サラリーマンじゃ分からない・超都心の低地

我々が暮らす渋谷区の洪水ハザードマップを見ると、宇田川と渋谷川が合流する渋谷駅のJRと246が交差する場所が最も危険度が高く、つまりは底である。
繁華街の渋谷は兎も角、都心の高級住宅地と思われている場所にも当然だが底がある。
たけしが原付で事故った赤坂御所脇の安鎮坂下や青山霊園と飛び地の立山墓地に挟まれた笄児童公園などは前後、或いは左右を急坂に挾まれ、(標高的にまだ低い土地はあれど)底部にいることを実感する。
昔から高台には金持ちが、低い土地には貧乏人が住んでおり、実際、家の区画も土地を下るほど細分化されているのだが、どういう経緯か最底部に比較的まとまった土地を利用した億ションが建っていたりもする。
数億を出せるのなら、もっとまともな場所があっただろうに、と考えるが、さすがに上京学生が仲介業者に圧されるがまま判を押してしまうのとはワケが違い、購入者には各々それなりの事情があったのであろう。
話は変わるが、数年前、大和郷にある新築未入居の豪邸が47億5000万円でSUUMOで売りに出されていたことが話題になった。それこそそんな額を払える人は建て売りなど買わず、自身の思うまま好きな土地に、最高に贅を尽くした快適な居住空間を作れることは言うまでもない。
最終的に買い手がついたかは知らない。ただ、色はない、というもののサラリーマンの世界に身を置いてしまえば、その狭い想像力の範疇を超えたお金がこの世の中に存在していることを謙虚に受け入れなければならない場面は多い。


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