。2023年以降は、新型コロナウイルス感染拡大の終息とともに、インバウンドの回復が期待されています。ガストロノミーツーリズムは日本各地域に内在している食文化の魅力を再発掘し、地域の食文化を楽しむツーリズムです。
日本におけるガストロノミーツーリズムの可能性と価値をお伝えしてまいります。

次回;Gastoronomy Tourism -インバウンドの視点-
Gastronomy Tourisim Institute 
ガストロノミーツーリズム研究所 CEO 杉山尚美

ありがとうございます♪