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朝起きるとネズミが3匹並んでいた

猫が外で狩りをした獲物を持ち帰り、飼い主の前にそっと置く。
「こんなものを捕まえましたよ、褒めてください」と言っているよう。
これは猫飼いあるあるだと思うが、昔飼っていたアイルも狩りが上手でネズミや小鳥など持ち帰っていました。


次男が小学高学年の頃の話。
もう15年前の事。

アイルとは、近所の川沿いの土手で捨てられていた仔猫で、次男が拾ってそのまま我が家の愛猫となった猫のことです。

拾ってもらった恩を感じているのか、アイルは特に次男に懐いていました。
次男が小学校へ登校する時は、忍者のように物陰に隠れながら尾行し、とうとう学校までたどり着いたことも。
(担任の先生から電話で知らされ、連れ戻しに行きました)
寝る時は決まって次男のベッドに潜り込んでいました。

田舎という事もあり当時は完全室内飼いはしてなくて、自由に家を出入りさせていました。
夜はお風呂の窓を少し開けておいて、アイルが出入りできるようにしていました。

ある日の朝、私がキッチンで朝食の準備をしていると2階の次男の部屋から「ぎゃーー!!」と叫び声が(驚)
慌てて次男の部屋に行ってみると、ベッドで半ベソかいている次男がいて、次男が指さす方を見ると、ベッドの傍に小さな死んだネズミが3匹並んでいました。
アイルの仕業だとすぐに見当がつきました。

数日後、ワクチン接種にアイルを掛かり付けの獣医に連れて行って、このことを先生に質問してみました。

私:「アイルは次男に褒めてもらいたかったのですかね?」
先生:「猫とか犬は家族の中で順列を決めるのだけど、必ず自分より下の者を作るから、次男君が一番年下だとしたら、褒めて欲しいんじゃないと思う」
私:「では何故?」
先生:「多分、次男君が飢えて死なない様に食べ物を運んであげているじゃないかと思うよ、親のつもりだったのかな(笑)」
私:「・・・・」

親の私がいるにも関わらず、次男が飢えて死んでしまうと思ったというのか?
それとも私が作る朝食はまずいだろうから、美味しくて栄養満点なネズミを食べなさいと次男に勧めていたのかも?

確かにアイルは次男に懐いてはいたが、甘えるような素振りではなく、見守るような保護者的な視線で見ていたように思う。
でもオス猫のアイルが仔猫(子ども)の餌の世話をするだろうか?
疑問は今も残ったままです。

ともあれ、その後もアイルの献身的な朝食のUber Eats は続き、次男はゲンナリ(苦笑)
アイルがネズミを次男の部屋に持ってくる本当の理由は、アイルのみぞ知るところで、褒めて欲しいからなのか、次男が飢えてしまわないようになのかわからないが、そこに次男に対する愛情があったことは確かだと思うのです。








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