娯楽とは・首都圏自然歩道

休日はいつも夫婦ふたりで歩いているが、年に数回、妻が出勤や美容院、体調不良などでわたし一人が送り出されることがある。
わたしはケチで、気が小さいため、そのへんは信頼をされており何処へ行くかまでは訊いてこないが、唯一ダメと言われているのは三浦半島の岩礁である。
おじさん一人でアテもなくそんなところを歩いていたら、要警戒者になりかねないが、実のところ、その岩礁沿いは環境省が設けた首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)の神奈川県の1番目のコースとなっており、この自然歩道は関東一都六県約1,800キロをグルリと結んでいたりする。
歩道用に道が造成されているわけではなく、あくまで地図上でAからB地点を歩くに車通りのない(少ない)、あるいは歩道が整備されている道に沿って繋ぎ、適度な距離をコースとして区分けしているだけだが、使い勝手の良い専用サイトが作られ、道の分岐点には程よく道標が立てられているので、近頃良く利用している。
ただ、この三浦の岩礁コースは、少し狂っていて、天候の悪いときに一歩足を踏み外せば海に落ち、そのまま波にさらわれてしまうような「歩道」が5キロ以上続く。小心者であるくせに、適度なスリルは味わいたいわたしのお気に入りであり、故に妻は出発前に釘を刺す。
それにしても、街なか、公園、山、川、海など身の回りにはお金をかけずいくらでも楽しめる場所があるというのに、ゲームやテーマパークなど他人がプログラムした娯楽に時間も金も投じるのは人生のリソースを無駄にしているとわたしは思わざるを得ない。



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