【2017上半期カルチャー振り返り】2017上半期映画ワースト5&ナーメテーター

先日の投稿で、2017年上半期(1月~6月中)に観た映画の中で印象に残った映画ベスト10を紹介させていただきましたが、今回はワースト5とナーメテーター(大した事ないと舐めてたのに、実際に観てみると面白かった作品=期待と実際の差が良い意味で大きい作品)を紹介します。

各作品の細かい感想は、filmarksに書いているので、宜しければ、下記ご参照ください。
https://filmarks.com/users/shuhei.iwasaki

では、早速、ワースト5から。
2017年上半期は、「ふざけんな!チケット代返せ!」と思うような作品は1つもありませんでした。

■2017上半期映画ワースト5

5位. 『昼顔』

【あらすじ】お互いに結婚していながら、惹かれあい愛し合うようになった笹本紗和と北野裕一郎。その一線を越えた関係はいつしか明るみになり、ついに二人は別れざるを得なくなってしまった。そして、紗和は夫とも別れ一人になった。あれから3年―紗和は海辺の町で慎ましく暮らしていた。オーナーの杉崎尚人が営むレストランでの見習いと狭いアパートの往復が日課で、北野の夢を見る事さえ既に無くなっていた。海岸沿いの小さな町には、彼女の過去を知る者は誰もいない。一方、大学の非常勤講師となっていた北野は蛍に関する講演を、ある街で行う事に。講演中、客席に目を向けたとき、彼は言葉を失ってしまう。そこには、紗和の姿があった。「神様は、私を試していたのでしょうか」運命のいたずらか、再びめぐり会う二人。あの時に交わした愛を忘れられず、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。清流ながれる蛍の住処が“約束の場所”。そんな中、二人の前に現れたのは、北野の妻・乃里子だった……。

【感想】連続ドラマも観ておらず、面白いらしいという評判だけを元に行ってみたら、想像よりは面白かったです。上戸彩が出てた作品でまともに観たのは金八先生とキムタクの奥さん役くらいだったので、こんなちゃんとした艶のある演技をする人なんだと驚かされました。映像自体も美しかったと思います。ただ、登場人物の誰一人、魅力的に感じず、誰一人、同情できない作品で付いていけませんでした。

4位. 『ANTIPORNO』

【あらすじ】女流作家の京子(冨手麻妙)は、小説を書く前にキャンバスへ登場人物の絵を描く。キャラクターの細部まで絵 の中で完成させてから、その絵に囲まれて執筆を行うのだ。これまで発表した4本の小説も、出版後に使用した 絵を個展で発表した。こうした奇抜な手法が話題を集め、京子はアーティストとしてカリスマ的な人気をほこり、 時代の寵児となる。ある朝、黄色い壁に囲まれた広い部屋で眠りから覚めた京子は呟く。「今日が誕生日だってこ とは黙っておこう。まったく、ちっとも上手くいってない。でも私のせいじゃない、どうしたらいい?」。いつも のようにマネージャーの典子(筒井真理子)が、その日のスケジュールを伝えに来る。雑誌のインタビュー、撮 影、テレビ番組の取材、文芸誌編集者との打ち合わせ......。マネージャー典子が伝えるスケジュールを分刻みで こなす毎日。京子のいらだちは、典子へのサディスティックな振る舞いになって表れる。「おまえは売女になれる か?」「四つん這いになってごらん。犬のように吠えてごらん」首輪をつけられ、部屋を引きずり回されながら恍 惚の表情で京子を見つめる典子は声を振り絞る。「先生のような売女になりたいです......」 京子の部屋の片隅で微笑む妹の幻影、父と義母と共に囲む食卓、天井に切り込まれる裂け目。自由と不寛容、サ ディズムとマゾヒズム、カリスマと奴隷、寝ても覚めても終わらない悪夢。私はキョウコなのか、キョウコを演 じているのか。これは私の人生じゃない?虚構と現実の狭間で、京子の過去の秘密が暴かれていく―。

【感想】昭和ロマンポルノリブートということで、いくつかの作品を観たんですが、圧倒的に作った意味が分からなかったのがこちら。園子温監督の作品自体は好きで、メジャー公開作品は全て観ているんですが、これについては観る人の理解を阻害する要素ばかりで、しかも、理解できたとしても「で、何?」みたいな話でした。

3位. 『キセキ ーあの日のソビトー』

【あらすじ】厳しい父の反対を押し切り家を飛び出したミュージシャンの兄ジン。父の想いを受け、歯医者を目指す弟ヒデも、仲間と共に音楽の魅力に引き寄せられていた。音楽に挫折し、弟たちの才能を知ったジンは、そんな彼らに自らの夢を託すことを決意する。 歯医者はやりたい、歌もやりたい。でも恐ろしい父親には絶対に言えないーー。彼らが取ったありえない秘策。それは前代未聞の顔出し無しの CDデビューだった・・・。

【感想】作品ができるまでの話は総じて好きなので、期待して行ったら、まあ、勿体無いシーンの連続。単純な青春ドラマに仕上げられてしまいました。俳優も、今をときめく菅田将暉に松坂桃李、成田凌、忽那汐里ですよ。いくらでも良くなる可能性があった作品でした。

2位. 『キング・アーサー』

【あらすじ】両親を殺され、スラムの売春宿でひとり貧しく生き抜いてきた青年アーサー。彼はまだ、自分の偉大なる宿命に気づいていない。アーサーの正体は、かつてのイングランド王の一人息子。暴君ヴォーティガン(ジュード・ロウ)は兄であるユーサー王(エリック・バナ)に謀反を起こし、殺害。ユーサー王は絶命する寸前、まだ幼かったアーサーを船で逃がしたのだった。過酷な環境で鍛えられながら成長し、優しくタフな男として仲間の信頼を集めていたアーサー。やがて聖剣エクスカリバーを手にした彼は、自らの過去、そして亡き父に代わり王の座を奪還するという運命を知ることになる――。勇気ある仲間たちの力を借りて立ち上がった彼は、果たして宿敵ヴォーティガンを倒し、頂点の座に上り詰めることができるのか――!?

