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『カボチャの冒険』五十嵐大介 めちゃくちゃ可愛いネコと、めちゃくちゃ美しい日本の風景

2003年~2007年竹書房「あにまるパラダイス」「月刊まんがくらぶ」などに掲載された作品。全1巻。
とにかくネコのカボチャがかんわいい!のと、田舎の山の風景が美しすぎて全1巻では足りないです。もっとくれ。

主人公は作者:五十嵐大介さんご本人。
『魔女』『海獣の子供』などの作者さんですね。
彼は一時期ネコのカボチャと一緒に、東北の雪国の山の中で暮らしていました。その山での生活と、カボチャを取り巻く出来事を描いた短編集です。

写実的な描写。それがいい!

この作品を知ってもらうには表紙が一番だと思います!
ご覧ください。

画像1

ヤバい!カボチャが可愛い!
この山の緑!あふれるほどの美しさ!
(これ、疲れているときに見ると、なんか涙でるやつ・・・。)

作中、五十嵐さんはカボチャをとても写実的に描写します。
彼とカボチャは、街中に住んでいた時から一緒に居るのですが
山に越したことで、カボチャが山の動物たちを狩るようになります。
五十嵐さんはその事に驚きつつも、狩りをするカボチャの様子を
細かく描写されています。
もう、この描写が細かいほど、五十嵐さんのカボチャへの愛を感じるんです!!

あくび

ねずみ捕る

さらに、五十嵐さんは作中で決してカボチャを擬人化しません。
カボチャが、言葉で気持ちや意見を語ることは全くありません。
しかしカボチャの表情と吹き出し「・・・」があることで
言葉になっていないはずのカボチャの気持ちが、めっちゃ脳内補完されるシーンが結構あるんです!秀逸です!
これはぜひ本編で流れとともに確認してほしい!

雪の夜。五十嵐さんを屋根の上でひたすら待つカボチャ

雪の中

まずいものを食べたかも知れない時のカボチャ

まずいもの

山の中で自由にのびのび動き回るカボチャ。
狩りをして残酷な面を見せたりするカボチャ。
たまに五十嵐さんを困らせたりするカボチャ。
うっかり失敗しちゃうカボチャ・・・とにかくこの一冊はカボチャの魅力にあふれています。

背景に書き込まれる山の風景が美しい!

作中、五十嵐さんは主に畑・田んぼ仕事をしたり、山の中の古い家で原稿を書かれていたりするのですが、その風景が素晴らしいです!
カラーページはもちろんなのですが、白黒ページも!
山の木々がこんもりとしている様子や、畑の作物の葉っぱの生き生きした感じ。森の中の木漏れ日。
家の中の梁が重そうな感じ、薪ストーブの無骨さ。
なんか匂いがしてきそうです!

秋の景色2

キュウリ畑

冒頭でも言いましたが、こんなに素晴らしいのに全1巻・・・。
足りない。
続編を希望しています!!


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