ADHDっぽい私が心理学を仕事にするまでの話 8 ~挫折と希望~
マスター2年、懊悩の日々
修士課程はそんなこんなである程度まったりと、好きなように時間を使ってはいましたが、楽しかったかというとそうでもなく、価値観(自分の人生の立ち位置)の模索や行く末についていろいろと迷って、懊悩をしていた日々でもありました。
(こちらをご参照ください。)
ADHDっぽい私が心理学を仕事にするまでの話7 Part1
実際、一度は退学しようかと思ったことさえあります。
その時は両親に説得されたこともあり、辞めるのは踏みとどまり、まあ何とか修了だけはしなくては、と思い直したのです。
ただ、もちろん、修了するためには「修士論文」からは逃れられません。
卒論で少しハードルをあげすぎたせいか修士論文に取り組むのはおっくうでたまりませんでした。・・・^^;、
なかなか進まない中、結局、教授に泣きついたところ教授自身が温めておられたテーマをいただいて、基礎的なものではありましたが、それもやむなしと取り組むことになりました。
修士論文
修論の際も卒論同様、プログラムを組んでPCで実験を行うこともできたのですが、先行研究との比較もあって、あえてアナログの実験を行いました。
題材はやはり「錯視」です。
卒論ではプログラミングに苦しみましたが、今回は、錯視図形を効率的に作画するために、CADソフトを使って作成したものを新たに導入された「ペンプロッター」で出力するという新しい道具の使い方とスキルを学ぶことになりました。
ここでもまた、職人気質な特性が発揮されます。
実験図ではミリ単位の精度がいるのですが、プロッタで出力する際に、(そういう使い方は想定されていなかったのでしょう)図全体の中心を変えずに大きさの異なる図を同一の余白をとるように出力することが難しかったのです。
適当に出力してそれを切り貼りするという方法もあったのですが、どうやっても汚くなるし、めんどくさいですよね?
そこで、何度も試行を繰り返し苦心惨憺して、どんなサイズの図であっても、上記のように出力するために必要な設定数値を算出する計算式を作ったのでした。
これによって、錯視図の作成が著しく簡易化され、それはゼミ全体の実験にも役立ったようです。
(こうした様々なスキルは後に「マニュアル化」して、ゼミの虎の巻として残していきました。)
また一つ、職人気質なところを発揮できたのはよかったのですが、まあ、修論自体はやらされ感満載な作業でしたね。
面白くはなかったのですが、淡々と実験を行い、何とか卒なく仕上げ、卒論同様、口頭試問もパスして、めでたく修了することができました。
就職活動、大きな挫折
さて、それはそれでいいのですが、修士2年目になれば、早くも「進路」の問題が浮上してきます。
まあ、就職か進学(博士課程)ということになります。
指導教授は博士課程進学を勧めてくれていましたが、私は、これ以上親に負担をかけたくない、という気持ちもあり、実は就職を希望してました。
なので、就職活動もそれなりにやりました。
実際のところ、一般企業を希望しても望み薄と思いましたので、少しでも心理学を生かせそうな医療や福祉系の求人を探して、いくつか応募しました。
ところが、一次試験は突破しても、二次の面接でことごとく不採用。
まあ、考えてみれば当たり前の結果で・・・大学では基礎しかやってないので、病院での臨床職としては戦力外と見なされても仕方のないところです。
なおこのころは「ソーシャル・スキル」も足りません。面接も苦手中の苦手。
仕事や中国武術など「ガクチカ」は結構あったはずなのにねww。
それで鍛えられたとはいえ、今から考えると、まだまだ全然未熟・世間知らずもいいところですね。
一か所、最後に希望を持っていた非常に有望な出願先があったのですが、結果不採用。
ここで就職出願先全滅したのは大きい挫折となりました。
博士課程へGo!
その後も就職を希望する気持ちは強かったのですが、指導教授から、
「博士課程に進学して博士号を取得し、大学教員を目指しなさい。」
と「お言葉」をいただき、「就職浪人するくらいなら」と就職をあきらめ、博士課程を目指すことにしましたのでした。
教授も私のADHDっぽさに業を煮やしていたところが多々あると思うのですが、こんな私を博士課程に進めてくださるとは大変勇気があるお方・・・いえ、面倒見の良さとともに、手前味噌な感想ですが、多少は私のことを買っていてくださったのかな、と思います。
この上さらに最低3年は学生生活をすることには、両親の負担もあるし、私自身、抵抗もあったのですが、両親も応援してくれるということだったので、踏ん切りを付けることができました。
ここまでくるともう、ある意味「背水の陣」という構えです。
さて、博士課程にいって、どうなったでしょうか?
続きはまた次回書きたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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