カントリーロード
星の中に飛び込むと
風の波に
長いヒレを乗せて
白く大きなクジラは
南国目指してフライトする
君のお腹にいる間
あたし達は外に出れないね
大人しく待つか
みんなそれぞれ
心の中が溢れて声や顔に出てる
海ブドウって
甘いのかな?って
考えてみたり
お土産、気にいってくれるかなって
心配しちゃったり
みんなとワイワイ
したいなって思わず笑みが
もれたり
会いたくて仕方ない
誰かの体温を思ったり
あたしも
いつもより荷物が軽い
今回かなり後ろ側の席を取ったのは
ちょっと寝るのに集中したいから
それで体力全快で着いたら、
思いっきり遊びたいし
しゃべりたい事あるし
うあー、今あたしめっちゃ顔
おかしくなってるかも(笑)
照明が落ちて
ほどなくあたしも落ちる
とうとう
到着のアナウンスが聴こえ
目を覚ますと
まだ10分前なのにあたしは身支度を整えて
膝に手を置いてじっと待っていた
大した揺れもなく、無事に
目的地へ到着
クジラ君もお仕事を終えて
しばらく大地に寝そべる
おつかれ様でした
ぞろぞろと、道が混みだし
少しずつ人々の声が減っていく
みんな居なくなった後、あたしも
彼らの後を追って歩き出す
添乗員さん一人一人に頭を下げて
お礼を言いながら目を細めるあたり
わりとあたしは浮かれてるようだった
空港を出ると感じる
湿気を含んだ空気の香りは
故郷に帰って来たんだという
実感をくれる
たとえ夜でも
生垣に咲くハイビスカス達は
風に揺られながら
あたしを迎えてくれた
少しずつ思い出す
故郷の色と感触
当たり前の特別が
そこにある
ただいま、沖縄
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