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病人雑感~不安とともに過ごす日々

急性骨髄性白血病、造血幹細胞移植後患者の、がめちゃんです。

小学校が休校になって約3週間。こんなに長く娘と一緒に時間を過ごすことになるなんて考えてもいませんでした。

ただでさえ感染症が怖いところに、新型コロナウイルスによる不安が上乗せされてしまい、不安感からイライラする日が増えてしまいます。

娘にも悪影響になりかねないので、なるべく穏やかにと自分に言い聞かせてはいるのですが、上手くいかないことが多くて情けなくなります。

息子は念のため少し休む日を設けましたが、残りの日々を幼稚園で過ごすことができて、あとは来週の卒園式を迎えるのみとなりました。

きっと卒園式は感染対策を徹底してピリピリしているとは思いますが、かえって私のような病人でも参加しやすい環境にはなっているかもしれません。

今日は今週のまとめ的に、いろいろやってみたこと、感じたことを書いてみました。

小学生の体育の時間≒私のリハビリ

3月7日の記事で触れましたが、連絡をくれた先生のアドバイスを元に、何回か娘の体育の時間を設けてみました。

ずっと家にこもりっぱなしの娘の気分転換と、私のリハビリを兼ねての体育の時間です。

来月から5年生でちょっと気難しくなってきた娘ですが、それでも煙たがらないでくれ、歩きながら会話もできます。

向かう場所は小学校のグラウンドから直結している土手。

土手までは1㎞弱。ウォーミングアップのように歩いていきます。

土手は1周600m弱。

娘はここを2周走ったり、歩いたり。

最近調子のよい私も、娘について少しジョギングをしてみました。

まだまだ赤血球が少ないので、1周を走りきることは出来ず、頑張って100mちょっと。

それでも病気が発覚する直前は10mも走れなくなっていたことを考えれば、10倍の距離です。

やっとここまでこれたという嬉しい気持ちと、まだまだ先は長いなという困惑がないまぜになって押し寄せました。


少し強度を上げてジョギングにトライしたからなのでしょうか、お尻と腿の筋肉痛が押し寄せました。

更に1日遅れで腹筋が痛み始めました。

白血病で入院するまではトレーニングを欠かしたことはなかったので、しばらく感じたことのなかったレベルの筋肉痛に戸惑い、苦笑いが出てしまいます。

落ちた体重は、リハビリの強度を上げられるようになり、ようやく少しずつ増えてきました。

娘の運動能力は、今の私にとってちょっと高いレベルのリハビリ強度になるようです。

娘の体育の時間≒私のリハビリというのは、これから少しずつ暖かくなる季節に合わせて、私の体力・筋力を緩やかに向上させてくれる、良い授業になりそうです。


アライブ最終回を観ていて気付いた自分の感情

アライブ、最終回まで見ました。

血液がん患者にスポットが当たることがなかったのが残念でしたが、抗がん剤治療の大変さや、患者とその家族の葛藤など、実際に自分の体験と重なる部分や入院中に見かけたような描写もあって、人にどう大変かを伝えるときには、今後はこの作品を見てもらうと結構理解できるはずと言おうと思います。


最終回で木村佳乃さん演じる梶山薫が、「嬉しいというよりもうらやましいと思っちゃった」というセリフを言ったときに、ここ数日感じていたもやもやした感情を理解できました。

数日前、池江璃花子さんがプールで泳いだことを報告されていましたが、その投稿を見ても、その日は「励みになる」とは思えませんでした。

どちらかというとネガティブな感情しか浮かばなかったのです。

彼女は同じ病気の人のために、励みになるようにとやっていることなのは分かっています。

だけど、あれを見て、移植が出来たらもう大丈夫なんだねというイメージを持つ人がいるんじゃないかなと思いました。

私のようにGVHDを発症したりして、免疫抑制剤の増量や、当初の予定よりも服用を延長して、たくさんの制限を受けている患者さんもいるはずです。

当然感染リスクの高いプールに入るなんて持ってのほか。

だから自分よりも早いペースで、しかも順調に回復していく様子を見ていて、私はうらやましいっていう感情に飲まれたんだなと、ドラマのセリフで気付きました。

あのセリフの後の、オンコロ先生のセリフにも救われました。

今は良いんだよ


頑張っている人を応援する、同じ病気だから仲間意識を持ちたかったのに、なんでだろうと思っていましたが、この感情に気付けたらすっきりしました。

うらやましかったんだなと。

理解が出来たら、急に楽になりました。

嫌な気持が少し抜けたので、数日抱えた暗くて重たい気持ちが落ち着いてきました。

ポジティブに考えるようにするのは得意なはずの自分でしたが、意外な落とし穴があるもんだなと思いました。

病気とともに生きるっていうことは、きっとこういう感情とも上手に付き合っていかないとなんですね。

自分の弱さに気付けたことは、新たな自分の発見と、新しいことを学んだと思って、また一歩進んだととらえようと思います。


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