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「がんばろう 日本!国民協議会」第15回埼玉読者会(R3.4月)

これは、「がんばろう 日本!国民協議会(http://www.ganbarou-nippon.ne.jp/)の機関紙、「日本再生」の読者が毎月行っている読者会のうち、埼玉の会の報告です。

「今回のテーマ」
① 人権民主主義を内面化するとはどの様な事か、またそのための活動とは。
② 機関紙、議事録、ノート、ニュースをどう活用しているか。
③ それぞれの居住区での市長選挙にどう関わるか

【SUMMARY】
世界の動き、国の動きが自分のくらしと密接に関係があると、一体誰が思うでしょうか。しかし小さな家族の問題が、実は大きな社会の問題と原因が一緒だと気が付くと、一気に社会を身近に感じるようになります。社会は課題にどう取り組んでいるのか、そんなことを周囲の人と話し合う中で、日常生活の課題解決への糸口を見つけることができるのです。

日常生活の延長上にある“世界”

バイデン政権発足から100日が経ちました。4月末に行われた施政方針演説では、経済対策や外交面において前政権との違いがはっきりと出されたように思えます。歴代の大統領による数多の演説の中で使われてきた「人権」や「改革」、「民主主義」といった言葉が、アメリカという「国」の象徴として“世界“に向けて発信するのではなく、アメリカを構成する”国民“に向けて語りかけられました。気候変動についても同様です。これを、アメリカの人々はどう受け止めたのでしょうか。
さらにこれを私たち自身に置き換えてみましょう。緊急事態宣言が発令されている今、政府や各自治体から私たち国民(市民)に向けて様々なメッセージが発せられています。その多くは「感染を広げないために様々な活動を制限して」というものです。しかし、「何故」私たちは自粛するのでしょうか。感染者が増えたら医療崩壊がおこる、経済が回らないという理由は、最終的に可視化される結果です。その根元にある見えない理由を認識しないと「感染を防ぐ」ための意識は高まりません。ワクチン接種で仮に感染が収束しても、社会の根本問題は解決しません。少なくとも自分自身の行動を説明できるように自ら考えることが大切であり、それが「内面化する」ことへの入り口となります。
私たち各自の日常生活が“社会”に影響をおよぼし、最終的に“国”や“世界”を形成していく自覚を持ちなさいという他国の大きなメッセージは、私たちに無関係ではありません。日常生活と世界の情勢ははっきりとつながっているのです。


価値観の共有と想像力で感性は磨かれる

「内面化する」ということは、自らの考えをその時代の社会が持つ価値や規範に照らし合わせて考え、受け入れていくことと定義されますが、求められていることはそこではありません。今、社会は大きく動いています。つまり、今まで評価されてきた価値や主張ではうまくいかない、社会の構造自体が抜本的に変わることが望まれています。バイデン氏は演説でそのことを呼びかけていました。新しい社会の基軸は、誰でもない、私たち自身が社会に参加することで作られていくべきで、そのために重要になってくるのが各自の価値観になります。
先ほどのコロナの例でいえば、「何故感染を防がなければならないのか」という疑問に対し、いったい自分は何を重要視するのか、自分の仕事が滞らないこと、高齢の両親が感染によって命を落とさないこと等、どこに基準を置いて物事をとらえるかを自らが知るための、「内面化」なのではないでしょうか。
当然、価値観は一人一人違います。それら様々な価値観を新しい社会に反映するためには、お互いの置かれた環境や世代の違いをとらえ、共有するための要素として加える感性の豊かさが求められます。そしてお互いの主張の中に「共通の視点」を見出し、そのことを共有していく想像力が感性を磨く重要なファクターとなるのです。

決定過程の多様性こそが合意を生み出す

私たちが考える「共通の視点」とは「人権民主主義」です。人として生きることの権利と、その権利を持ったうえで、人々が自分たちの社会の制度を定めるために生活のあらゆる面で全面的に参加することが望ましいのです。しかし、「人権」「民主主義」という言葉のとらえ方もまた、人それぞれなのです。このため、私たちは「異なる立場ではあるが、合意できる共通の価値は何か」という論議を積み重ねていく場(コモンズ)の必要性を感じています。
例えば人権とは何かというテーマで話し合いをする場合、参加者は自分の身近で起こった出来事を例に挙げた説明をするでしょう。別の人たちは話を聞いてその人の生活や立場などを想像し、自分の置かれた環境との違いを感じることができます。これを何度も続けていくと、お互いの認識が違うということを前提として討論をすることができるようになり、自分にとって人権とは、民主主義とはという「内面化」が進むようになると思います。自分の「人権民主主義」を定義することは、他人の「人権民主主義」と違いがあるということを知ること。知った上で、どこでお互いに受け入れあえるのかを探ることが価値観の共有、合意を生み出すということになるのです。ここで重要なことは「論議を繰り返すこと」です。一度合意できても、時間が経てば意識は薄れ、また価値観の共有ができなくなります。自分たちの考えや手法の変遷を振り返り、今後どのようにしていくべきかを常にアップデートしていくことで、合意を持続可能なものにしていくことができるのではないでしょうか。

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