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東京で懐かしの建物を見る

東京旅1・江戸東京たてもの園へ
レトロ建築で過ごす素敵な時間

こんにちは、北村ハルコです。
自由に行き来がしづらい日が続きますが、前回、前々回の沖縄の旅行のお話はいかがでしたでしょうか。楽しんでいただけたら嬉しいです。

今回は場所が変わり、東京での旅のお話です。

先日まで夫が東京で単身赴任をしていました。関西に住む私にとって東京に拠点が出来たのはうれしいことでした。打ち合わせやイベントなどで上京した折に、もう一泊二泊して行けるところにはいきたいと思い、時間を見つけてちょこっと訪れていました。その時のお話です。

美術展と同じぐらい、趣のある建物が好きです。建築家が設計した斬新な建物や驚くほど自然と調和のとれた建物、歴史を感じさせる趣のある建物、どれも好きで行ってみたくなります。東京は首都だけあってそれらの建物が点在しているので行く甲斐があります。

夫の単身赴任の期間は六年。最後の一年はコロナ禍で思うように行けませんでした。もっと行っておけばよかったと思います。
とはいえ、積み重なってさまざまな場所に行きました。東京オペラシティ、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、国立西洋美術館、東京国立博物館、銀座ライオン、庭園美術館、根津美術館、江戸東京たてもの園、江戸東京博物館、谷根千の趣ある建物と街…など。
今回はそのなかから、江戸東京たてもの園のことを書きます。

東京都小金井市にある、江戸東京たてもの園。小金井公園内の広大な敷地にある、貴重な建物を移転、復元した30棟ほどの建物の博物館です。
夫の住まいからは少し遠かったのですが、建物巡りが出来たら楽しいと思い出かけました。夏の暑い日でした。園内に入ると、貴重な建物が次々現れます。偉人の自邸、建築家の自邸、貴重な洋館など。

高橋是清邸、前川國男邸、デ・ラランデ邸、子宝温泉…。
いくつかの建物に入りながら進んでいくと、古き良き日本を感じさせるエリアがありました。江戸時代末期から昭和初期に建てられた乾物屋、和傘問屋、荒物屋などが並んでいました。建物に加えて、商店には当時の商品も置いてあったりでお店屋さんごっこをしている気分に。裏に回ると、空き地に土管が三つ横たわっていました。これは、世代関係なく遊びたくなっちゃいます。
七夕が近かったからか、笹に短冊が飾り付けられ、風になびいてよい感じになじんでいました。

江戸東京たてもの園s


エリアの奥には豪華な造りの銭湯がありました。子宝湯という有名な銭湯で豪華な大型の唐破風が目を引きます。アールをかたどった窓もあり、おしゃれなのがわかります。浴槽の背景はおなじみの富士山の風景画が。湯船につかりたくなりますよね、もちろんポーズを取りました。プラスチックのふろおけに、脱衣所のかご、体重計、扇風機、壁に張られたレトロなポスター。銭湯ってなぜこんなにワクワクするんでしょう。

たっぷりと銭湯の雰囲気を楽しんだ後、前方に見える黄色い電車に向かいました。旧型の都電で、路面電車にあこがれている私にとってツボでした。家族連れ、お年寄りに混ざって座席に腰掛けます。

風情ある農家の建物では外国の方もいらっしゃって、どんなふうに感じるのか聞いてみたくなりました。お腹も減ってきたので、赤い屋根が素敵な洋館のデ・ラランデ邸でランチにしました。
デ・ラランデは明治時代の建築家で、神戸のトーマス家住宅も立てたそう。三階建ての木造住宅で、内装は洋風で軽快な感じのおしゃれな雰囲気が漂います。
ランチはウインナーがのったピリ辛ジャーマンライスを食べました(調べたら今はなさそうです)。素敵な建物で食べると、ずっと後までその時の情景が浮かびます。
余談ですが、食べ物ことは後々まで覚えていることが多いです。

そして、いくつかの建物を回った後、最後にル・コルビュジエの弟子として働いたこともある、建築家前川國夫氏の自宅として使用していた建物を訪れました。戦時中に建てられた木造建築の洗練された建物で、庭にある大きな樹木とのバランスがすばらしく、外から見たときに中に入りたいなと思いました。内装は落ち着いた木の色で、開口部が広く、天井が高く、木製の建具と木製の家具がなじんでしっとりとしたインテリアで住みたくなりました。

この日はとにかく暑い日だったので、日差しが強く、少し歩いては建物に入って涼をとる感じでした。日傘も欠かせません。日本家屋のお庭では、つくばいでヤマガラが水浴びをしていて涼しそうでした。

屋外に、街路樹なども含め自然に建物があって、なじんでいるのがとても良かったです。建物によっては解説をしてくださったところがあり、実感として覚えておけるのがよかったです。

【北村ハルコ・プロフィール】
○兵庫県西宮市在住。静岡県浜松市出身。
子どもの誕生後、デザインを学び始める。
メーカーでのデザイン職を10年、仕事をつづけながらイラスト塾と絵本塾に通い、雑貨を作り始め関西の雑貨店を中心に活動開始。制作した雑貨が目に留まり、ステーショナリーメーカーのステーショナリーを制作。
その後、イラストを描きたくて2015年よりフリーに。装画塾、デッサン塾などで学びつつ、商談イベント等に出展。現在は、書籍、広告、雑貨イラスト等を描いています。自主制作のZINEを店舗、イベント等で発売中。
〇自然観察とバードウォッチング、旅すること、食べることが好き。
https://kitamuraharuko.jimdofree.com/

↓本連載のイラストを使ったグッズもあります。


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