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東京はもう飽きたと感じている方ヘ。東京を歩き尽くす表参道住まいの夫婦が知った穴場⑥昭和が残る風景・河川敷の野球グラウンド
東京の人間にとって河川敷のイメージとは寅さんや金八先生が歩いているそれであり、整備されたスポーツグラウンドが敷設されている光景を当たり前のごとく感じてはいるが、意外と日本の特殊風景だったりする。 長方形で作っておけば、サッカーばかりでなく、ラグビー系、アメフト、ホッケーなど多種のスポーツの練習に対応が可能であるにも関わらず、世界的にはマイナーな野球専用の練習場が、同数、もしくはそれ以上存在していることもまた日本の特徴である。 小学三年生のとき、通っている小学校の校庭をホームに
東京はもう飽きたと感じている方ヘ。東京を歩き尽くす表参道住まいの夫婦が知った穴場④定点観測・トー横キッズ/大久保公園/大久保コリアンタウン
自宅から池袋方面に歩く場合、時間に縛られなければルートは無限だが、明治神宮、北参道、国立競技場などどこを経由しても、いったんトー横、大久保公園、新大久保コリアンタウンという歌舞伎町から靖国通りまでのおそらく500メートル平方内で隣接する三地点は定点の観察の場として通ることにしている。 トー横は訪ねるたびその姿を変えている。ブルーシートで覆われた資材が置かれたり、柵が設置されたりで、「キッズ」ばかりでなく、一般人も近づきづらい場所にしてしまった。 「トー横」の場所そのものに何か
東京はもう飽きたと感じている方ヘ。東京を歩き尽くす表参道住まいの夫婦が知った穴場③人の営みが軽んじられた時代・都営三田線西台駅
建築において日々の人々の営み以上に敬われるべきことはないはずなのに、時代を経てそれがとても軽く扱われていたのだと感じられる構造物がある。 高度経済成長期における都内への人口流入に対し、国や都は住宅不足の解消に急いだものの、東京都は用地取得に窮した。そして考え出したのが都バス車庫の高度空間利用だった。 理屈として分からなくはないが、知事のサインが入る過程で誰も止めなかったのか。今のような低公害型ではないバスが昼夜出入りする環境の上に住宅を作るという発想には、手段が目的化し、人間
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東京はもう飽きたと感じている方ヘ。東京を歩き尽くす表参道住まいの夫婦が知った穴場②「ヒルズ族」から覗く素顔・いばらき市/六本木ヒルズ
霊友会釈迦殿の裏は大きく窪んだ土地で、そこには時代から取り残された一戸建の民家やアパートが建ち並んでいた。散歩で通るたびに人の暮らしの匂いが薄くなっていったので、何かしらの再開発の対象区域になっていることは想像がついたものの、後年、麻布台ヒルズのプロジェクトを知り、その都心の住宅地を丸々と飲み込むというスケールの大きさに言葉を失った。 エリア内にあったすべての構造物の撤去工事が終わり、高台にある麻布通りから桜田通りまで見渡せた時期があったのだが、まるで巨大隕石の衝突跡だった。
東京はもう飽きたと感じている方ヘ。東京を歩き尽くす表参道住まいの夫婦が知った穴場①背伸びをした自分を写す足もと・有明ガーデン
夫婦で暮らす狭いマンションの部屋から青山パークタワーがよく見える。錬金術を手にし、そしてマスコミを抑え込んだジャニー喜多川氏の、現代のハーレムを具現化した最上階の部屋は死後10億で売りに出されたというが、そんな事故的物件をも持て余した富の出口として簡単に買い手がつくのであろう。 パークタワーは渋谷だが、隣接する、不動産業界的に「3A」と呼ばれる「麻布・広尾」「青山・神宮前」「赤坂・六本木」エリアには、そんな金額の売買が日々淡々と行われている。そのこと以上に、昨年父が死に何も残