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ぱぱら快刀流『ゲームデザイナー奥義の書』

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ベテランさんのゲームデザイナー/ディレクター/プロデューサーです。 「ドラゴンクエストモンスターパレード」「サルゲッチュ」「ICO」「ワンダと巨像」「ナイトストライカー」「ソニッ…
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2021年8月の記事一覧

note01「クソゲー力」とのたたかい

ゲーム制作とは、ひとことで言ってみれば、『クソゲー力』とのたたかいです。 クソゲー力原理 「この宇宙はクソゲー力(ちから)に満ちあふれており、 普通にゲームを作れば例外なくクソゲーになる」 これをクソゲー力原理といいます。(勝手にぼくが名付けました) なにかの冗談とかじゃないですよ。ホントだから! 「クソゲー力」は、あらゆる空間に満ち満ちており、それ自身は目に見えないものですが、その圧力はさまざまな形に変換され、ゲーム制作現場に降り注ぎ、ゲームが面白く完成することを強固

note02 ゲーム企画屋さんに必要なスキルとは(1)

※この記事は2012年公開のブログ記事を元に一部加筆訂正したものです。 はじめにこんばんは。ゆかいなゲーム屋さんでおなじみの、かいぽんです。 ゲームの企画屋さんに必要なスキルってなんでしょう。今日はそういう話をします。 発想力? コミュニケーション能力? 問題解決能力? 高い志し? 英語や数学? 文章力? 審美眼? 計画遂行管理能力??? ほかにも飲み会能力とかパシリ能力とか最強の雑務能力とか、いろいろありますよね! ゲームプランナーに求められる能力ゲームプランナー

note03 ゲーム企画屋さんに必要なスキルとは(2)

※この記事は2012年公開のブログ記事を元に一部加筆訂正したものです。 ごあいさつこんにちは。かいぽんです。 前回、ゲーム企画屋さんに必要とされる能力は以下のように分類できる。というお話しをしたのでした。 さて今回はその続き。「VSDTサイクル」の各項目の解説です。なおこれは能力分類でもあり、実際にゲームプランナーが担当しなければならない仕事と連結しています。なにがどの職務につながるのか、そこ意識しつつごらんください。 1.Vision − ビジョンを描くちから(発想

note04 そのブレインストーミングはまちがっている

※この記事は2012年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 プロローグ 「おーい、磯野ー!ブレストしよーぜ!」 ブレスト。ブレインストーミングの略称です。みなさんは「ブレスト」と聞いて、どんな会議を想像するでしょうか。 こんにちは。かいぽんです。今日はこの不思議なミーティング、「ブレインストーミング」について、すこし思ってることを書きます。それってもしかしてブレスト?(芦原英幸風)だとか、ブレインストーミングの本質とはなんなのら、とかの、そんな話です。レッツ夜露

note05 黒ひげ危機一発、ヒットの理由

※この記事は2012年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 ごあいさつやっほー。かいぽんです。 しばらくゲームとはあんまり絡まないゼネラルな話が続きました。ちょっと反省して、今回はちゃんとゲームデザイン関係のお話しです。といっても教材は玩具ですが。ではいってみましょー! 本日の教材『黒ひげ危機一発』みなさんご存知の『黒ひげ危機一発』という玩具がありますね。今回はこの玩具のゲームルールの変遷がテーマです。Wikipediaによれば、このゲームは1975年に発売され

note06 スコアと勝敗と体験と実績と共有と

※この記事は2012年公開のブログ記事を元に一部加筆訂正したものです。 今回のお話 こにゃにゃちは〜。たりらりら~ん。かいぽんです。 今回は、ビデオゲームデザインの過去、現在、そして未来のお話しをしようと思います。いきなりなんだか壮大ですね〜。でも気楽なかるーいお話し?なのでご心配なく! ちょっと古い記事ですが、現代のゲーム:「シンプルな勝負」から「達成」へと銘打たれたこちらのアーカイブ記事をご覧ください。2010年の記事かと思いますが、よくまとまっています。 要約す

note07 初心者の気持ちになれ!かんたんテクニック

※この記事は2012年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 全員整列だッ!「わたしがかいぽん大佐である。本日は諸君らに、アクションゲーム制作において開発者本人が初心者プレイを簡易的に再現する、そんなサバイバルテクニックを伝授する。口を開く前と後にサーをつけろ!」 「サー、イエス、サー!」 「そのまえにだ。いわゆる初心者には2種類のタイプが存在する。わかるか?誰か言ってみろ!」 「サー!そのゲームにおける初心者Aと、テレビゲーム自体をあまりさわったことがない初心

note08 「スイミング・プール」にF2P(フリー・トゥ・プレイ)の真髄をみた!

