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「芸術は爆発する」の本当の意味を知ると勇気が湧き出る

【超訳】芸術とは職能的な芸事ではなく、無目的で非合理な世の中を生きること。そして瞬間瞬間を、無償、無目的、無条件に生命と情熱のありったけをぶつけることが爆発である。(だから音もしない、物も飛び散らない)

「自分の中に毒を持て」(岡本太郎)

”芸術は爆発だ。”で有名な岡本太郎『自分の中に毒を持て』を再読。冒頭3ページ(全文掲載)は全箇所マーカー必須だ。人生100年時代、今こそ誰もが岡本太郎の精神を心に刻むべきできある。心を動かす言葉の真髄を体感してほしい。

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人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に積みへらすべきだと思う。 財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。 過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。

人生に挑み、ほんとうに生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれ変わって運命をひらくのだ。それには心身とも 無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く純粋にふくらんでくる。

今までの自分なんか、蹴トバシてやる。そのつもりで、ちょうどいい。

ふつう自分に忠実だなんていう人に限って、自分を大事にして、自分を破ろうとしない。社会的な状況や世間体を考えて自分を守ろうとする。

それでは駄目だ。社会的状況や世間体とも闘う。アンチである、と同時に、自分に対しても闘かわなければならない。これはむずかしい。きつい。社会では否定されるだろう。だが、そういうほんとうの生き方を生きることが人生の筋だ。

自分に忠実に生きたいなんて考えるのは、むしろいけない。そんな生き方は安易で、甘えがある。ほんとうに生きていくために、自分自身と闘わなければ駄目だ。

自分らしくある必要はない。むしろ、”人間らしく”生きる道を考えてほしい。”忠実”という言葉の意味を考えたことがあるだろうか。 忠実の”忠”とは<まめやか、まごころを尽くす>ということだ。自分に対してまごころを尽くすというのは、自分に厳しく、残酷に挑むことだ。

ところが、とにかく忠君愛国の忠のように、主君はたとえ間違っていても主君である以上にそれに殉ずるとか、義理だの、仇討ちだの、 狭い、盲目的な忠誠心ととられることが多い。

だからぼくは、忠実なんて言葉はあまり使ってもらいたくない。 ”実”にしたって、何が実であるか、なんてことは抽象的で誰にもわかるもんじゃない。意識する”実”は、ほんとうの意味での”実”じゃない。”実”というのはそういう型にはめた意識を超えて、運命に己をかけることなんだ。

自分に忠実と称して狭い枠の中に自分を守って、カッコよく生きようとするのは、自分自身に甘えているに過ぎない。

それは人生に甘えることでもある。もしそんなふうにカッコウにとらわれそうになったら、自分を叩きつぶしてやる。そうすれば逆に自分が猛烈にひらけ、モリモリ生きていける。

つまり自分自身の最大の敵は他人ではなく自分自身というわけだ。自分を取り巻く状況に甘えて、自分をごまかしてしまう、そういう誘惑はしょっちゅうある。だから、自分を突っ放して自分と戦えば、逆に本当の意味での生き方ができる。

誰だって、つい周囲の状況に甘えて生きていく方が楽だから、きびしさを避けて楽な生き方をしようとする。

ほんとうの人生を歩むかどうかの境目はこのときなのだ。

安易な生き方をしたい時は、そんな自分を敵だと思って闘うんだ。

たとえ結果が思うように行かなくったっていい。結果が悪くて、自分は筋を貫いたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。

人生というのは、そういう厳しさを持って生きるからこそ面白いんだ。

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