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僕が洋楽を聴く時の英語に対する感覚/新たな趣味嗜好の開拓

僕は洋楽が好きだ。当然日本人なので、英語の歌詞を聴きながら理解する事は出来ない。何を言ってるのかも、ほとんど分からない。歌詞カードから何となく察知出来るのと、Fワードが出ると「なんか怒ってる歌詞なのかなぁ」とぼんやり思うぐらいだ。

最近海外のHIP-HOPを聴くようになった。そのきっかけがTENETの主題歌Travis ScottのThe Planだ。

クラシカルな作風でお馴染みのノーラン映画でこんなにナウい音楽が流れてきた事に驚いた。「ノーランがこの曲をチョイスしたのか?」と。でもこの無機質な低音と独特の静けさの曲調は、TENETの世界観にマッチしていると感じたし、IMAXの音響で聴いた時は、IMAXシアターで流す為に作ったんじゃないかと思うほどの重低音だった。

そしてこの曲にハマり今では毎日のように気がついたら聴いている。この独特の低音と、Travis Scottの声質、そしてリズミカルな歌い方が何とも心地いい。

そしてTravis Scottにハマった僕は他の曲も聴いてみた。

音楽を構成するのに最低限の音数と、賑やかさとは相反する音作り。そしてそこに乗っかるリズミカルなボーカル。これが気持いい。

ただ、聴いてて違和感を感じた。「俺はこの歌詞を理解しているのか?」と。歌詞の意味を理解せずに洋楽にハマっている自分が少し恥ずかしく思えてきた。洋楽厨という言葉があるように、ミーハーな洋楽の楽しみ方は、あまり良いものではないのかなとも考えた。

だが、振り返ってみればそれは今に始まったことではない。僕は中学生の頃にLinkin Parkを好きになってから洋楽を聴くようになった。その時はもちろん歌詞の意味なんて理解していなかった。そしてそれは社会人になった今も変わらない。多少英語を読めるようになったとはいえ、それはネイティブレベルかと言われれば全くそうではない。今でも英語の意味は理解していないし、歌詞は耳をすり抜けていくような感覚がある。しかし、それも良いなと思えてきた。寧ろそれが良いとまで言える。

英語の歌詞は何となくで耳をすり抜けていく。しかし、それが気持いいのだと気が付いた。

洋楽のHIP-HOPを聴いていて、日本のHIP-HOPも聴いてみたが、あまり合わなかった。どこか直接的すぎるなと感じた。日本語は英語に比べてかなり凸凹な発音をする言語だ。1つ1つの言葉をしっかり分けて発音する為、音楽に乗った時でも、あまり丸みを感じにくい。しかし英語は1つ1つの単語を繋げて読む事もあるし、1つの文章を一息で発音している。故に音楽に乗った時でも、その日本語に比べて凹凸を感じにくいし、英語独特の滑らかさが気持いいとも言える。

それとは別に歌詞の意味をあまり理解していないのもある。Travis Scottの歌詞も日本語に翻訳すると、その曲の印象はガラリと変わると思う。(逆にそれを求めて自分で歌詞を和訳してたりもするわけだけど。)日本語は自分にとってはネイティブの言語だし、その意味もそのまま伝わってくる。それが直接的すぎると、少し抵抗を感じてしまうのかもしれない。

とにもかくも、「その音楽聴いてて楽しいなら別にいいんじゃね?」というのがファイナルアンサーだ。歌詞の意味を理解していなくてもいい。そのリズムとサウンドを楽しむだけでもいい。そういう楽しみ方だってある。

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ストリーミングでも聴けるようになった今、あまりにも音楽が身近にあると、毎回同じものを聴いてしまう。毎日通うスーパーで同じものを買ってしまうように。もちろんその音楽は好きだ。でも時々「何か他にもないかな?」と大好きなミュージシャンに食傷気味になってしまう瞬間がある。

しかし、趣味嗜好が固まってしまっている以上、新しい土地を開拓するのは結構難しい。いつも聴いている音楽にはないものを感じて物足りなさを感じてしまって、結局はいつも聴いているジャンルに戻っていく。

それでもある日、「おっこれはいいぞ」と思える瞬間もくる。それは映画を見ている時なのか、居酒屋で流れている音楽を聴いたときなのか、友達の勧めなのかは分からない。でもオフになっているアンテナがピン!と反応する瞬間がくる。そしてそれをキャッチすれば、新しい音楽にもノれるようになる。

僕の音楽に対する趣味嗜好はおそらく高校生の頃で完全に固まった。あの頃に自分のスマホとPCで色んな音楽を漁った結果、メタルやロックが自分の基盤になったし、それが揺らぐことは考えにくい。

というのも今までEDMやなんやらを聴こうとはしたものの結局メタルやロックを聴いては「やっぱこれだなぁ」と痛感するからだ。

でもたまには別のジャンルに浸ってみるのもいいかもしれない。そんな感じ。


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