金沢21世紀美術館について金沢に「金沢21世紀美術館」という現代美術館がある。 多くの公立美術館が経営で苦しむなか、この21世紀美術館は2004年のオープン以来毎年のように200万人以上の入館者数を集めており、地方公共団体が運営する美術館のひとつの成功モデルとして有名となっている。 美術館の建屋自体がひとつの現代アートといったかまえで、円形の建屋の周囲全面がガラス張りで未来感溢れたつくりとなっており、内外部からの見通しよく、またその敷地も塀壁ない開放的な芝生の空間となって

note09 アイデアの正体とは(1)

※この記事は2012年公開のブログ記事に一部加筆訂正をしたものです。 「なんかいいアイデアないー?」はい。よく聞く台詞ですね。では問いましょう。 アイデアとはそもそも何でしょうか。また、アイデアの良し悪しとはどう評価すればいいのでしょうか。 世にあまたある発想法の書籍などをみても、アイデアのひねり出し方は書いてあっても、アイデアであるための構成要件とはなにか、優れたアイデアと悪いアイデアはどう判定すればよいのか、明確に指摘してある本はほとんど見当たらないように思います。

note10 アイデアの正体とは(2)~良いアイデア、悪いアイデアの見分け方

※この記事は2012年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 前回のおさらいこんちゃーす!かいぽんだよ。 今回は、前回投稿した記事「アイデアの正体とは」の続編となっております。なお、このシリーズは今回も含めてあと3回ぐらい続くっぽいよ(たぶん)。長編だなー、たいへんそう・・・。 アイデア構造ツリー前回は、  アイデア = 目的 + 手段 という話をしたのでした。この構造をこのような図で表します。 アイデア構造ツリーの基本形 この図はとってもシンプルですが、

note11 アイデアの正体とは(3)~アイデアはタコ足なのよね~

※この記事は2012年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 前回までのおさらいうっほほ。かいぽんです。 今回は、アイデアの正体シリーズ第3回になります。アイデアのカタチのバリエーションについてお話ししようとおもいますー。 <これまでのINDEX> その1 アイデアの正体とは(1) その2 アイデアの正体とは(2)~良いアイデア、悪いアイデアの見分け方 今回→ 第3回 アイデアの正体とは(3)~アイデアはタコ足なのよね~ さてお約束の毎回のおさらいですが、アイデア

note12 アイデアの正体とは(4)~目的が先か、手段が先か、それが問題だ…

※この記事は2012年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 ここまでのおさらいこんばんわんこ!かいぽんです。 みなさまお元気ですかー。今回は、アイデアの正体シリーズ第4回になりますよ~。 <これまでのINDEX> その1 アイデアの正体とは(1) その2 アイデアの正体とは(2)~良いアイデア、悪いアイデアの見分け方 その3 アイデアの正体とは(3)~アイデアはタコ足なのよね~ 今回→ 第4回 アイデアの正体とは(4)~目的が先か、手段が先か、それが問題だ……

note13 アイデアの正体とは(5)~アイデアとは、目的と手段のタペストリーだ

※この記事は2013年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 はじめにこんちゃーす!かいぽんです。 今回の記事は「アイデアの正体」シリーズ最終回! アイデアとは、目的と手段が織りなすタペストリーだよおっかさん というお話しであります。 <これまでのINDEX> その1 アイデアの正体とは(1) その2 アイデアの正体とは(2)~良いアイデア、悪いアイデアの見分け方 その3 アイデアの正体とは(3)~アイデアはタコ足なのよね~ その4 アイデアの正体とは(4)~目

note14 ゲームプランナーの「伝える技術」4つの基本

※この記事は2013年公開のブログ記事を一部加筆訂正したものです。 ここまでのおさらいこにゃにゃちは!かいぽんです。 以前の記事で、ゲームプランナーに必要なスキルは、 「考える」 「伝える(共有)」 「やる(実行)」 「試す(トラブルシュート)」 だ、という話をしました。 <参考エントリ> note02 ゲーム企画屋さんに必要なスキルとは(1) note03 ゲーム企画屋さんに必要なスキルとは(2) 今回はそのひとつ「伝える技術」について、そのコア要素となる「文書作成