【感想】あまりに面白くなくて、思い出せないほどでした。「シャーロック・ホームズ」シリーズや「コードネーム U.N.C.L.E.」などガイ・リッチー作品は好きなので、題材が良くなかったですね。古典×ガイ・リッチーの食べ合わせが悪い。アクションシーンに唯一、ガイ・リッチー節を感じられましたが、物語としての推進力がありませんでした。


そして、1位は…!

1位. 『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』

【あらすじ】岡山県倉敷市で父親と二人暮らしをしている森川ココネ。何の取り得も無い平凡な女子高生の彼女がたったひとつ得意なこと、それは「昼寝」。そ んな彼女は最近、不思議なことに同じ夢ばかり見るようになる。進路のこと、友達のこと、家族のこと・・・考えなければいけないことがたくさんある彼女は寝てばかりもいられない。無口で無愛想なココネの父親は、そんな彼女の様子を知ってか知らずか、自動車の改造にばかり明け暮れている。 2020年、東京オリンピックの3日前。突然父親が警察に逮捕され東京に連行される。どうしようもない父親ではあるが、そこまでの悪事を働いたと はどうしても思えない。ココネは父親逮捕の謎を自力で解決しようと、幼馴じみの大学生モリオを連れて東京に向かう決意をする。その途上、彼女はいつも自分が見ている夢にこそ、事態を解決する鍵があることに気づく。たったひとつの得意技である「昼寝」を武器に、夢とリアルをまたいだ不思議な旅に出るココネ。それは彼女にとって思いがけず、自分を見つける旅でもあった。

【感想】折角、全国公開できるオリジナルアニメ映画を作れる数少ない1人なのに、なんで、こんな作品を作ってしまうかな…と、とても残念な気持ちになりました。やはり画作りは凄いですが、面白がれるポイントが何一つありませんでした。


■2017上半期映画ナーメテーター

『22年目の告白 私が殺人犯です』

【感想】入江悠監督の作品は元々好きだったんですが、大作としては前作にあたる「ジョーカー・ゲーム」が今ひとつだったので、ハードル低めに行きましたが、面白かった!事前に想像した話とは全く違いました。前知識を入れずに是非!

『美女と野獣』

【感想】ディズニーの実写映画(マーベルなど除く)で面白かった記憶があるものが無かったのですが、これは素晴らしかったです。当然、物語の流れは知っているものの、ずっと目が離せませんでした。美しい。楽しい。ついに、実写映画まで完璧に仕上げてきたかディズニー…!

『帝一の國』

【感想】応援上映で観た効果も大きいと思いますが、とにかくずっと笑いっ放しでした。素晴らしいエンタテイメント映画。永井聡監督作品というか、広告畑出身の映像作家さんとの相性が悪かったのですが、徹底的にコメディに振り切ってもらえれば楽しめるものなのだなと発見でした。


■2017上半期映画総合ランキング

1.『ラ・ラ・ランド 』
2.『夜明け告げるルーのうた』
3.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
4.『夜は短し歩けよ乙女』
5.『3月のライオン【前編】』
6.『メッセージ』
7.『人生フルーツ』
8.『20センチュリー・ウーマン』
9.『お嬢さん』
10.『哭声/コクソン』
11.『はじまりへの旅』
12.『LION/ライオン ~25年目のただいま~』
13.『LOGAN/ローガン』
14.『22年目の告白 私が殺人犯です』
15.『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
16.『ムーンライト』
17.『WHO KiLLED IDOL?―SiS消滅の詩―』
18.『沈黙-サイレンス-』
19.『マリアンヌ』
20.『美女と野獣 』
21.『牝猫たち』
22.『サバイバルファミリー』
23.『モアナと伝説の海 』
24.『T2 トレインスポッティング』
25.『3月のライオン【後編】』
26.『ワイルド・スピード ICE BREAK』
27.『帝一の國』
28.『スノーデン』
29.『ドクター・ストレンジ』
30.『愚行録』
31.『バンコクナイツ』
32.『キングコング:髑髏島の巨神 』
33.『SING シング』
34.『レゴ バットマン ザ・ムービー』
35.『そうして私たちはプールに金魚を、』
36.『PARKS』
37.『スウィート17モンスター』
38.『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』
39.『スプリット』
40.『美しい星 』
41.『ネオン・デーモン』
42.『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』
43.『たかが世界の終り』
44.『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』
45.『昼顔』
46.『ANTIPORNO 』
47.『キセキ ーあの日のソビトー』
48.『キング・アーサー』
49.『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』

次は、2017年上半期のテレビドラマについて振り返ろうと思います。