共稼ぎ貧乏家族の繁盛記『からすのパンやさん』
絵本作家のかこさとしさんの代表作のひとつなので、ご存の方も多いはず。
私の子どもたちも大好きで、特に次男はこの絵本のおかげかパン好きになりました。
見開き1ページに、たくさん描き込まれたパンを指差して「ぱく、ぱくっ!」と食べた振りして遊んでいました。
保育園時代には「大きくなったらパン屋さんになりたい」と、お誕生日会で発表するほどに、この絵本の虜になっていました(笑)
最初の頃は一つ一つのパンの名前を読み上げて聞かせていましたが、そのうち面倒になってしまい、しかもこのページに留まる時間がいつも長いので、夜寝る前の読み聞かせでは滅多にこの絵本は登場しなくなりました(笑)
子だくさんのカラスの夫婦が営む、いずみが森にあるパン屋さんが物語の舞台です。
カラスの子なのに黒ではなく、違った色の小さな子どもたちが4羽生まれました。
「それでも、からすの おとうさんと おかあさんは、にこにこ うれしくて」と、名前を付け大切に可愛がって育てます。
この、それでもという一言が気になり深読みしてしまいました。
もしかすると障害を持って生まれた子どもを象徴しているのかも?と。
最後にパン屋さんのトレードマークになる、子カラスと同じ色の4色の風車が登場します。
そのことから、子カラスの個性を意味付けているのだということが伺えます。私の深読み通りだったとしても、それはただ単に個性の問題で、各々の個性が入り交じり躍動し、時に奇跡も見せてくれる生命力の象徴なのだとすぐに理解できました。
作者のかこさとしさんが絵本のあとがきで、この絵本の大きな影響と示唆を与えられた芸術作品の話をされています。
いずみが森にあるカラス一家のパン屋さんは、子どもたちの手伝いもあって大繁盛します。
お客さんのご要望とアドバイスを真摯に受け止め、お店も奇麗にし品揃えを豊富にしました。
ビジネスとしても力を発揮して、客足が途絶えることはありません。
夕方になると連なって飛んでいくカラスを見かけると、もしかするとカラスのパン屋さんにパンを買いに行くのかも?なんて、想像も楽しいです。
一度食べてみたいものですね(笑)
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