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#51. 「育児を楽しむって何?」のその後

子育て支援員さんと2回目の面談をしたので
その時のことを記録しておこうと思う。
前提として、息子について紹介しておく。

息子の特性

一言でいうと、【超絶マイペース

数字が好き

計算、時計、時刻表、食品成分表、電卓、
とにかく数字が書いてあるもの全て
見て読んで確かめて、報告する。

ギミックがあるものが好き

ネジ、歯車、タイヤ類、
視線を同じ高さにして確かめる。

パズルが好き

年齢に応じた絵合わせパズルは1歳ごろから。
タイルを動かすパズル、都道府県パズル

口の周りや手が汚れることが苦手

ご飯のときは汚れたらすぐ拭いてほしい。
保育園では泥遊びができなかった。
手で直接触って塗る糊もできなかった。

新しいものが苦手

買ってきた服を着るのを嫌がる。
初めての服は保育園の先生に着せてもらった。

朝が苦手・挨拶が苦手

保育園の2歳児最後の3月、卒園間近で
初めて先生に「おはよう」を言えた。
朝はとにかく起きない。午前中テンション低い。
幼稚園でもいまだに挨拶できない。
午後からテンション高い。
「さようなら」は元気に言える。

得意なこととできないことの差が激しい

おそらく、本人の中で
「やって、できそうなこと」
「やっても、できなさそうなこと」
やる前から分かっているので、
できないことは、やらない
という選択肢を取るのだろう。

幼稚園ではいい子ちゃん

家では困ったちゃん。
幼稚園の預かり保育を利用しているが
18時近くまで元気に遊んでいることが多い。
帰りの「さようなら」までは元気だが
家に着いてからのテンションの落差が激しい。

このことを発達相談の心理士の先生に相談したことがある。
幼稚園で無理をしていて、疲れが溜まっているのでは?という見解だった。
年少のとき、幼稚園の担任の先生にもそのように相談し、少し気をつけてみてほしい、とお願いした。
でも、幼稚園ではずっと「いい子」なので
何も問題はなくて当たり前である。


自分のことは自分でできるし
分からなければ自分から先生に聞くし
友達が困っていたら先生に報告してあげる
準備や片付けもすすんでやる

結局、担任の先生に相談しても
親の私の愚痴を聞いてもらう時間
になって終わってしまった。

息子の言動の謎解き

それから一年経って、やはり同じことで悩んでいる私。

以前にも増して
やっぱり母親に向いてないんだな
と思うようになった。

それでも毎日この子たちと対峙しなければならないし
自分の気持ちに折り合いを付けていくのは
自分しかない

そういう気持ちを支援員さんに打ち明けた。

お母さんが何ができていない、とか足りない
ってことはないですよ。
(娘を見て)
この子だって、お母さんに見てほしくて、
ほらさっきから行ったり来たりしてるでしょう。
ちゃんとお母さんが普段向き合っていなければ
こんなことしませんよ。
「できたね。ありがとう。」って言ったら
すごく嬉しそうに笑うじゃない。

きっとお兄ちゃんの場合は、
うまく心の内を表現できなくて、
お母さんに伝えられてないだけじゃないかな?
それを、どううまく理解してあげるかは、
難しいけれど……

数字がすごく好きなこと、
でも挨拶とか自分を表現することが苦手なこと、
できることとできないことの差が激しい
という発達検査の結果になったこと、
などを話した。

時間が理解できるのに、
朝は言われないと準備ができない、
夜はご飯を食べるのが遅い、
お風呂に入ってくれない、寝てくれない。

何度言っても、
ソファの上に立つ、
家の中で走る、
ご飯を食べながら貧乏ゆすりをする…

「やることリスト」をマグネットで作って
【できた】にひっくり返すお支度ボードも作った。

「家の中のお約束リスト」を紙に書いて貼った。
できたら【できたシール】を貼ったりした。

もう既に通ってきた道だ。
この子は全部分かっているのに
やらない。ぐずる。私を困らせる。
なぜ??

きっとすごく賢い子なんだね。
全部分かってるんだね、
いっそぼーっとしてて何にも分かってない子だったら、まだ楽なのにね(笑)。
分かってるけど、きっと体が動かない。
どうしたらいいか分からない、
言葉にできないから
お兄ちゃんの中で葛藤してるんじゃないかな。
それがぐずりとか、お母さんへの甘えになって
出てくるんじゃないかな。

(その場にいる娘を見て)
この子はすごく分かりやすいね、
何がしたいか必死に伝えようとしてくるね。

息子は、甘えたいときには大変分かりやすく、
「お母さんぎゅーして」
と言葉で言ってくれる。
できるだけ応えようとしているが
下の子の世話だったり、
手が離せないときには
「ちょっと待ってね」になってしまう。

お母さん十分やってるよ、
もうこれ以上何もしなくていいよ

幾度となく言ってもらえた言葉だけど
また泣くしかなかった。

結局、具体的にどうすればいいか、
という答えは得られないものの、
少しだけ私の心をゆるめてもらえた時間になった。
その道30年(かそれ以上か?)の先生にも
分からないのだ。
それが育児の答え、だというのが答えなんだろう。

春って、やっぱり寂しい

市役所の職員である、その先生、
この3月で退職されるということを教えていただいた。
正確には既に定年退職されていて、
いまは再任用期間だということ。

一瞬、気がゆるんでいた私の心が、ぐらっと
崩れそうになるのを感じたけれど
自分の中のダンパーが働いて、
ぐらつかないように耐えた。

またここへ来れば会える、相談できる、
という安心感が遠ざかっていってしまった。
「そうですか、」
と一言返すのが精一杯だった。

まだ3月まではいるから、いつでも電話でも
相談してくださいね、と言ってもらえた。
最後には必ず挨拶に伺おうと思った。

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