映画『おらおらでひとりいぐも』
「おらおらでひとりいぐも」とは、「私は私らしく一人で生きていく」という意味。
私は仕事の関係で、お年寄りと電話でお話をする機会が度々あります。
電話口では明るく元気な様子のお年寄りの声で「お元気そうですね、お声に張りがあります」と伝えると、「声だけね(笑)もう年だから・・・」と、ご自身の体調など心配事の愚痴になったり、家族の話や昔の武勇伝など、身の上話に会話が弾むこともあります。
こうした長話をするお年寄りの方たちの多くが、一人暮らしをしていて、中には「人と話をするのは数週間ぶりだよ」と、思いもよらないことで喜ばれたりすることも珍しくありません^^;
この映画の主人公の桃子さんも、夫に先立たれ一人暮らし。
その孤独の生活からくる寂しさを、3人の心の声と共に「おらおらでひとりいぐも」と、残りの人生をユーモアをもって自身の心情に向き合っていく。
思わず共感して笑ってしまったのが、桃子さんが病院で、医師から「変わったところとはありませんか?」と尋ねられ腰の不調を訴えると、診察をしておもむろに放った医師の「しばらく様子をみましょう」の一言。
年齢を重ねると、体も経年劣化であちこち不具合が生じてくる。
病院で不調を訴えたところで、とどのつまり年齢のせいという事に落ち着く。
私も老眼で本を読むのが億劫になってきたし、肩こりは慢性化している。
焼肉とか揚げ物も大好きだったけど、最近は胃もたれするようになった。
こんな具合に年を重ね、老いはひたひたと近づいてくる。
孤独な老人の一人暮らしとなると、まわりの人たちの協力や見守りも必要になってくる。
映画の中では、桃子さんには近所の人や趣味に誘ってくれる図書館の司書の女性など、それなりに桃子さんを気遣ってくれる人たちがいる。
数週間も人と会話がない孤独な老人ではない。
私もあとどれくらい元気に仕事をして、車を運転してあちこち出掛けたりすることができるのか。
子どもたちに負担を掛けたくないから、今から老後のシュミレーションを幾つかして備える必要を感じるけど、結局のところ、ある程度のお金を用意しておけという事なのかもしれないな。
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